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イズミ
イズミ
カズミ
カズミ
イズミ
イズミ
(目に涙を浮かべる)
カズミ
イズミ
カズミ
この街に来てから3日が経った。
今の生活は、ここに来るまでと比べても あまり変わらない。
今朝もイズミの家出の危機に瀕したが、 なんとかなだめ、無事正午を迎えた。
イズミ
カズミ
イズミ
イズミ
イズミ
カズミ
今日の昼飯はオムライス。 もちろんイズミ作だ。
艶のある色の良い卵の上に、 ケチャップを適当にかける。
カズミ
リリア
ぱく、と一口。 美味しそうに咀嚼し、目を輝かせる。
リリア
真横に座っている少女がガツガツそれを食べていく様を、俺は唖然と眺めて しまっていた。
カズミ
イズミ
カズミ
リリア
恐ろしい速さでオムライスを完食した 少女は、不満そうにそう告げ、俺たちを見下ろすように立ち上がる。
リリア
カズミ
イズミ
リリア
カズミ
リリア
イズミ
イズミ
リリア
少女…いや、リリアはイズミの気迫に 押されたのか、苦く笑う。
リリア
カズミ
カズミ
彼女の表情がパッと明るくなる。
リリア
リリア
リリア
リリア
カズミ
カズミ
カズミ
カズミ
この言葉を聞いても、リリアの 顔から笑みは消えない。
リリア
イズミ
リリア
リリア
カズミ
イズミ
リリア
リリア
リリア
カズミ
(ノックの音)
いきなり、玄関から音が聞こえる。 誰かが玄関を叩いているようだ。
イズミ
イズミ
(ドアを叩く音)
イズミ
(連続してドアを叩く音)
カズミ
リリア
カズミ
ドアの向こうから、怒号や罵声までもが 聞こえ始める。
リリア
リリア
イズミと目が合う。そして、言葉を 交わさずとも、意見が合致する。 こいつはヤバイやつだ。 関わっちゃいけない。
…そして、今はもう一つ。
(窓を開ける音)
コンクリの地面に着地し、まだ上にいるイズミを見る。
カズミ
リリア
カズミ
(地面に着地する)
イズミ
カズミ
後ろ姿を見ていた。 街と人混みに溶け込んでゆく。
リリア
ああ_
君達なら_
最近、よくインターホンの音を聞く。
その大体が仕事の依頼だ。 本来ならば喜ばしいことなのに、 今はこの音にいら立ちを覚える。
ファルク
男
男
ファルク
先日、ニルを助けてくれたという二人組 の情報が全く掴めない。 この三日間、夜遅くまで調べている のに、今までの目撃情報も全くと言って いいほど少ない。
そもそも、ニルの話だけじゃあ情報が 少なすぎるのだ。
男
ファルク
面倒な話だ。 自分たちで動けばいいものを。
一度ガツンと言ってやりたいが、仕事 相手にそんなことを言えば、しばらく もやし生活決定だ。 ニルにまでそんな想いさせるわけには いかない。
ニル
ファルク
ファルク
男
(扉を閉める)
ニル
ファルク
ニル
ファルク
ファルク
ファルク
(息切れ)
イズミ
イズミ
カズミ
カズミ
イズミ
10分は走り続けた。流石に追いつけるやつはいないだろう。
それよりも、リリアのことが謎だ。
攻撃せずに、話し合いをしようと してきたのを見ると、敵意はないように 感じる。
俺達にこいつらを仕向けたのも、敵意 からではなく、俺たちを悪党の王にす るためなのだろう。
多くの敵と戦い、勝つことで"支配" を進める。多くの人間や国がやってきたことだ。
第一、何故そんなことをしたいのかは 分かっていないが。
「おい、お前たち。」
カズミ
イズミ
ファルク
カズミ
ファルク
ファルク
掌を垂直にして腕をピンと伸ばす。 親指で押さえつけた人さし指の間に、 何かが挟まっている。
カズミ
イズミ
イズミの直感が悪寒を感じさせる。
イズミ
カズミ
(弾けるような音)
刹那、後ろで火薬が弾けるような甲高い音が鳴る。それは激しく空気を揺らし、鼓膜を突き破るような感覚を 与えてくる。
カズミ
コンクリートが一点にヒビが集まるようにして割れている。
ファルク
カズミ
ファルク
ファルク
カズミ
イズミ
あれを食らったら不味い。 そんな事は誰にでも分かるだろう。
だが、ヤツをここで仕留めなかれば、 敵が増えたときに対処しきれなくなって しまう。
