面白い、と思っても、それは夢で、現実だったためしはない。
彰
ふわぁーぁ。眠…

???
おはようございます。あきらさん。

彰
んぁっ!?誰…

ローイ
初めまして。私、ローイと申します。今日から、あなたの召使いを務めさせていただきます。

彰
??
召使いだ?そんなの雇ってねーぞ。

ローイ
天から召されまして。

彰
天?あー、また夢か…まあ面白そうだしもうちょっとこの夢見るか。

ローイ
夢ではありませんよ。

彰
え?

ローイ
つねってみてください。

彰
うん、普通に痛い。でも、こんな感じの夢、前も見たんだよね。だからこれも夢なんでしょ?

ローイ
疑り深いですね。夢ではありませんよ

彰
はいはい。んで、なんの用?

ローイ
(絶対信じてないな。まあ、いいや)
先程も申し上げましたが、本日より、召使いを務めさせていただきます。というか、あなたの願いを叶えるために参りました。

彰
願い?

ローイ
はい。
あなたは、現実世界の刺激が足りないと思っていらっしゃいますよね?

彰
まあ、そうだな。

ローイ
そんなあなたに、刺激を与えて、あなたに、満足していただく、というのが私の仕事です。

彰
ふーん。どんな願いも叶えてくれるの?

ローイ
はい。もちろん。

彰
現実に出来なさそうなものでも?

ローイ
はい。叶えられますよ。

彰
えー、んじゃあ、とりあえず日本のお金で10万出して見て。札束で。

ローイ
かしこまりました。

ローイが手を広げると、手の上に1万円札が10枚現れた。
彰
おー、すげ。え、なんか無くなったりとかしてない?

ローイ
もちろん、そんなことはございません。人の物を盗ったわけでもありませんし、本物ですよ。

彰
ほんとだ。諭吉だ…。透かしも入ってる。(なかなかリアルな夢だな。)

彰
えーと、じゃあ、次は…

ローイ
申し訳ありません。願いは1日にひとつまでなのです。

彰
いやいや、先に言えよ!なんでも叶えてくれるってのに、10万なんか頼んじゃったじゃん!!

彰
それ先に言われてたらもっとでけーこと頼んでたよ!!

ローイ
も、申し訳ありません。本日は特別にもう一つだけ叶えさせていただきます。

彰
え、そんなこと可能なの?

ローイ
はい。本日だけなら、天界の神様も許してくださるでしょう。

彰
いや、なんか悪いよ(笑)
許してくださるでしょうって、なんか頼みにくいんですけど。

ローイ
あ、すみません。えっと、あの、どうすれば…

彰
もういいよ。今日は。10万で。というか、10万くれるだけでもすげーけど。まあ、夢だったらぶっ殺す(笑)

ローイ
あぁ、それなら大丈夫です。夢じゃないですから。それより、出社の時間まであと30分なのでは?

彰
うわ!ほんとだ!まじかよ。弁当作る時間ねーよ。今日はコンビニ弁当でいっか。

ローイ
もうひとつの願い、時間を止めるのはいかがですか?30分止めましょうか?

彰
え、まじ?じゃあ頼むわ。いや、待て待て。俺とかは動けるようにしてくれよ?

ローイ
もちろん、大丈夫です。止まっているものも、あなたの手が触れたものは動くようにしますから。

彰
そんなことも出来るのか!サンキュ!

そんなこんなで、俺の召使い、ローイとの生活は始まったのだった…