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主
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琥珀の夢の中
卯月 琥珀
青空の下。高く、もっと高く――高校3年の夏の、あの感覚。
飛び越えた先に見えた空は雲1つない晴天だった
…と、そこに割り込んでくる、あいつの声
一条 玲
卯月 琥珀
バッと勢いよく跳び起きる
卯月 琥珀
卯月 琥珀
自分の頬を触る
卯月 琥珀
卯月 琥珀
卯月 琥珀
卯月 琥珀
卯月 琥珀
卯月 琥珀
卯月 琥珀
放課後の男子部室
扉を開けて琥珀が中に入ると、先に来ていた蓮がベンチに寝そべりながらスマホをいじっていた。
卯月 琥珀
蓮
琥珀の長い耳が、落ち着きのないようにパタパタと小刻みに動いている
卯月 琥珀
ニヤニヤしながら琥珀に歩み寄る
蓮
蓮
卯月 琥珀
蓮
蓮
ドクン、と心臓が跳ねた。
脳裏に、昨日の玲の顔がフラッシュバックする。 『お前のその素晴らしい身体を一番活かせるのは、俺だってこと』 という低くて自信に満ちた声。
卯月 琥珀
蓮
卯月 琥珀
琥珀は顔を真っ赤にしながら、蓮の口を大きな手で力任せに塞ぐ
蓮
卯月 琥珀
蓮が暴れていると、部室のドアが再び開いた
一条 玲
卯月 琥珀
琥珀は蓮を突き飛ばし、直立不動になる。 頭の上の長い耳が、ピシッと綺麗に垂直に跳ね上がった
蓮
卯月 琥珀
蓮
蓮はひらひらと手を振りながら すれ違いざまに琥珀の脇腹を肘でつつき、部室を出ていった
残された部室には、少し気まずい空気と、落ち着かない琥珀、 そして淡々と画面を見つめる玲の二人だけが取り残された。
琥珀は自分のバッグのチャックを開け閉めし、玲の視線から逃げるように下を向いた
卯月 琥珀
一条 玲
卯月 琥珀
一条 玲
一条 玲
琥珀はヤケクソ気味に顔を上げ、玲の目を睨みつける
卯月 琥珀
一条 玲
玲は真面目な顔で琥珀へと手を伸ばす
卯月 琥珀
一条 玲
卯月 琥珀
自分の過剰な反応が恥ずかしくなり、琥珀は両手で顔を覆った。
一条 玲
卯月 琥珀
一条のデータによって自己ベストを更新したあの日から ちょうど1週間が経っていた。
最初の方は、驚くほど調子が良かった。 一条の言う通りに助走の歩幅を合わせ、指示された角度で地面を蹴れば まるで身体が勝手に宙に浮くようだった。
’’一条のデータは本物だ’’ データ通りに飛べば、インカレで優勝できるかもしれない ――琥珀の心には、少しずつ信頼が芽生えていた。
だが、その「正解」は長くは続かなかった
卯月 琥珀
ドサリ、とマットに背中から落ちた琥珀の視界に 無情にも落ちていくバーが映った。
カラン、と高い音を立ててアルミの棒がトラックに転がる。 あの日、あれほど軽々と越えられたはずの2mが、今は嘘のように遠い。
俺のジャンプを見た一条の表情はいつもよりも険しかった
一条 玲
一条 玲
卯月 琥珀
卯月 琥珀
卯月 琥珀
卯月 琥珀
一条 玲
一条は画面をスクロールしながら、冷淡につぶやく。 その ’’データは完璧だ’’ という前提の物言いが、今の琥珀には冷たく、 責められているようにしか聞こえなかった。
卯月 琥珀
あの日、こいつと一緒ならどこまでも跳べると思った感情は、 いつの間にか「データ通りに跳ばなきゃいけない」という琥珀を閉じ込める 見えない鎖に変わっていた。
三浦先輩
見かねたように、三浦先輩がタオルを首にかけながら近づいてきた
三浦先輩
卯月 琥珀
一条 玲
一条 玲
三浦先輩
三浦先輩は困ったように苦笑いして、俺の肩をポンと叩いた。
三浦先輩
少し離れた短距離のレーンからは、蓮が心配そうにこちらを見つめている
蓮
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コメント
1件
第2話、めっちゃ良かったよ〜!!😭💕 琥珀の耳パタパタとか蓮のニヤニヤとか、もう細かい描写が可愛すぎてずっとニヤニヤしながら読んじゃった♡ データに頼りすぎて自分の感覚を見失いかけてる琥珀と、それに気づいてる三浦先輩の「野生の勘」って言葉、グッときたな…! 一条の冷静な分析と琥珀の純粋なぶつかり合い、この先どうなるんだろう…続き気になる〜!!🌸