コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
“ピコンッ”と俺の携帯がなる
それを聞いてそらが「みっくんもそろそろまともな恋愛しなよ」と言う。
でも俺は今日もその言葉を無視して “今日も23時?”と返す。
もしかしたら傍から見たら俺たちの関係は”普通”でも”まとも”でも無いのかもしれない。
でもさ、この世にはその”普通”も”まとも”も存在しないと思わない?
〇〇と俺が”そういう”関係になったのは多分2年くらい前だったと思う。
別にお互い趣味が合うとか考えがある合うって訳じゃなかったけどお互いがお互いにとって都合がよかったから今まで一緒にいた。 それと〇〇との体の相性は格別に良かった。
好きなことも、服装も、聴く音楽のジャンルさえ違くてもされていいなと思う事と嫌だなと思うところだけは同じだったから一緒にいて疲れなかった。
〇〇は俺が居ても彼氏を作ってたし、俺も〇〇が居ても彼女を作ってた。
まあ、俺は今は女がめんどくさくて彼女はいないけど。
今はたまにこうしてたまに〇〇と寝るだけ。
お互い楽なところだけ考えて、いつか終わるとかそんな面倒な考えは後回し、先回しにしてる倦怠な恋愛観がそらには伝わったのかもしれない。
〇〇
怠そうにストッキングを脱ぎながら〇〇が言う
長い髪を片方に流している〇〇が相変わらず綺麗で見つめてしまう
〇〇
一瞬、息が止まる。
俺のセフレが俺の知らない男からプロポーズされたらしい。
ツリメ
〇〇
〇〇
って大した事ないように言いながらいつものように器用にブラを外す。
でも、ごめん。俺今それどころじゃないみたい。
ツリメ
〇〇
って言いながら左手を上げて指輪をキラキラさせてくる。
え、指輪もらったって事はOKって事じゃないの?え、どういう事?え、?
ツリメ
〇〇
そう言いながら何も着ていない俺の首に触れるだけのキスをする〇〇。
ツリメ
〇〇
〇〇
そう言って見せてもらった指輪は確かにシンプルだけど高そうな指輪。
ツリメ
〇〇
そうやって冗談っぽく聞くけどその冗談も受け止められないくらい俺は驚いている。
なんで今まで気づかなかったんだろう。
俺の中で〇〇の存在がこんなに大きくなっていたなんて。
〇〇
そう言って俺を誘ってくるように全身にキスをしてくる〇〇。でも今日は無理だ。
ツリメ
欲もなくなってしまうくらい俺は動揺してるみたい。
〇〇
ってさっき脱いだ服をまた着る〇〇。
俺は何がしたいんだろう。
急いでスマホを取って〇〇が貰った指輪のブランドを調べた
ツリメ
指輪に50万をかけられるセレブなおっさんとただのセフレにはどっちに勝ち目があるのだろう
〇〇
ツリメ
〇〇
ツリメ
〇〇は微笑んで俺の手にクッキーを乗せて、それから慣れたように俺のおでこにキスをした。
今までは「またね」の挨拶だと思っていたけど、今日は「じゃあね」の挨拶みたいに思えて。
〇〇
〇〇が勢いよく玄関を開けるから、〇〇が去った後の部屋は外の空気のせいでより冷たくなっていた。
次の日、俺は1番女心を知ってそうなそらを連れてジュエリーショップに来ていた。
“カラン”
店員
出迎えてくれた店員に軽く頭を下げすぐに指輪のところに行く。
店員
ツリメ
あまり知らない人と喋るのが得意ではないからこれ以上話しかけるなオーラを出していたら店員さんが離れていく。
そら
ツリメ
そら
ツリメ
そら
ツリメ
そら
ツリメ
俺もあと少し早く気づけたらどれだけ良かったと思うことか。 長く続いている彼女がいるという理由だけでこいつを連れてきたが間違いだったかもしれない。
ツリメ
そら
そら
本当に連れてくる相手間違ったなんて思いながら歩いていたら、急にそらの足が止まる。
ツリメ
そら
ツリメ
ツリメ
そら
ツリメ
そら
気付いたら俺を差し置いてカードを出しているそら。
そら
ツリメ
ピンとくるものがなくて不機嫌な俺と反対に上機嫌で支払いを待っているそら。
ツリメ
元からあったモヤモヤが更に大きくなる。
そんな時俺のスマホが鳴った。
○○ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈ ┊︎ごめん、向こうの家に住むことに ┊︎ ┊︎なったからしばらく会えない。 ┊︎ ┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
ツリメ
そら
ツリメ
そら
メールの文字が目に入った瞬間考える暇もなく行かなきゃ、と思った。
俺はバカだからきっと考えても分からないんだ、だけど、ただ伝えたい。この気持ちをただ伝えたいんだ。
そらと一緒にジュエリーショップに行くだけだと思ってたから格好もオシャレじゃないし走ってるからきっと髪もぐちゃぐちゃだけどそんなことで物怖じしてる暇は俺たちにはない。
駅近を走っていると綺麗な女の人の声が聞こえた
“It’s always you. It always you. crystal snow”
いつもなら止まって聞くけど今日はいい曲で流してクリスマスの街を走り抜けた。
走る度に冷たい空気が顔に刺さって痛いけどそんなの気にしない、今はただ早く〇〇に会って、伝えたい。
“コンコン”
〇〇
ツリメ
そう言って〇〇の前に立つおっさんを退かして〇〇の手を引いて思いっきり走った。
って叫ぶおっさんの声なんて気にしない。
〇〇
なんて言いながら結局〇〇も笑ってる
人通りの少ないイルミネーションの下で〇〇に俺のコートを羽織らせて、〇〇に会いに行く途中で買った花束を渡した。
〇〇
ツリメ
〇〇
ツリメ
〇〇
ツリメ
って言うと大きな目をさらに見開いてビックリした顔をする。
ツリメ
〇〇
ツリメ
顔に冷たいものが当たったから雨かなと思って空を見たら雪だった。
〇〇
〇〇は俺を愛おしそうな目で見た後 〇〇の手で俺の頬に付いたその雪を拭う
〇〇
〇〇
ツリメ
って言ったら〇〇は泣きながら眩しく笑うから、俺も同じように笑ってしまう
ツリメ
〇〇
ちょうど日付が変わった時に落とした今までと、同じくらい特別なキス。
ツリメ
俺は大企業の社長でもなんでもないけどずっと俺のそばにいてよね、〇〇。