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Etさんと出かけようって誘った翌日の夕方 俺はベッドの上で考えていた
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誰情報かもわからない噂 けれど、その話が本当だと思うだけで 胸の奥がざわめく
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嫌だった Etさんが誰かに「好きです」って 言われるのは、当然のことなのに その誰かが自分じゃないのが どうしようもなく悔しかった
俺はベッドの棚に視線を向ける そこには昔 北海道でEtさんと撮った写真と みんなで遊園地に行った時の写真がある
どちらもEtさんは 俺の隣で笑っている その笑顔は眩しくて、温かい 変わらない笑顔だけど 今は少し大人びいている
Hr
俺はギュッとシーツをつかんだ
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日曜日
朝の光が眩しいほどに晴れていた 俺はEtさんの家の前に着くと ほんのり鼓動が早くなるのを感じた
ピーンポーン
インターホンを押すと、すぐに扉か開いた
Et
笑顔で現れたEtさんに俺は見とれていた オレンジの小さな花柄の 白いワンピース 髪はゆるく編まれた三つ編みに 小さなリボン まるで春の妖精のようだ
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Et
Etさんの顔が少し赤くなる
Et
Et
Hr
俺は顔が熱くなるのを感じた かっこいいと言われるのは何回かあるけど Etさんから言われるとはわけが違う
少し静かになると 誰かが顔を出す
Et母
Et母
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Et母
Et母
Et
Et母
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Et
Et母
俺はぺこりと頭を下げEtさんと歩き出す
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Et
Et
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今日俺は君に「好きだ」と伝える 俺は、Etさんをちらりと見ながら 静かにそう思った
電車の中
朝の空気はまだひんやりしていて 車窓の向こうに流れる景色が 心地よくぼやけている 俺たちが並んで座った席は 向かいの乗客もまばらで ほんの少し特別な空間のように感じられた
Et
Et
Hr
Hr
くすっと笑いあって、会話は自然と弾んだ それでも、互いに感じる距離の近さに 心はどこかそわそわしていた
Et
Etさんは袖口を指先でつまみながら 小さく呟いた
Hr
Et
彼女が窓の外をむいてしまったので それ以上は聞けなかった でもEtさんの頬が すこし赤くなっているように見えた
駅から少し歩いた自然公園
広場のベンチに腰掛けて お弁当の包みを開いた
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Et
Et
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Etさんに笑って差し出されたサンドイッチ 俺が一口食べて素直に感想を言うと Etさんも嬉しそうに目を細める
Et
食後、2人で園内を散歩していたとき 小さなうさぎのオブジェを見つける
Et
Et
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Et
恥ずかしそうにそっと俺のとなりに並んで ポーズを撮る仕草は とても愛らしく思えた
レトロな商店街
ガラス越しに並ぶ雑貨や アンチティーク時計を眺めながら 俺たちはのんびり歩いていた
Et
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Et
俺たちはネックレスを買うと お互いにつけて見せた
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Et
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夕暮れの展望台
高台から見える街並みは 赤く染まった空に包まれていた 俺たちは無言で並び ゆっくりとその景色を見つめる
Et
Hr
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俺がそっと視線を横にやると Etさんは手すりに頬を預けて 夕陽を見ていた その横顔が、言葉も出ないほど綺麗で ……胸がきゅっとなる
Et
一瞬目があうと Etさんはずけに目を逸らした そしてまた頬が赤くなっているのを見て 俺はふっと笑った
Hr
そう思った俺は Etさんに気持ちを伝えるために言った
Hr
風に揺れる草の匂いが なんだか懐かしかった
Etさんが笑ってる あの頃と同じ笑顔で 俺の隣にいてくれる
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Et
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Et
伝えるなら今だと思った
Hr
Hr
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一瞬の沈黙の後 Etさんは目に涙を浮かべながら ふわっと笑って、小さく頷いた
Et
Et
その言葉を聞いた瞬間 肩の力が抜けた俺は幸せで涙が溢れ Etさんもポロッと涙が頬を伝っている
そっと手を差し出すと Etさんは静かに繋いでくれた
Hr
気持ちが通じてみる景色は また違って見えた
日が暮れたあとのEtさんの家の前
Etさんの家に着いた頃 空はもう暗く星がポツポツと輝いていた 並んで歩いた時間が あっという間にすぎた気がする
Et
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Etさんが笑う その表情が、柔らかく、温かい 俺はふっと手を伸ばし Etさんの前髪をそっとかき上げる
Hr
Etさんの額に、そっと唇を落とした ほんの一瞬のやさしいキス
Et
突然のことに Etさんが顔を真っ赤に染めてあたふたする オレはちょっとだけ得意げな顔で笑った
Hr
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Etさんは視線を合わせられないまま 小さく頷いた
Et
Hr
Et
手を振って別れたあとの夜風が やけに心地よかった
Hr
Et
玄関をくぐると リビングからお母さんの声がした
Et母
Et母
私は頷きながら靴を脱ぎ、廊下を進む ふと鏡に写った自分の顔が まだ赤いままなのに気づいて 思わずほっぺを手で隠した
Et母
Et母
Et母
Et
慌てて否定した するとお母さんはニヤニヤ笑う
Et
私はソファーにちょこんと座った 心臓がドキドキするけど ちゃんと伝えたかった
Et
ふわりと時間が流れる お母さんはちょっと驚いた顔をした後 すぐに優しく笑った
Et母
Et母
Et母
Et
Et母
お母さんは本当に嬉しそうに言った 私は、さっきの額のキスを思い出して また顔を隠した 自分でも、ちょっと信じられないくらい 幸せだった