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康平
手を離そうとする。
その瞬間。
蓮音
低い声だった。
康平の動きが,止まる。
蓮音は, 視線を逸らしたまま, 続ける。
蓮音
康平
蓮音
「無理しなくていい」 その言葉が, 二人の間に残っている。
康平は,ゆっくりと息を吸った。
康平
言いかけて,やめる。
代わりに, 手の力を緩めたまま,離さない。 掴んでいるのに,縛っていない。 その曖昧さが, 蓮音の神経を刺激する。
蓮音
小さな声。
康平
蓮音
一瞬,こちらを見る。
蓮音
康平は,答えられない。
だって,それが精一杯だった。