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あの日から何度も、ナーシャと会って、その度に笑いあってた。その内に、噛み合わない歯車が、廻り出していた。複雑な気持ちが、自分の心にたまっていた。
イワン
怖くて、仕方がなかった。それもその筈、ナーシャのカウントは、もう30になろうとしていたのだ。
このままでは死んでしまう。モヤモヤしてたまらない。会いに行きたいのに、嫌だと体が拒む。
悶々としているのも束の間、家の玄関からチャイム音が聞こえる。ノックも激しく鳴る。それも何度も。
イワン
ガリーナ
イワン
ガリーナさんはナーシャの伯母で、落ち着いた性格のシスター。ガリーナさんがこれほど慌てているのは見たことがない。何があったのだろう。
思考をめぐらせながら、僕はドアを開ける。そこには息を切らしたガリーナさん。
ガリーナ
ガリーナ
……嘘だ。
嘘。絶対に嘘だ。
1ヶ月分残ったカウント――あれはなんだったの?
……信じられるわけない。信じたくない。
ナーシャ、ナーシャ。どこに行ったの?
イワン
ガリーナ
焦り震えた声でガリーナさんは言った。 まるで自分事のように不安がり、手を固く握りしめていた。
貯めていたお金……? 何をしようとしているのだろう。どこへ行こうとしているのだろう。
……もしかして。
イルクーツクに、行こうとしていた…?
迷惑をかけないように、自分で……?
イワン
ガリーナ
心当たりがあったのだ。 少し前に、『自分の足でイルクーツクに帰りたい』と嘆いていたナーシャを思い出した。
イワン
ガリーナ
ガリーナ
イワン
ガリーナ
イワン
イワン
もう、後戻りはできない。
それでも、あの子に逢いたいから。
一心不乱に、駅まで駆けて行った──。
イワン
アナスタシア
イワン
アナスタシア