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コメント
5件
感動、桃桃出てきますように!!!(笑)
主
nmmn注意⚠️ キャラ崩壊注意⚠️ 誤字脱字注意⚠️ 警察官パロ⚠️ 敬称に違いあり⚠️ パクリ禁止⚠️
主
主
主
25,光は、日常の中に
朝、窓を打つ雨音で目が覚めた。
カーテンの隙間から、柔らかな光が差し込んでいる。
その光の向こうで、誰かが笑っているような気がした。
——夢だった。
心雨ちゃんが笑って、「ありがとう」と言った。
それだけの夢。
けれど、美琴はそれだけで、胸の奥が温かくなった。
机の上には、あの手紙。
封は閉じていないまま。
何度も読み返したせいで、角が擦れて少し丸くなっている。
“来世では、一緒に仕事したい”
その一行を指でなぞりながら、美琴は静かに笑った。
制服の襟を正す。
鏡の中の自分は、少しだけ大人びて見えた。
胸元のバッジが、わずかに光を反射する。
今日から、正式に警察官として勤務する日。
それは心雨への約束を果たす第一歩でもあった。
警察署の玄関前。
空は晴れていた。
雨上がりの匂いが、まだ街に残っている。
背後から明るい声が響いた。
振り返ると、美琴が駆けてくる。
その姿に、須智は思わず目を細めた。
かつて少年だった顔には、今は確かな覚悟が宿っている。
その笑顔は、まるで太陽のようだった。
周囲の職員たちが思わず振り返るほどに、明るい声が響く。
夏希が片手を挙げて歩み寄ってくる。
ゆるい笑みを浮かべながら、いつもの軽い調子で言った。
須智が驚いたように眉を上げる。
曖昧に笑う夏希の横で、美琴も小さく頷いた。
——あの夜。
談話室で交わした、ほんの数分の会話。
言葉は少なかったけれど、確かに繋がった瞬間だった。
控えめな声に顔を向けると、亥留馬が立っていた。
その目元には、変わらぬ優しさと少しの疲れが滲んでいる。
風が吹き抜け、木々の葉を揺らす。
空はどこまでも青くて、心雨の祈りが空気に溶けているようだった。
午前の勤務は、慣れないことばかりだった。
電話対応も書類も、教本のようにはいかない。
それでも、美琴は丁寧に、真っ直ぐに取り組んだ。
横で須智が笑いながら言う。
その言葉が、優しく心に染みた。
昼休み。
缶コーヒーを片手に並んで座る。
夏希が自販機でお茶を買って戻ってきた。
慌てて赤くなる美琴を見て、夏希は吹き出した。
その笑い声に、須智もつられて笑う。
穏やかな昼の光が、3人の影を繋いでいた。
午後、庁舎の前に出ると、季節外れの風が通り抜けた。
どこか懐かしい匂いがした。
桜の木の下に、一羽の白い鳩が降り立つ。
まるで誰かが見守っているようだった。
小さく呟く。
須智が隣で問う。
須智は何も言わなかった。
ただ、空を見上げて頷いた。
唐突な問いに、美琴は少し考えてから答えた。
その答えに、須智は静かに笑った。
夕方。
デスクワークを終え、片付けをしていると、廊下の向こうから足音がした。
亥留馬が声をかけてくる。
その優しい声に、美琴は自然と笑みを返した。
夜。
帰り道、街灯がぽつぽつと灯る。
歩道の端に、小さな水たまりが残っていた。
そこに映る光が、まるで星のように瞬いている。
小さく呟く。
風が頬を撫でた。
それはまるで、返事のように優しかった。
25・了
主
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𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝♡260
主
主