俺…ようやく恋がわかった気がするよ…
ミソノ
ミソノ
カナ
カナ
カナ
自分がどれだけ鈍感なのか… 気付かされた瞬間だった。
突然の告白、突然のドキドキ。
初めてじゃなかったけど、 久しぶりの体験…
戸惑いを隠しきれなかった刹那。
ミソノ
カナ
ミソノ
ミソノ
だけど…
ミソノ
ミソノ
俺には付き合えない理由があった。
心臓の病を患っていたからだ。
いつ死ぬかわからない状態だった。
彼女を悲しませたくない一心で…
決めた覚悟だった。
次の日からは、普通の1日だった。
告白してきたカナだって…
友達関係のままで、話しかけてきてくれた。
それでよかった。
その1週間後…
俺は入院した。
突然の体調不良だった。
もうすぐ死ぬんだなって…
そう思うと…
何故か安心した。
カナは毎日俺の病室に来ていた。
学校が終わると、すぐに来てくれた。
カナ
毎日そんな言葉を俺にかけていた。
入院生活が続いたある日…
長い間会っていなかった友人から 電話がかかってきた。
ハヤト
ハヤト
ハヤトはカナと仲がよかった。
ハヤト
ミソノ
ハヤト
ハヤト
意外な一言だった。
いや、俺はこいつに好きな人ができたら 必ず応援すると心に決めていた。
それに…相手もだいたいわかっていた。
ハヤト
その一言が嬉しかった。
カナにとっても、こいつと付き合うのが 1番の幸せだろう…
そう思っていたからだ。
ミソノ
ミソノ
精一杯背中を押すつもりだった。
カナはとても優しい。
顔も悪くなかった。
だけど…
『好き』の感覚がなかった。
好きがわからなかった…。
好きがわかっていたら…こんな状況でも
『よろしく』と…
笑って言えていたかもしれないのに…
もう…遅かった。
ハヤトはカナに告白する決心をした。
その時俺は、どこか寂しかった。
自分の物じゃないのに…
彼女でもないのに…
何故か………
ミソノ
涙がやまなかった
カナ
ミソノ
ミソノ
カナ
カナ
カナ
駄目だ。
今にも全部打ち明けてしまいそうで…
彼女を傷つけてしまいそうで…。
怖い…
辛い…
苦しい。
ミソノ
カナ
ミソノ
ミソノ
ミソノ
ミソノ
カナ
ミソノ
ミソノ
ミソノ
ミソノ
ミソノ
思ってもいない言葉が溢れた。
止まらなかった。
逆に傷つけているとも知らずに…。
カナ
ミソノ
ミソノ
カナ
ミソノ
ミソノ
ミソノ
カナ
ミソノ
カナ
叫んだあと…思った。
俺が1番馬鹿だろ…
数日後…
手術することになった。
最後に聞いた情報は…
カナ達が付き合い始めたことだった
最後に思った。
こんなに窮屈な気持ちになるなら…
あの時…
もう少し大きい顔をしていたかった。
病に怯えて…振って…
後悔したのは俺だった。
実に馬鹿馬鹿しかった。
手術が成功したら…
お祝いしてやろう…。
そうして俺は眠りについた。
気づけば5年が経っていた。
2人は結婚して、じきに子供も産まれる……。
俺だけがあの時に取り残されたまま…
もう、目覚めることはできなかった。
でも、
2人が幸せになれたなら…
よかった。
いつの間にか後悔は消えていて…
その日の夜空に浮かぶ月は…
綺麗だった。
コメント
6件
なんか、いろいろと深いです
みかげちゃん! いいの!???嬉しい!お願いします!
RION様、こちらのお話をLINE@で紹介させていただいても宜しいでしょうか?