コメント
0件
注意書き用
注意書き用
あれからどれくらい経ったのだろう。奏斗はいつの間にか眠っていたらしい。
🍝🍷
周囲には誰もいなかった。おそらく気が済んだ男たちは奏斗を置いて、どこかへ去ったのだろう。 がらんと静かになったそこで、呆然として己の体を見る。
強く掴まれたせいで痣ができた手足、歯型も数か所みられる。 髪の毛まで散らばって、そこかしこに乾いた液の跡。 結束バンドはついたままで、口枷だった自分のベルトを落とした。
🍝🍷
🍝🍷
🍝🍷
足に力を入れ、立ち上がろうとするがふらついて起き上がれもしない。 壁を使って、なんとか座るのがやっとだ。
🍝🍷
意識がはっきりしてくるにつれ口の中が生臭い気がする。腹の奥が気持ちが悪い。足腰に鈍い痛みがする、不調を数えればキリがない。
🍝🍷
🍝🍷
きっと自分が信頼した相手なら、自分の仲間ならば。そう信じて奏斗はその場に留まった。
🦉🎻
♦️☕
♦️☕
📄
🦉🎻
アキラが調べた位置情報を頼りに奏斗の元へと急ぐ。 GPSが示しているだけで本当にそこにいるのかはわからない。
🦉🎻
♦️☕
🦉🎻
📄
♦️☕
フロントに見えた廃工場郡へ向けて雲雀はスピードをあげる。道路にはほとんど人も車もいなかった。 途中、数人の男が廃工場郡とは逆へ歩いていくのがセラフには見えた。
♦️☕
🦉🎻
🦉🎻
📄
📄
♦️☕
📄
🦉🎻
📄
♦️☕
🦉🎻
♦️☕
📄
🦉🎻
🍝🍷
息を吐けば白くなる、そんな気温だった。 雑に脱がされ、破かれた衣服は奏斗の体を温めることはできなかった。
🍝🍷
膝を抱えるように座り、寒さで震える体を丸める。少しでも温めなければ低体温になってしまう。
ふと、下の方から声がした。またアイツらが戻ってきたのだろうか。 階段を登ってきたら体当たりでもしてやろうか、と考えたがそんな気力もなかった。
📄
🦉🎻
古びた階段を足音を立てず登り切る。眼の前には廃材の山があった。
♦️☕
♦️☕
廃材に紛れるようにして奏斗のブーツを雲雀が拾い上げる。 周囲を探せばもう片方のブーツも、靴下や見慣れたコートまで落ちていた。
🦉🎻
♦️☕
突然セラフが走り出す。その先には壁に身を寄せ、隠れるようにしてうずくまっている奏斗がいた。
📄
♦️☕
♦️☕
📄
可哀想に、震えて、こちらの声に顔をあげることもなく、ただ怯えていた。 四肢には無数の痣、おびただしい体液の痕を見れば何があったのかを理解できる。
🦉🎻
♦️☕
♦️☕
わざとらしく雲雀は大きな声を出した。奏斗の衣服を回収し、泣き出しそうなセラフを叱咤して廃工場から脱した。
📄
♦️☕
🦉🎻
自分で立つこともできず、セラフに抱えられ移動してきた。普段なら情けない事この上ないが今はそれが嬉しかった。 車内は温かく、自分の身を包む赤い羽織も、羽織越しの体温も温かい。
♦️☕
📄
🦉🎻
♦️☕
重たい空気、けれどいつもどおりにしてくれようと気を遣っているのがわかる。 じわじわと目の奥が熱くなって、鼻がツンとする。
🍝🍷
🍝🍷
泣くつもりはなかった、だが涙は流れて借り物の羽織を濡らす。 四肢の自由を拘束をしていた結束バンドを外し、セラフは奏斗を抱きしめた。
🦉🎻
🍝🍷
セラフが謝るのは違う、悪いのはあの下手な変装を見抜けなかった自分だ。そう言いたいのに声は凍てついて出てこない。
優しい抱擁をされると余計に涙が溢れてもう止まらない。 コンビニへ着く間どころか事務所に着くまで奏斗はセラフの腕の中で泣いた。
📄
📄
🍝🍷
♦️☕
🍝🍷
次から次へと奏斗の周りに物が溢れていく。奏斗を抱えたままソファに腰掛けるセラフにももちろんお裾分けがくる。
🦉🎻
🍝🍷
🍝🍷
さっきまでのか弱そうな奏斗はどこへやら、いつも通りの笑顔が返ってくる。 それでもまだ怖いのか、体の震えは残っていた。
♦️☕
🍝🍷
🦉🎻
📄
📄
🍝🍷
奏斗はにやりと笑うと自身のスマートフォンを取り出した。 レコーダーアプリを起動すると行為の一部始終の音声が流れ出した。 しかし、途中で再生を止めてしまう。
🍝🍷
♦️☕
📄
🦉🎻
🍝🍷
セラフは再び怯え始めてしまった奏斗の手を握った。 久々の二人きりの時間を邪魔された挙げ句、こんな狼藉を働いた奴らを生かしてはおけない。
🦉🎻
🍝🍷
🦉🎻
♦️☕
📄
奏斗をソファへ下ろし、自身は窓から出ていこうとするセラフ。その手にはナイフや針、その他多様な暗器を仕込んでいた。
アキラと雲雀、二人がかりでセラフを事務所内に引き戻そうと奮闘する。
🍝🍷
まだふらつく足で立ち上がり、奏斗がセラフを呼び止める。 その場の全員が動きを止め、奏斗を見る。
🍝🍷
🍝🍷
これを言われてしまえば誰も反対はできない。 奏斗は再びソファへ座り直すと、どこかへ電話をかけ始めた。そしてセラフに目だけで合図をする。
🦉🎻
♦️☕
♦️☕
📄