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今日は部活と親父の仕事の休みが被ったから、

夏の希望で5人で遊園地に来た。

新しい家族になって初めて皆で出かけた気がする。

西谷夕

おおぉ……!!!!!!!!

日向翔陽

うぉぉぉ……!!!!!!!!

西谷夕

遊園地だ!!!!!!!!翔陽!!!!!!!!

日向翔陽

遊園地!!!!!!!!

日向翔陽

俺ジェットコースター乗りたい!!!!!!!!

西谷夕

いいぞ!!!!!!!!

西谷夕

あ!!そーだ!!!!!!!!

西谷夕

全アトラクション制覇しようぜ!!!!!!!!

日向翔陽

おお!!!!!!!!制覇!!!!!!!!したい!!!!!!!!

西谷夕

そうと決まれば善は急げだ!!!!!!!

西谷夕

行くぞ!!!!!!!!翔陽!!!!!!!!

日向翔陽

おーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!

兄ちゃん達待って!!!!!!!!

アタシも行く!!!!!!!!

ジェットコースター

ウォータースライダー

空中ブランコ

ゴーカート

メリーゴーランド

バイキング

コーヒーカップ

フリーパスを使って目に着いたものから片っ端に乗っていく。

全部楽しいが、特に楽しかったのは迷路とお化け屋敷だ。

迷路は直感で進んじまうから

行き止まりに行くと戻り方が分からなかったり、

謎解きが入ってくると

俺と翔陽と夏、3人で頭を捻りながら考えて、

間違って、行先がわかんなくなったり、

でも体を動かすのが好きだから

障害物があったりするとワクワクしてはしゃいだ。

小さい隙間でも俺と翔陽と夏なら余裕で潜れて、

カップルであろう人に

中学生と小学生かな

と言われて翔陽と落ち込んだり。

謎解きが分かったらテストで赤点回避した時ぐらい喜んだりして。

迷路をクリアした時の達成感が凄かった。

お化け屋敷は予想通り、翔陽と夏がビビりまくり。

俺の後ろにがっちり捕まってプルプルと震えてる上、

後ろから速く速く!

とグイグイ押してきた。

翔陽に前歩いて度胸を付けさせようとしたら

持ち前の身体能力で

お化けがびっくりするぐらいジャンプしたり、

すごいスピードで逃げたり、

壁の角に張り付いたり。

とにかく翔陽のテンパリっぷりに振り回されたが、

それが凄く楽しくて、

こういう楽しみ方もアリかなとか思ったりして。

そんな感じで遊んでいるとすっかり日も暮れて、

暗くなってきた。

そろそろ帰る時間かな、

と思っていると、

最後、

遊園地の一番奥に1番大きなアトラクション。観覧車があった。

でっかくて、

輝いていて、

存在感があって、

綺麗で。

…綺麗…

横で夏が呟く、

すると両親が来て、

せっかくだしあれに乗ろうと提案してくれた。

…が、どうやら4人乗りらしく皆一緒には乗れないとのこと。

なので俺と翔陽、

両親と夏と言った感じで分かれる事になった。

先に夏達がオレンジのゴンドラに乗って、次に来た白のゴンドラに俺たちは乗った。

西谷夕

すげぇ〜〜!!

日向翔陽

綺麗〜〜〜!!!

そう言いながら窓に張り付く俺と翔陽。

ゆっくり登っていく観覧車に揺られながら

向かいの席に乗った俺たちは景色を眺め続ける。

ふと、ゴンドラ内が静かになった。

さっきまで翔陽がすごいすごいと声を漏らしていたのに。

翔陽の方を見る。

泣いていた。

静かに、

下を向いて、

涙を流して。

泣いていた。

何故泣いてるのか、

分からなくて、

焦りと驚きが混じった声で

翔陽

と言いかけた時

日向翔陽

俺、…

翔陽が話し始めた。

日向翔陽

…俺、お父さんっ子だったんだけど、

日向翔陽

よく、バレー始める前、遊園地連れてきてくれてて、

翔陽は言葉を必死に繋ぎながら伝わるように喋る。

日向翔陽

観覧車、夏と、お母さんとお父さんと、俺で乗った時も、凄く、綺麗で…

落ち込んだような、

感情が抜け落ちてしまった顔から、

少しづつ悲しいと訴えかける表情に変わる。

涙の粒は少しずつ大きくなる。

日向翔陽

でもッ、俺が、小学生の、ころ、!

日向翔陽

父さん、俺を庇って、車に…、車にはね、ら、れてッ…

翔陽が、必死に涙を拭い始める。

それでも翔陽の涙は止まらなくて、治まる気配がなくて。

日向翔陽

俺…!忘れらんなくて…!

日向翔陽

どうしていいかわかんなくて…!

日向翔陽

再婚とか…新しい父さんとか…!正直まだ受け入れらんなくて……!!

日向翔陽

嬉しいのに…、嬉しいのに、、

日向翔陽

まだ俺の父さんが居ないことが不思議で…

日向翔陽

本当はどこかで、生きて、暮らしてるんじゃないかって………。

日向翔陽

夕の事も、大好き、ッだし、一緒に暮らすのも、嫌じゃない…ッ、

日向翔陽

けど兄弟とかッ、分かんないッ…!!!

俯いて、

泣きじゃくる翔陽があまりにも、

苦しそうで。

気付けば翔陽を抱きしめていた。

力強く、体温を少しでも分け与えてやりたいと。

護ってやりたいと。無性に思った。

日向翔陽

ゆ、ぅ

西谷夕

翔陽…ッ!!!

ただ、ひたすらに、幸せにしてやりたい。

翔陽が笑顔で暮らせるように。

西谷夕

俺らの事はどう思っていてもいい!

西谷夕

すぐに家族になれなんて誰も言わねぇ!

翔陽が本音を吐き出せるような。

西谷夕

けど、翔陽を護らせてくれ!

西谷夕

俺はもうお前を弟だと思っちまってんだ!

せめてそんな関係に。

西谷夕

翔陽のことが大切なんだ!

西谷夕

お前がそういう扱い嫌って言うんならすぐ辞める!

西谷夕

けど、愛させてくれっ、!翔陽、!

ただ我武者羅に腹の底から叫ぶ。

思ってる事を、翔陽へ。

2人だけを乗せたゴンドラが少し傾いたままゆっくりと揺れた。

日向翔陽

ぅん゛ッ………

翔陽は唸りながら泣いたまま強く頷く。

泣き止んだ頃はちょうど頂上で、遊んでいた遊園地がゴンドラからよく見えた。

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