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ある日、あかねは雨の中ふるさとへ向かった
高校を卒業して、都会へ出て六年、あかねが初めて帰るふるさと
駅から歩いて二時間はかかる山おくの家にあかねの母親が住んでいる
高速を降りて山道に入り、30分はしると、行く手に大きなトンネルが見えてきた
あかね
あかねが村を出たあとに工事が始まり、完成まで五年かかったと聞いている
母親の手紙にはトンネルの工事で山が崩れ、働いてた人達が何人か亡くなったと書いてあった
その中にはあかねの知り合いもいた
車で走る事1時間....
走っていた車が急停止した
あかねも危うく追突しそうになって、車を止めた
あかね
窓を開けて前方を見ると対向車も何台か止まっている
対向車や前の車の窓を叩きながらある男が大声で何か叫んでいる
と、その男はやがてあかねの車にも走り寄って声かけた
ある男の人
あかね
ある男の人
あまりの事にあかねはいきなり車をUターンさせようとした
けれど前も車、後ろも車で動けない
あかね
と、まごまごしていると、男が車の窓から手を突っ込んでドアを開けた
ある男の人
あかねの手を掴むと車の外へ引きずり出して夢中で走った
やがてトンネルが見え、あと少しで外、という所であかねの胸は
破れそうに苦しくなってきた
あかね
あかねは崩れるようにしゃがみこんだ
するとある男の人が後ろから叫んだ
ある男の人
ある男の人はあかねをすくうように、体を起こし、手を引っ張って走り出した
あかねも引きずられるように走った
そしてようやく、トンネルを出た時だった
2人の後ろで、ズズーンと地響きがしてあたりの山に、ガーンと音がこだました
あかねとある男の人の後ろから何かが押し寄せてきて2人は前のめりにおしたおされた
ある男の人
起き上がる暇もなく、重いものがかぶさってくる
あかね
そして分からなくなった
気がつくとあかねは、病院のベットにいた
手も足も包帯でグルグルに巻かれていた
かけつけていたあかねの母親の話だと
あかねがトンネルの外へ出たとたん、土砂で生き埋めになったらしい
あかね
あかね
あかね
あかねの母親
あかねの母親
あかね
あかね
母親の言う関屋 守という子はあかねの同級生だ
五年前、やまくずれにあい、生き埋めになったまま未だに遺体が見つかってなかった
あかねの母親
あかねの母親
あかね
あかねの母親
あかね