気づくと私は不思議な空間にいた。 上はどこまでも続いていそうな灰色の空。 壁はなかった。
結奈
あれ?ここは…
結奈
私、何してたっけ?
光莉
あ、起きた?
結奈
えっ、あなたは?
光莉
私、光莉。あなたは?
結奈
私は結奈。ここはどこ?
光莉
分からないの。私たちみんな、気づいたらここにいて…
怜奈
あ、大丈夫そう?
光莉
うん。大丈夫そうだよ。
怜奈
よかった。こんにちは、私怜奈。
結奈
私は結奈。
怜奈
ここがどこなのかは分かってる?
光莉
話そうとしたら怜奈が来たんだよ!
怜奈
あ、ごめんね…
光莉
こほん。じゃあ、改めて説明するね。ここがどこなのかちゃんとは分かってないけど、出る方法はわかってるの。
結奈
え⁉︎それって…?
怜奈
それは私が説明するね。
怜奈
まず、確認して欲しいんだけど、身体のどこかに傷はない?
結奈
傷?えっと…あ、あった!全然気づかなかった…
怜奈
やっぱり。この空間のどこかに貴方と…結奈とそっくりな人がいるはずなんだ。もしその人を見つけることが出来れば帰れるはずだよ。
芽依
あっ、やっと見つけた!
芽依奈
えっ…?
声のした方向には、見た目も、声もそっくりな2人がいた。 すると、次の瞬間、ふっと2人が煙のように消えた。
怜奈
今の見てたでしょ?こういう事。
結奈
じゃあ、とにかくそっくりな人を探せばいいの?
怜奈
まぁ、そうなんじゃないかな。
光莉
…2人とも、ごめん。
結奈
えっ?
怜奈
まさか。
光莉の見る方向には、光莉が歩いていた。いや、でもよく見ると少し違う。 光莉より髪が短いし、ブーツだ。
光莉
ねぇ、あなた!
光煇
えっ?あ…
光莉
2人とも、頑張ってね。
ばいばい。
ばいばい。
そう言うと、光莉は消えてしまった。
結奈
…
怜奈
…探さないとね。
結奈
うん。
その後、私は頑張って探してみた。 しかし、どこにも”私”はいなかった。 気づくと、周囲の人々は随分減っており、 怜奈と私くらいしかいなかった。
結奈
どうしよう…
結奈
あ、そうだ。
怜奈!
怜奈!
怜香
…え?
あの、私は怜香ですが…
あの、私は怜香ですが…
結奈
…え?
怜奈
…ありがとうね、結奈。
振り向くと、いつのまにか後ろには玲奈がいた。
怜香
あ、私…
怜奈
さよなら。
そう言い残し、2人はふっと消えてしまった。
ー
よっしゃー!俺の勝ち!
ー
くそー、負けたー!