お姉ちゃんの彼氏が僕を好きな話

し ｰ んと静まり返った部屋

先輩もいるはずなのにな。 なんておもいながらリビングに入る

あかりの着いたリビングの机には 1枚の姉からの手紙が置かれていた

『ちょっと買い物行ってくるね』

じゃあ今は1人かなんて思いながら手紙を机に置く

そう言いながら僕に近づいてくる先輩

そう言うと先輩は僕を 抱きしめた

抱きしめる力は黄くんよりも 強くて優しかった

桃先輩の顔を見ると

あまり上手く見えないけど

少し悲しそうな顔をしていて

僕はそっと桃先輩を抱き締め返した

少しすると桃先輩は僕から離れて こう言った

なんでそうなったのかを 聞く僕

黙り込む桃先輩

『まだ』というのに 少し違和感を覚えながら返事をする

しばらくすると姉が買い物から帰ってきた

そのタイミングでこの気まずい空間に包まれたこの部屋から逃げ出す

上に上がったらまずスマホを見る

スマホを見たら今度は さっきの桃先輩の行動について考える

付き合ってもないのに

お互い付き合ってる人がいるのに。

なのにしたってことは よっぽどの事があったのだろう

黄くんとは違う

真正面から向き合ってするはぐ。

少しある身長差もあってすっぽり収まる体

近くから聞こえる先輩の声

いつもとは違うハグに少し違和感を覚えながら

眠気に耐えきれず 眠りにつく

また明日考えればいいなんて思いながら

少しため息を漏らしながら 靴箱に靴を入れる

びっくりした衝動で 靴箱の戸を思いっきり閉める

思ったよりも大きな音が出て 周りの視線が僕に集まる

言えない

昨日のことがあって朝から 桃先輩と気まずいなんて

言ったら拗ねちゃうのは確定演出

そう言って君は僕に 笑いかける

僕もそれに応えて 微笑んでみせる

なんとなく家に帰りたくなくて 家の前で立ち止まる

どんな顔して 合わせればいいのか分からない

別に、意識してるとか そんなんじゃないけど

なんとなく

気まずいから。

そんなことを考えていたら家の ドアが開いて

どういう顔で 話すか決めてないのに

なんて思いながら固まる僕

桃先輩はそう言うと 前みたいにまた僕の手を掴み

歩き始める

またパシッたのかなんて思いながら 軽く返事をする

そう言い僕はティッシュを手に取る

手に取ったティッシュを僕は レジに持っていく

2人でいつもの道を歩く

最近は2人が楽しかったのに

今は気まずくて溶けそうだ

気まずくならないように 仲直りができるようにその話題を振る

今話さないとダメな気がしたから。

そう言うと先輩は立ち止まり 僕から視線を逸らし 気まずそうに下を向く

僕は彼氏持ち

先輩は彼女持ち

何を言ってるのか分からなかった

意味深な言葉ばかりを残して

そう言って先輩は 先々と僕の前を歩いていった

♡2000