黄
また、思い出してしまった
何度も何度も忘れようとした
でも頭にこびりついて離れなかったあの映像
黄
そう目の前の墓石に語りかける
今日で君がこの世からいなくなって1年が経つ
長いようであっという間だった
あの時のことは昨日のことのように思い出せる
君の好きだったお花
君の好きだったお菓子
目の前の墓石に置いておく
黄
意味が無いのはわかっている
ただ虚しくなるだけ
でも、君に少しでも近づけるなら
ニャ…
不意にどこかから猫の鳴き声が聞こえた
周りにはお墓しかない
もしかして迷い込んでしまったのだろうか?
それが少し気がかりになり、声の主を探すことにした
鳴き声が段々大きくなる
きっとこの辺りにいるはず…
黄
黄
声の主は
黒猫だった
黄
猫は警戒心が強いというが、この猫はすぐに懐いてくれた
今も喉を鳴らしながら僕に撫でられている
野良とは思えないほどの美しい毛並み
思わず見とれてしまう
黄
冗談めかして聞いてみた
すると猫がおもむろに立ち上がり
と僕に向かって鳴いた
颯爽と奥の茂みに消えていく猫
僕は必死に追いかけていた
" ついてきて "
そう言われた気がしたから
突然猫が止まり、また僕の顔を見て
と鳴いた
辺りを見回すも、茂みが生い茂っているだけだ
少し気になるのが
この場所だけ少し茂みの背丈が低いのと 真ん中に何やら人工物がある事
ツタに覆われた人工物
高さは僕の腰あたりまでしかない
近くに行ってよく見てみる
特徴的な屋根と廃れたしめ縄から古びた祠だとわかった
黄
猫は黙ってこちらを見ている
ツタを取れ、という事なんだろうか
何故か分からないが直感的にそう感じた
黄
ツタを引っ張る
10分後
黄
現れた祠はコケだらけ
しかしどこか異質な雰囲気が漂っている
黄
せっかくだからと僕はお線香をあげることにした
予備に持ってきておいてよかった
ライターを取り出し線香に火をつける
独特な匂いが辺りに香り出す
猫はいつの間にか隣で毛繕いをしていた
祠に手を合わせる
チリン…
どこかで鈴の音が鳴った気がした
人間が来るとは…
幾年ぶりか
随分とまぁ…面白い
どれ、見物といくか
チリン…
…く…
…くん!
…くんってば!
黄くん!!
黄
黄
青
黄
どうして
黄
なんで…?
青
君が
ここに
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コメント
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うそっーーん() 続きが楽しみすぎて課題出来ないけど楽しみです(?) 待ってます✨
やばば めちゃくちゃ好き&楽しみ&猫 ということで「2222」まで連打しました。腕がちぬ