相田 蓮
黒河 千尋―――!
黒河 千尋
そこのあなた。
今私の名前呼んだ?
今私の名前呼んだ?
相田 蓮
え!?
俺は本人に聞こえないくらいの声で呟いたはずだ。
なんて地獄耳だ。
黒河 千尋
私に何か用かしら?
相田 蓮
え...と
黒河 千尋
あら...あなた、見ない顔ね。
もしかして新人?
もしかして新人?
相田 蓮
そ、そうだけど...
この子は先生相手にタメ口だ。
すごい度胸だ。
お嬢様お坊ちゃまの学校ってそういう子いないのかと思ってた。
そうこうしていると、近くに先生が通りかかる。
廊下にいた生徒は先生に「おはようございます」と声をかけ、先生もそれに答える。
そんな中、先生は黒河 千尋にだけは姿勢をただしてこう言ったのだ。
先生
おはようございます、
黒河さん
黒河さん
丁寧に名前までつけて軽く礼をしながら挨拶をした先生に、千尋は優雅に髪をかきあげて上から目線でこう言った。
黒河 千尋
ごきげんよう
なんなんだこいつは、と思った。
これを見る限り、先生より黒河 千尋の方が立場は上。
黒河 千尋
道をあけて頂戴
千尋がそう言うと、周りの生徒がみんなして壁の方により、千尋のために道をあけた。
黒河 千尋
じゃあね、新人さん
軽くこっちを見てそう言い残し、千尋は教室へと行ってしまった。
相田 蓮
なんなんだ...あいつ...
°.*.°・ °.*.°・°.*.°
相田 蓮
あいつ...だいぶ変わったな...
教諭生活1日目を終え、俺は職員室でそう呟いていた。
とりあえず、今日会わなければならない人には会えた。
相田 蓮
やっぱ、あのことがあったから...
俺にはまだ、やらなければならないことが沢山残されている。