いつか絶対に君に渡すよ
赤いアネモネを
俺は人気者の君に恋をした
ありきたりな恋かもしれないけど好きな気持ちには逆らえなかった
いつものみんなに笑顔な君
その笑顔は偽りのない素直な笑顔だった
そんな君が好きだった
みんなに混ざりながら大好きな君と話す
初兎
モブ
初兎
りうら
この時間が俺に取ってはとてもとても楽しかった
今日は大好きな彼を遊びに誘うことにした
いつも通りのテンションで
普通に友達に誘うように
りうら
初兎
りうら
初兎
まさか彼から言ってくれるとは思わなかった
これは意識してもいいってことなのだろうか
俺は焦りを隠して答えた
りうら
初兎
りうら
そう言うと彼はクスクスっと可愛く笑った
あぁ…やっぱり愛おしいな…
自ら家に誘ってくれるなんて…
期待してもいいのかな?
今日も俺は大好きな君と話す
……いや話そうと思っていた
ふと教室を除くといつもはいなかった女子
……誰?
その子と話す君は俺達と話すときよりも何倍も楽しそうだった
すると彼は俺に気づき近づいてきた
彼は嬉しそうにこう言った
初兎
りうら
初兎
そう言うと彼の隣にさっき話していた女子がいた
彼が何を言うか察した
初兎
モブ
このとき俺のなにかが崩れ落ちる音がした
……彼女?
初兎
モブ
初兎
モブ
彼らの甘い空気とは真逆に俺はショックで今にも倒れそうだった
だけどここの空気を壊すわけにはいかないと思い俺は今の空気に必死に合わせた
りうら
辛い
初兎
こんなときに笑顔を見せないで…
りうら
やっぱり辛い
いち早くこの場から逃げたい
りうら
初兎
りうら
初兎
俺の恋した半年間は恋をした彼の手によって崩れ落ちたのだった
それから俺は毎日毎日苦しくて耐えれなかった
俺の大好きな彼を他のやつに取られたこと
それ以前に彼が取られる前に伝えられなかったこと
あの日から好きな彼の家に行くことができ積極的に接してくれる彼に勝手に期待してしまったこと
それを含めて苦しかった
学校に行くことすらできなかった
どうしたら俺を見てくれる?
どうしたら俺の隣りにいてくれる?
ずっと考えていた
りうら
………思いついた…!
明日は学校に行こう
俺が学校に行ってから1ヶ月が経った
大好きな彼が階段から突き落とされ怪我を負った
それから虐められていることがわかった
彼女も友達もみんな離れていった
簡単に離れていった
大体愛情なんてそんなもんなんだなと思った
彼は一人になっていた
だけど焦りはしなかった
これで彼に近づく人はいなくなったから
それ以前に俺が仕掛けたのだから
あとは味方振って信用できる人を俺だけにしてしまえばいい
今日は彼のお見舞いに行った
友達には止められた
だけど『大丈夫だよ』と言って来た
紫のアネモネの花束を持って
君に渡した
泣いて喜んでいた
初兎
りうら
初兎
仲間なんて誰一人としていない
一人で苦しんでいる
俺なしでは生きられないでしょ?
あぁ…なんて愛おしいんだろう…
それから何ヶ月か経って彼が退院した
だから今日俺は屋上に呼び出した
赤いアネモネの花束を渡すために
ガチャッ
初兎
りうら
初兎
目をキラキラ輝かしている
あぁ…愛おしい
りうら
初兎
りうら
赤いアネモネ
病室で渡したアネモネとは違った色
初兎
初兎
りうら
初兎
りうら
初兎
りうら
初兎
りうら
りうら
初兎
りうら
赤いアネモネ
花言葉は
『君を愛す』
その花束の中に隠れてある一輪の白いアネモネ
花言葉は
『真実』
𝑒𝑛𝑑
コメント
28件
しょ に だ に 彼 女 …
りうしょーだぁぁぁぁぁぁやった! とか思いながら見てたらどんどん堕ちていってビックリしました!笑すきですっっっ!
書くの上手くね…? 普通に闇堕ち好きなんだが……