テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
儀式前日。
本来行うはずであった前夜儀は開かれず、
みかさは誰にも会うことなく命日を迎えようとしていた。
桃
桃
冗談を言えるほどの元気はあるようだ。
彼の場合あながち間違いではないかもしれないが…
トン トン トン────
桃
縁側に通じる方の襖から音が鳴る。
トン トン トン────
トンッ トンッ トンッ────
桃
叩き続けられる襖をみかさは勢いよく開いた。
スパァンッ!
乾いた木の音が深夜の村に響く。
桃
目の前に居たのは
白
親友兼守護人だった。
桃
桃
白
白
失礼しまーす、と
適当に言ってメルトは部屋の縁側に座った。
桃
みかさはもはや呆れていた。
彼の自由度には容赦なく振り回されてきていたからだ。
メルトはポケットの中をガサガサ探して
ぐちゃぐちゃになった封筒を4つ渡してきた。
桃
あまりの封筒の変わりように、みかさは目を疑った。
桃
白
白
桃
白
桃
白
ぷぷっとわざとらしく笑うメルトにみかさはカチンと来た。
桃
白
桃
桃
桃
白
桃
桃
桃
白
桃
白
白
白
桃
みかさは岬で話したことを思い出した。
「じゃあ、俺が守ってやるよ」
「蚕の糸なら、中の幼虫が成長するまで守る役割があるから」
桃
白
桃
白
桃
白
桃
白
桃
2人は目を合わせて笑った。
ふぅ、と一息ついてからみかさは4つの封筒を愛おしそうに見つめる。
桃
桃
白
メルトはみかさのイタズラな表情を見てうむむ…と考える。
白
桃
ため息をひとつ着いて、メルトはどこからともなく握りバサミを取り出し……
ジョキンッッ────
髪を切った。
桃
メルトは驚くみかさに構わず 月の光に輝く白い髪を束ねる。
白
ぶっきらぼうに渡した。
みかさは驚きながらも素直にそれを引き取り、大事そうに持った。
桃
おそるおそる聞く。
白
白
白
桃
白
白
桃
桃
白
桃
白
桃
白
桃
メルトはそそくさと去っていった。
生ぬるい風がみかさの頬を撫でる。
風邪をひかないように部屋に戻った。
桃
みかさは封筒の形を戻して、1つ目を開けた。
短い間だったけど、ありがとな! みかちゃんの事は忘れないし、忘れたくもない。 めるちゃんのお世話が一人居なくなるのは、ちょっと厳しいけどな…笑 また俺が振り回される時代が帰ってくるんだ。 天国まで迷子になるなよ!地縛霊になって俺らのところに出てきても構わないけど。 また、一緒に浜辺で喋ろうぜ。 約束。 〖赤塚露是〗
今までありがとうな。 初対面やった時、お前と隣の席で俺内職して先生に怒られとったけど、今思えばヤバいやつだよな。 俺よく嫌われなかったなって心底思うわ。 それも、みかさの優しさで何とかなっとるんやなって感じとる。 お前だったら、三途の川の向こう側行く前にターンして戻ってきそうやけど、素直に逝っとけよ! 地縛霊はキツいと思うで。 じゃ、あっちでも元気でやっとけよ。 〖水谷らぴす〗
俺はお前が死ぬなんて全く思うとらん。 やけん、 またいつも通り俺に会いに来いや。 またな。 〖明雷雷斗〗
なんか実感ないなぁ〜。 友達が亡くなったことは何回かあるはずなんだけど、やっぱり慣れないや。 メルトのお世話ありがと。 俺らも迷うところあったからさ、みかさが居てくれたから メルトのこと分かったり知れたりしたから有難かったよ。 みかさが居てくれて嬉しかったよ。 ありがとう。 みかさはしつこい…というか 粘り強いところがあるから転生してまた地球に戻ってきそう。 その時は、人間でもいいけど猫とかだったら俺が全力で可愛がる! メルトが闇鍋に入れるかもしれないが…。 まぁでも、いつでも待ってるよ。 絶対、戻ってきてね。 何年でも待ってる。 またね! 〖紫光心音〗
桃
一つひとつ、1文字も零さぬように大事そうに読む。
手紙の上に、雫が垂れた。
いくつも、 いくつも垂れた。
文字は雫で滲み、読みにくくなってしまった。