この作品はいかがでしたか?
378
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黄くんの家に通い始めて 三日
相変わらずシーンとしている 扉の向こうにいる黄くん
それをぶち壊すように 僕はでかい声で話を始めた
青
青
扉を軽くノックして存在証明をする
まあ流石に聞こえてると思うけど
礼儀的なやつだ
僕はやはり返ってこない 返事に呆れつつも
昨日約束した話を始めた
青
青
僕は答えられてもないくせに 話を続ける
青
僕はそのまま赤くんの話や 桃くんの話をして勝手に盛り上がる
恋愛話とかくだらない話とか
あまりにもペラペラ喋れるもんで
我ながらVTuber 向いてるんじゃないかと思った
しばらくして
僕は友達のことを話尽くして ネタがなくなり
最近の僕自身の話をしていた。
青
青
青
本当に、くそみたいな 意味わからない内容の話だった
それに対して ひとり腹を抱えて笑っていると
黄
青
僕の汚い声とは違う
綺麗で艶のある笑い声が聞こえてきた
それも静かな扉の向こうから
僕は状況を理解した瞬間 驚きと興奮を隠せなかった。
青
青
青
僕は何度も黄くんに呼びかけた
だが先程のような反応は 返ってこなかった
その日から黄くんは返事こそしないが
時々笑い声だとかノックだとか そんくらいの反応は返すようになった
青
青
黄
青
青
青
初めは声を出したら 弄ってやろうと思ってた
顔を出したら ぶん殴ってやろうと思ってた
でも、今はどうにも 彼が反応をくれる度嬉しくて嬉しくて
そんなふうに楽しんでいたら
気付いたら 約束の1週間が経とうとしていた
金曜日
教師とふたりきりの面談室で 約束の話をする
教師はそう言って
何やら成績に関するような紙を 僕に手渡そうとする
だが僕はその紙を教師に返した
青
不思議そうに首を傾げる教師
何が目的だ。 と警戒しているようにも見える
だから僕は丁寧に提案をし直す
青
青
僕がそう言うと 驚いたように目を見開く教師
そしてすぐ目を細めた その様子は嬉しそうにも見える
青
僕はそのまま交渉成立
笑顔で教師に手を振って 今日の分のプリントを受け取った
僕は上機嫌のまま彼の家に行き
彼の母に挨拶をして 今日のことを報告すると
彼の母もとっても喜んでくれて クッキーまで貰ってしまった。
青
僕は貰ったクッキーを 一枚かじりながら彼の部屋へ行く
少しマナーは悪いが 男子高校生なんてそんなものだろう
彼の部屋の扉の前についた
青
青
僕はお馴染みの挨拶を 扉の向こうの彼に向けてする
相変わらず返事は返ってこないけど
しっかりと回収される プリントを見て僕は安心する
青
僕は早速先程のことを伝えようと 扉の前に座る
青
青
どう?嬉しい?なんて 返ってくるはずないのに僕は聞く
青
僕は小声でそう言った 聞こえてるかなんてわからない。
ただ 何故だかわからないけど
黄くんと離れたくない そう思った。
続きます
はて、ここからどうしようか
コメント
4件
いっぱい投稿してくれるかなちゃん天才😿