鏡ココ
鏡ココ
叫び声の方が良く聞こえてくる
鏡ココ
やられたんじゃねーの?
そう言って彼は嘲笑し、目の前で両膝をつくココを見下ろした。
彼の顔には殴られたであろう痣が、 いくつも刻まれており
撃たれた右肩を、 力のない手で押さえていた。
ココ
ココ
結構諦めが悪いんだよ
ココ
鏡ココ
鏡ココ
ココ
ココ
そう言ってよろよろと立ち上がり、 ココは足元にある銃を拾い上げる。
ココ
ココ
身も心もボロボロなんだぞ
鏡ココ
鏡ココ
その苦しみから逃げられるぞ
鏡ココ
ココ
ココ
ココ
鏡ココ
お前の未練は無くなるのか?
ココ
ココ
ココ
スッキリはするかもしれないがな
鏡ココ
そう言って少し余裕げに笑うココ。 そんな彼に対し、鏡ココは軽視するような声を出した。
ココ
鏡ココ
ココ
鏡ココ
鏡ココ
鏡ココ
鏡ココ
鏡ココ
俺らの知ってる夢とは違うけど
鏡ココ
夢が帰ってきた気がして…
鏡ココ
なんだってしたいと思ったんだ
ココ
鏡ココ
金でも手に入らないものがある
ココ
ココ
鏡ココ
鏡ココ
ココ
鏡ココ
鏡ココ
それは本物じゃない
鏡ココ
蘭が夢を連れ戻した後
鏡ココ
夢を病院へ運んだ
鏡ココ
鏡ココ
鏡ココ
鏡ココ
金つぎ込んで必死に頭を下げた
鏡ココ
鏡ココ
鏡ココ
どうしようもない奴だっただろうな
ココ
ココ
終始下を向いていた鏡ココだったが、 そんな彼の目元から一滴の涙が落ちたのを、ココは見逃さなかった。
鏡ココ
鏡ココ
なんで夢なんだ…
鏡ココ
鏡ココ
廊下に彼の悲痛な叫びが響き渡る。 そんな彼を前に、ココは口を噤む。
鏡ココ
鏡ココ
金があればなんでも出来るのに、
鏡ココ
そう言って涙を流しながら、 彼は目元を両手で覆う。
殺せる敵を前にしても、 もう銃を向ける余裕はなかった。
ココ
ココ
全部理解してやることは出来ない
ココ
ココ
鏡ココ
ココ
ココ
ココ
だから止められなかった
ココは銃を捨てると、 彼にゆっくりと歩み寄る。
ココ
ココ
ずっと俺らの中で生きてる
ココ
無くなることもない
ココ
お前らという存在がある限りな
そう言ってココは彼の胸に手を当てた。 瓜二つの顔が並び合い、互いの目にその姿が反射する。
鏡ココ
鏡ココ
ココ
許されないようなことをしてきた
ココ
全て夢を想ってのこと
ココ
目的は俺たちと同じだ
ココ
ココ
鏡ココ
ココの言葉を聞いた彼の目に、 再び涙が浮かんだ。
程なくして溜まりきった涙が、 彼の顔を伝い、床を濡らした。
鏡ココ
鏡ココ
たすけ、なかった…、ごめんッ…
ココ
嗚咽混じりの声を漏らし、 子供のように泣きじゃくる鏡ココ。
そんな顔を隠すように、ココは彼の顔を自分の肩に埋めさせた。
???
???
ココ
ココ
武臣
武臣
鏡武臣
廊下に寝転ぶ4人は、 身体にいくつもの傷を携えていた。
武臣
鏡武臣
望月
鏡望月
武臣
望月
誰も動けねぇってことは引き分けか?
鏡武臣
鏡望月
武臣
鶴蝶
ボロボロではないと思うぞ
すると廊下の奥から、鶴蝶が歩いてきた。
武臣
武臣
鏡武臣
鶴蝶
望月
今さっき晩酌の約束したところだ
鏡望月
いや、晩酌はありだな
鏡武臣
鏡武臣はそう言い、 呆れた表情を浮かべた。
しかし何だか面白くなり、 4人はかすかに笑みを零した。
武臣
武臣
きっとアイツらも同じだと思うぞ
武臣
それだけで、もう争う理由は無い
武臣
最後には共倒れだろうしな
武臣
鶴蝶
鶴蝶
俺はそれで構わない
鶴蝶
望月
お前は大事な役目背負ってただろ
望月
伝言役だって言ったろ?
鶴蝶
鶴蝶
こんなに怪我しなかったはずだ
武臣
武臣
鶴蝶
鏡武臣
随分と心配性なんだな
鏡武臣
望月
そんなに厳しいのか?
鏡望月
お前らの鶴蝶は「お母さん」で、
俺らの鶴蝶は「オカン」だ
鶴蝶
武臣
望月
鶴蝶
元気そうでなによりだ
鶴蝶
鶴蝶
武臣
鏡武臣
望月
鏡望月
鶴蝶
怪我の状態に思わず笑う一同。 そんな彼らに鶴蝶はため息をついた。
To Be Continued…