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榎本くもり
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彩乃
彩乃
ママ
彩花
彩花
小さい頃からきこえてた
ママ
彩花
彩乃
彩花
彩乃
彩花
聞こえ始めたのは
妹の彩乃と友達のほのかちゃんとかくれんぼをしている時
耳を塞いで
かくれていたとき
きこえたのだ
女の子が泣く声
最初は誰かが泣いてるんだって思ってた
けれど、違った
耳元できこえる
近くで聞こえる
でも近くには誰もいなかった
いつも隣にいるのは妹の彩乃
だけど、我慢強い彩乃は滅多に泣かない
彩花
彩乃
彩乃
彩花
ママ
彩花
ママ
彩花
彩乃
バタン
とびらが閉まった瞬間
警報のような救急車のような音が耳元で鳴り響いた
近くじゃない
私の耳にしかきこえてないものなんだ
彩花
彩乃
ねてる彩乃を起こすわけにはいかない…よね
気にしないでおこう
そう思って月日が過ぎた
毎晩毎晩女の子の泣き声は続いた
今日も。またきこえるんだろうって
思いながらベッドに入った
彩花
この時間が小さい頃から一番嫌いだった
緊張する発表会よりも夜の晩が
なによりも嫌いだった
なのに
今日は音がしない
だれも泣いてない
彩花
彩乃
彩花
彩乃
彩乃
彩乃
彩花
彩乃
大声をだしてママをよんでくれた
ママ
彩乃
ママ
ママ
ママ
彩花
彩乃
大人になってからわかったことだけど
なぜ急に音がやんだのか
世界の裏側で戦争が起こっていて
親とはぐれた女の子は崩れたお家の中で蹲り
泣いていたんだ
水も食料もないまま
餓死してしまったんだと
だから、銃声や警報のような音が聞こえたんだと
あとからわかった
彩花
少女
少女