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斗愛
斗愛
1年C組の萩野斗愛 その言葉がすべての始まりだった
入学式翌日の放課後の校舎裏 冷たい風に吹かれながら、萩野斗愛は笑っていた。
無邪気で、まっすぐで、どこまでも眩しい。 僕とは似ても似つかない。
蓮斗
3年A組 星乃蓮斗
斗愛
蓮斗
斗愛
そう言って萩野は笑う その笑顔を見て少し胸がざわついたのは気のせいだろう
蓮斗
最初はただの軽い後輩だと思っていた。
斗愛
蓮斗
斗愛
蓮斗
斗愛
斗愛
蓮斗
斗愛
蓮斗
斗愛
斗愛
蓮斗
斗愛
だけど話しているうちに、彼の笑顔の 裏に隠れた優しさを知った。
斗愛
斗愛
いつしか、それが日常になった。 ジュースを分け合って笑い合う休み時間。
蓮斗
斗愛
蓮斗は少し微笑む 蓮斗が笑えば、斗愛が嬉しそうに頷く
斗愛
斗愛
蓮斗
蓮斗
人を怖がっていた蓮斗の心に、斗愛は真っ直ぐに入り込んできた。
斗愛
蓮斗
不意に呼ばれた名前に、斗愛の肩がぴくりと揺れる。 何度も夢見た響き。 だけど現実にその声で呼ばれるのは初めてで—— 心臓が一瞬止まった
斗愛
斗愛
斗愛の頬がほんのり赤く染まる。 いつも強がってる彼の瞳が、どこか優しくて。 蓮斗は少し照れくさそうに視線を逸らしながら、
蓮斗
不安そうにこちらを見つめる蓮斗。 その仕草に、斗愛の胸が締め付けられる。
そう言って蓮斗は視線を逸らした。 何気ない言葉なのに、斗愛の胸は痛いほど高鳴っていた。
その瞬間、斗愛の中で何かが音を立てて崩れた。 あぁ、もうだめだ——この人に落ちた。
——蓮斗。 心の中で、その名前を何度も繰り返した。 もうこの瞬間、恋に落ちてたんだ。
斗愛
蓮斗
蓮斗
いつしか、それが日常になった。 一緒に帰る放課後。
——そんな時間が、永遠に続くと思っていた
それからの日々 放課後一緒に帰ったり、 休み時間にちょっとした冗談を言い合ったり。 少しずつ距離が縮まるたび、斗愛の心はどきどきした。
斗愛
俺はある決意をした。
斗愛
蓮斗
その決意とは…明日先輩に告ることだ
斗愛
話したいこと… それが告白だったらどれだけ幸せだろう
でも僕には幸せになれる価値がない
蓮斗
そんな軽い会話でも、斗愛は心の奥で嬉しくて笑ってしまう。 ——やっぱり、俺、この人のこと、好きなんだ。
翌日
そして、告白の日がやってきた。 斗愛の思い出の場所——校舎裏の坂道。 夕陽が沈みかけ、空が赤く染まっている
一目惚れしてからずっと好きだった—— その想いを、一刻も早く蓮斗に伝えたい。
夕暮れの校舎裏の坂道。 柔らかいオレンジ色の光が、長い影を地面に落としていた。 すると、スマホを片手に歩いている蓮斗が目に入った。
斗愛は、友達と雑談をしている最中にふと視線を上げた。
——なんだ、あの人…… まっすぐな姿勢、少し俯きがちな視線。 蓮斗は片耳にイヤフォンをつけて音楽を聴いているようだった けれど、どこか不器用で、それでいて気になる存在感。 自然と心がそっちに引き寄せられる。
——あぁ……やばい。 斗愛の胸がぎゅっと締め付けられ、鼓動が跳ねる。 こんな感覚、初めてだった。 まるで時間が止まったように周りの声も風の音も遠くなる。
斗愛
思わず声をかけそうになったけど、言葉が出てこない。 ただ、蓮斗を目でずっと追うことしかできなかった。
斗愛
その瞬間、斗愛は確信した。 ——あの人のことを好きになった。
そして、知らず知らずのうちに、自然と笑みがこぼれていた。 歩く姿を、ただじっと見つめるだけで、心が温かくなる。
——やべぇ、完全に一目惚れだ。
心の奥でそう呟きながら、斗愛は拳を軽く握った。 ——いつか、あの人に名前で呼ばれたい。 ——そして、好きって言いたい。
それが、運命の始まりだった。
斗愛
きょろきょろしている蓮斗を見つけ目が合う、 少し照れくさそうに微笑んでいる。
その姿が愛らしくて堪らない
はやく
はやく
はやく
この気持ちを知ってほしいから 先輩がいるところに向かう
斗愛
斗愛は少し照れながら笑う。 でも、その表情はすぐに強張った。 蓮斗が歩いている——その方向に、 居眠り運転のトラックが迫っていた。
斗愛
斗愛
蓮斗
気がついたら身体が動いていた。 先輩を愛しているから。守りたいから。 その一心の思いで全力で先輩を押す。
蓮斗
何が起きたのか理解できずにいる蓮斗。 ――ぶつかる感覚、そして強く抱き止められる。
告白なのか、告白じゃないのか分からない
でももし告白なら、僕が幸せになってもいいと言うなら
僕は君と__斗愛と幸せになりたい
蓮斗
風が冷たい 出来れば家の中に居たいけど、 はやく斗愛に会いたいから家を出る。
少し歩く
学校と家が近いから約束の場所がすぐ近くに見えた
そこには斗愛の姿も見えた。
坂の上に立つ彼が、こちらを見つけて微笑んだ。 照れくさそうに、でも確かに幸せそうに。 その笑顔を見た瞬間、蓮斗の心臓が跳ねた。
——ああ、これが恋なんだ。
斗愛はゆっくりと歩み寄りながら、 何度も深呼吸を繰り返していた。 唇が震えている。 今にも「好きだ」と言い出しそうで——
その瞬間
斗愛の表情が凍りついた。 目が大きく見開かれる。 何かを見つめて、叫ぶように走り出した。
斗愛
君が僕の名前を呼んでいる 僕も君の名前を呼ぶ
蓮斗
轟音がした タイヤがアスファルトを滑る音。 視界の端に、トラックが迫る。 一瞬、時が止まった。
蓮斗
斗愛にものすごい力で押される
蓮斗
身体を押され、地面に叩きつけられる。 何が起きたのか、理解できない。
斗愛は?斗愛は大丈夫なのだろうか。 斗愛を探す
視界の端で、斗愛が倒れていた。 動かない。 血の匂いが鼻を刺す。
蓮斗
蓮斗
震える声で呼びかける。 涙が零れ、彼の頬に落ちた。 冷たい。 返事がない。 そのとき——かすかに、唇が動いた。
斗愛
掠れた声。 それでも確かに届いた。 蓮斗は嗚咽をこらえながら、その手を強く握る
蓮斗
斗愛のまつげが震え、ゆっくりと瞳が閉じられる。 その瞬間、世界の音がすべて消えた。
——君は、僕を守ってくれたんだね。 ——でも、どうしてそんな顔で、笑ったの。 夕焼けが沈み、夜が始まる。 蓮斗の頬を伝う涙が、静かに地面に落ちた。