テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
康平は, 洗い終わった道具を片付けながら ふと思い出したように言った
康平
蓮音は嫌な予感がして 返事をしなかった
康平
一拍。
蓮音
康平
理由は軽い。 本当に,それだけ。 蓮音は,唇を噛む。
蓮音
断ろうとして、言葉が詰まる。 康平は,蓮音の様子を見て, 少しだけ声を落とした
康平
その言い方が,逃げ道みたいで, でも同時に,断る理由を奪う
蓮音
康平
即答だった 約束みたいに,軽く決まる。 康平は満足そうに頷いて, 最後の布巾を干す
康平
呼ばれる。 今度は,はっきりと。 蓮音は,返事が遅れた
蓮音
その声に, 康平は何も違和感を覚えない
康平
そう言って,先に扉へ向かう。 蓮音は,その背中を見送ったまま, しばらく動けなかった
蓮音
拒んでいない でも,選んでもいない ただ,流されているだけなのに。 それでも,名前で呼ばれて, 一緒に帰る約束ができてしまった 蓮音は胸の奥を押さえる。
蓮音
もう,踏み込まれている。 触れられていないのに。 抱き寄せられてもいないのに。 それでも確かに,戻れない側に 一歩進んでしまっていた