遠距離で有効な武器はない。 かといって、近距離で突っ込むのは 愚策だ。
ただの小石を銃弾のように飛ばしてくる程の力があるのなら、パワーで勝てる はずがない。
そう考えた俺は、曲がり角で急停止し、急いでナイフを取り出す。
イズミ
カズミ
奴らが角を曲がって走ってゆく。
おそらくは待ち伏せだろう。それくらいはすぐに分かる。
曲がり角から距離を取って、 路地を覗く。
ファルク
ファルク
おそらく逆手に読まれたのだろう。 追いかけるために一歩、路地に足を 踏み入れる。
ファルク
イズミ
女の蹴りを間一髪で避ける。
だが落ち着いている暇はない。 追撃が来る。だから_
ファルク
(蹴りが空振る)
イズミ
ファルク
小石を指の間に挟み、狙いを定める。
だが、目線の先、およそ1mもない ところにナイフが浮いている。 いや、飛んでいる。
勢いのまま体を捻り避けるが、 頰をかすめて通り過ぎていく。
体勢を半ば無理やりに立て直し、すぐに 立ち上がる。
カズミ
ファルク
互いに武器を上手く使い、 戦況は動く様子もない。 恐らくは互いにこう思っているだろう。
_強い。
この一言に尽きる。
しかし、戦闘とは持久力と力、技、 様々な要因が重なることで勝敗が 生まれる。
そのうちのひとつ、"情報" という点では、彼ら二人は負けていた。
カズミ
カズミ
すると、緑髪の男が左手をポケットに 無造作に突っ込む。
その手をこちらに向け、またも攻撃 を仕掛けようとしてきた。
カズミ
イズミ
カズミ
イズミは左、カズミが右に分かれ、 別々のルートで距離を詰める。
ファルク
男がイズミの方に手を構える。 彼女の足を警戒したのだろう。
カズミ
確かに、あの軽快な足技は彼女の 十八番だ。しかし_
カズミ
男がこちらから目を離した瞬間、 一直線に距離を詰める。 その手にはナイフが握られている。
反射的にこちらに狙いを合わせ、 放つが当たらない。
ファルク
筋肉が強い奴を狙うときは首でも腹 でもない、刃が通りづらいからだ。
そういうときは、武器を狙う。無力化 するのだ。今までもそうやってきた。 この男の場合は…
カズミ
(金属の擦れる音)
ナイフの刃が火花を散らす。 おかしい。手を切ったはずだ。
なのに何故、刃が通らない?
ファルク
明らかに動揺をした姿を見逃さず、 腹に拳がめり込んでくる。
カズミ
イズミ
その場に倒れ込む。
ファルク
男がこちら手を向け、攻撃を構える。
ファルク
イズミ
ファルク
カズミ
ファルク
ファルク
…違和感。
思えば、この一時で多くの ヒントがあった。
この男の過罪能力は身体能力の向上。 そう思っていたが、こいつの拳を受けて 180°理解が変わった。
こいつの打撃。そこそこ強いが、 小石をあの速度で弾く力があるのなら、こんなものじゃ済まないはずだ。
そして立ち回り。 圧倒的なフィジカルを有しているというのなら、遠距離でちまちま攻撃するより手早く力で捻じ伏せるほうが 効率的だし堅実だ。
ファルク
イズミ
そして、こいつのこの攻撃。 さっき、ポケットに一度手を突っ込み、 攻撃を準備しているようだった。 だが、たかが小石を構えるだけなら、地面に落ちているものを拾えば良い。
しかしこいつはそうしないし、 それを無闇に使おうともしない。
それに先ほど、 こいつの手を切った時の感覚。 俺の刃が当たっていたのは確かに手だ。 しかし、金属音のようなものが攻撃を 弾いた。
ファルク
イズミ
イズミ
過罪能力の違和感、立ち回りの矛盾、 攻撃の予備動作、謎の金属音…
(男の手を地面に叩きつける。)
ファルク
ファルク
叩きつけた方の手が一瞬、強く輝く。
ファルク
カズミ
手を引っ張り体勢を崩した隙に、 体を強引に起こす。
イズミ
ファルク
・・ 俺の手に握られた拳銃が、男の額を 見つめている。
カズミ
ファルク
Profile.3 ファルク
ファルク
ファルク
ファルク
Profile.? 過罪能力
この世界に稀の存在する、 犯罪行為を具現化した力。 いつから存在し、今どれだけ存在して いるのか、正確な情報は定かではない。
この力、過罪能力(カルマ)を 有した人間のことを、 過罪能力者(ホルダー)と呼称する。