TellerNovel

テラーノベル

アプリでサクサク楽しめる

テラーノベル(Teller Novel)

タイトル、作家名、タグで検索

ストーリーを書く

テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
無口な君の秘密

一覧ページ

「無口な君の秘密」のメインビジュアル

無口な君の秘密

12 - なんで___。

♥

639

2022年05月14日

シェアするシェアする
報告する

主です

12話です

主です

どうぞ!

💗くんと息が重なった

そう感じた瞬間

唇に温かいものが触れた

目はしっかりと開いているのに何が起きているのか分からない

時が止まったかのように、体を動かすことが出来ない

気が付くと、頬に添えられていた右手は頭の後ろに回されていて、

左手は僕の手をしっかりと握っていた

そっと瞼を閉じると、ふわふわとした感覚に陥って、

これは夢なんじゃないかと思った

ふっと、与えられていたものが離れていき、現実に連れ戻される

瞼を持ち上げると、💗くんの顔が目の前にあった

ほんのりと頬を赤らめて、目を逸らしている

僕は今、どんな顔をしているのだろう…

と、一気に頭が冴えわたって、ドンと💗くんを突き放した

顔が一気に熱くなるのがわかる

何が起こったのかを理解して、バッと唇を手で覆う

💙

な、な……

"なんで”という言葉すら発することが出来ない

💗

あ、いや…その…

僕の動揺ぶりを見て、💗くんも一気に焦り始める

💗

ごめ……つい…

つい?

💗くんは"つい”キスをするの?

爪が手の平に食い込むくらい強く拳を握る

そうしないと、涙が溢れてきてしまいそうだから…

💗

ホント、ごめん…

💗くんはバツが悪そうに俯いて、謝った

なんで…

なんで謝るの?

胸が張り裂けそうで、もう涙を我慢することが出来なくなった

💙

ごめん……今日、帰る…

震える声でそう言って、乱暴に鞄を掴んで部屋を出た

家を出て直ぐに走り出した

💗くんは何も言わなかった

いつものような、またね、とも、何も…

何かいって欲しかった訳では無いけれど…

あのキスは、💗くんにとって、その程度のものだったのだと痛感する

💗くんの優しい笑顔

気まずそうな表情

触れた唇

その全てを振り払うように、家までの距離を走り続けた

💗

何、やってんだろ…

ひとりきりなった部屋で、そう呟いた

💙の顔を見て、やっと我に返った

"💙を楽しませたい”そんな偽善じみた事を考えていたくせに、

理性を保てなくなって、キスをした

俺からキスしておいて、気まずくなったから謝るなんて、

ホント、最低だ…

俺が泣く理由なんてなくて、

泣くなんて最低で、俺にそんな資格なんてないのに、

鼻の奥がツンとなって視界がぼやける

耳が痛くなるような静けさに耐えきれなくて、ベットに潜り込んだ

💙

ただ、いま…

上がった息を整えながら、控えめにただいまを言う

すると、すぐにおばさんが出てきた

おばさん

え、💙?

おばさん

お友達の家に泊まるんじゃなかったの?

💙

色々…あって……

おばさん

おばさん

そう……早く寝なさいよ…

💙

ん…

おばさんの悲しそうな目線を背中に受けながら、

申し訳なさを抱えて、部屋に戻った

部屋に入り安堵すると、足に力が入らなくなって、ベットに潜り込んだ

💙

う、うあぁ…あぁ…

すると、1度止まったはずの涙がボロボロと溢れてきて止まらなくなった

なんで、何でキスしたの?

キスされたことは嫌だったのに…

なのにっ…

唇が離れていった時、寂しかった

キスされたことよりも、謝られたことの方がショックだった

謝るくらいなら、キスなんてしないでほしい

あぁ、もう分かんない

分かんないよっ…

自分の気持ちすら理解できなくて、頭と心の中がぐちゃぐちゃになる

と、💗くんの服を着ていることに気づき、無意識に服に顔をうずめる

そうすると、💗くんの匂いに包まれて、色んな感情が込み上げてきて、

涙は止まりそうになかった

別に、キスされて減るものがある訳でもない…

でも、💗くんにとっては"つい”してしまう程度のことで、

それに動揺して、泣いてしまうことが悔しくて、

その思いから逃げるように固く目を瞑った

向き合わなきゃいけないって、

こんなやり方は間違えてるって、

分かってるのに…

ああ、ホント、

俺、 / 僕、

何で逃げてんだろ…

NEXT

♡150〜

この作品はいかがでしたか?

639

コメント

1

ユーザー

続き楽しみにしてます!

チャット小説はテラーノベルアプリをインストール
テラーノベルのスクリーンショット
テラーノベル

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい!がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

Apple StoreGoogle Play Store
本棚

ホーム

本棚

検索

ストーリーを書く
本棚

通知

本棚

本棚