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数週間後
陽愛(ひより)
(よし…。)
心の中で小さな決意をしてリビングに向かった。
陽愛(ひより)
お父さん、お母さん。
母親
ん？どうしたの？
父親
どうしたんだ？
陽愛(ひより)
あ、あのね…
陽愛(ひより)
将来のことなんだけど…
母親
いきなりなーに？
父親
ま、聞いてあげよう。明日になったらここを出ていくんだ、あの子なりの決意があったんだよ。
陽愛(ひより)
あ、あのっ…
陽愛(ひより)
それでね…
陽愛(ひより)
私、絵本作家になりたいの。
母親
まぁ、絵本作家？
父親
陽愛は絵本が好きだったもんなぁ。
陽愛(ひより)
う、うん。
陽愛(ひより)
読むのも好きなんだけど書くのも好きなの。
母親
あら、てっきり絵を描くのが好きだと思っていたわ…いつの間に本まで書いてたのね！
陽愛(ひより)
う、うん！小説って感じで字が沢山あるんだけど、それを小さい子向けにも絵本で描いたら兄妹とかでも読めるかなって…
父親
そうか…。陽愛は凄いなぁ。
父親
お父さん、陽愛が大人になって有名な小説家兼絵本作家になってくれるのを楽しみにしているよ？
陽愛(ひより)
うん！そのために頑張るから！
母親
無理しすぎないようにね！
陽愛(ひより)
はーい！
陽愛(ひより)
新しい小説が浮かんだから部屋で書いてみるね！
母親
分かったわ！
父親
早く寝るんだよ。
次の日
父親
それじゃ…行ってくる…じゃなくて…さよなら…だな
陽愛(ひより)
(…んっ、お父さんの…声？)
陽愛(ひより)
(きっと出ていくんだ！)
母親
そうね、あの子には私から言っておくわ。起こすのも可哀想だし…
私は急いで階段をかけ下りる。
陽愛(ひより)
お父さん！
父親
陽愛…！
母親
あら、起きたの…。
陽愛(ひより)
なぜだか今日は声がハッキリ聞こえたの…声は小さかったけれど…しっかり…心に届いたの。
父親
今までありがとな、陽愛が会いたいなら大歓迎だから…
陽愛(ひより)
お父さん…
父親
それじゃっ、もう行かなきゃ。
ガチャンッ
最後にぎゅっとしてくれたけどお父さんの温もりが段々と消えてゆく。
母親
陽愛…。私はもう…離婚したんだし会うことはないと思うけど貴方が会いたいと思うならばいつでも会えると思うよ…
陽愛(ひより)
うん…そうだよね…
母親
ご飯、今から作るからね、ちょっと待ってね…
陽愛(ひより)
私今日…
陽愛(ひより)
ううん、なんでもない…
母親
何かあるならはっきり言いなさいよ〜？
陽愛(ひより)
うん、やっぱり大丈夫なの。
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