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ねっぴー

(独り言)山本とは、もう話さない

ねっぴー

命令だから……

ねっぴー

無視、するしか……

脳内の声

感情に揺らぐな。

脳内の声

お前は山本と話してはいけない。

脳内の声

目も合わせるな。

脳内の声

彼の声は聞くな。

ねっぴー

(独り言)はい、聞きません……

ねっぴー

俺は、従います……

その独り言は

風に乗って山本の耳に届いた

ダークネス山本

……やめてくれよ……ねっぴー!

ダークネス山本

なんでそんなこと言うんだよ……

ねっぴーは視界を逸らし、背を向けた

ねっぴー

(独り言)聞こえない。聞こえない……

ダークネス山本

聞こえてるだろ!?

ダークネス山本

なぁ、無視しないでよ……

ダークネス山本

お願いだから……っ!

ねっぴー

ダークネス山本

そんなふうに黙られたら……

ダークネス山本

俺、どうしたらいいのか分からないよ……

山本は耐えきれず、涙をこぼした。

そしてねっぴーのそばに駆け寄った。

ダークネス山本

話してくれよ……

ダークネス山本

俺、ねっぴーと話したいんだ……

ダークネス山本

声も聞きたいんだ……!

ダークネス山本

頼むよ、ねっぴー……!

ねっぴーは顔も見てくれない。

山本の声は一切届かなかった。

ダークネス山本

俺の手握って……!この前みたいに

ねっぴー

そしてねっぴーは

山本に背を向けて走り出した。

ダークネス山本

……待って、行かないで!

山本はそれを逃がさず、

ねっぴーの袖を掴んだ。

ねっぴー

……

ダークネス山本

今、『離せよ』って思ってるだろ……?

ねっぴー

……

ダークネス山本

絶対離さないよ……!

そして、山本は後ろから、

そっとねっぴーを抱きしめた。

脳内の声

感情に飲まれるな。

脳内の声

無視しろ。

脳内の声

抱きしめられても、拒絶しろ。

ダークネス山本

命令なんて……もう聞かなくていい。

ダークネス山本

無理して俺を避けなくていい……

ダークネス山本

もう、やめよう……

ねっぴー

……

ダークネス山本

頼むから……

ダークネス山本

戻ってきてよ、ねっぴー

ねっぴー

……

ねっぴー

もう……無理……だよ

ねっぴー

ずっと……無視なんて……

ねっぴー

できないよ……

ダークネス山本

ねっぴー……今、喋った……?

ねっぴー

喋ちゃった……

ねっぴー

命令……逆らっちゃった……

ダークネス山本

それでいいんだよ……

ダークネス山本

それで……いいんだよ……!

ねっぴー

ああもう……うっせぇな……

ねっぴー

大体さ、『話すな』『見るな』『関わるな』って

ねっぴー

そう命令されてたんだよ、こっちはよ……!

ねっぴー

ずっと『黙ってろ』ってそう言われてんだよ……!

ねっぴー

だから無視してんだろ……分かれよ!

ねっぴー

でもな……お前の顔見てっと、

ねっぴー

なんか胸が痛くて、ムカつくんだよ……!

ねっぴー

無視とか……もうできねぇ……っ

ねっぴー

無視、出来るわけねぇだろ……っ!

ダークネス山本

……ねっぴー

ダークネス山本

今の……本当の本心、なんだよな……?

ねっぴー

……うるせぇよ

ダークネス山本

ありがとう……

ダークネス山本

やっと、ねっぴーの声、聞けた……

ダークネス山本

すごく……嬉しいよ……

そう言いながら山本は

ポロポロ涙を流した

ダークネス山本

もう誰の命令にも従わなくていい……

ダークネス山本

ねっぴーは、ねっぴーのままでいてくれればいいんだ……

そう言い、山本はねっぴーを

抱きしめ直した。

ねっぴー

お前の声、やっぱり落ち着く……

ねっぴー

なんでだろうな

ダークネス山本

ねっぴー……それはね

ダークネス山本

心がちゃんと覚えてんだよ……

ダークネス山本

山本の声が好きなんだって……!

ねっぴー

……調子乗んなよ。

ダークネス山本

調子乗るよ……!

ダークネス山本

だって、俺も

ダークネス山本

お前の声好きだから

ねっぴー

……

二人は長い間

しばらく抱きしめあっていた。

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