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君だけは、無理なんですっ！！

第5話 - 君だけは、無理なんですっ！！

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2019年11月04日

#恋愛

#学園

#青春

ましゅ

虹野夢菜

………ん。

虹野夢菜

ん〜！

虹野夢菜

もう朝？

桧山奏

おはよ。

虹野夢菜

桧山、おはよ。

桧山奏

…早速行くのか？

虹野夢菜

…うん、怖いけど。

虹野夢菜

でも、昨日の夜相談して勇気が出てきたの。

虹野夢菜

お父さんの暴力だって、暴言だって負けない。

桧山奏

……

桧山奏

いい顔になってきたじゃん！

虹野夢菜

……！うん！

桧山奏

いいよ、行こ。俺も一緒に、あの時約束した通り頭下げるからさ。

虹野夢菜

ぷ、なにそれw

虹野夢菜

あんた、こう言う時って至って真面目だよね。

虹野夢菜

…ありがとう。桧山がいるだけで心強いよ。

桧山奏

…へへ。

桧山奏

じゃあ行くか！っとその前に朝食くおーぜ！

虹野夢菜

ふふ、おかしっ、まあ私もお腹すいてたし、食べてやる気をチャージしよ！

虹野夢菜

…………。

桧山奏

ここだな。

桧山奏

……前より、酷くなってねぇか？庭の周りにたくさんゴミ袋があるが…

虹野夢菜

……お父さん大丈夫かな、塩分の取りすぎで倒れてないかな。

虹野夢菜

……早く、帰らなきゃ。

虹野夢菜

行こ。桧山。

桧山奏

……おう！

ｶﾞﾁｬ

虹野夢菜

……お父さん？

桧山奏

うわ、外もひでぇが中も酷すぎる…床に散乱したビール瓶やらお酒の山だぞ。

虹野夢菜

…お父さん、お母さんがなくなってたからお酒にも溺れるようになって…

虹野夢菜

朝、昼、夕、晩、全ての時にお酒を飲むようになったの。

虹野夢菜

私、アルコール中毒になる恐れがあるからやめてって止めたんだけど…その時も暴力を受けちゃって。

虹野夢菜

でも、前よりひどい…前はそんなに飲んでいなかったのに。

虹野夢菜

私がお祭りに行ったことにむしゃくしゃして、前よりたくさん飲んじゃったかもしれない。

虹野夢菜

……お父さん？お父さん…。

ｶﾞﾁｬ

虹野夢菜

……お父さん。

桧山奏

……っ。

お父さん

…………う……うぅ……。

虹野夢菜

泣いてるの？お父さん？

お父さん

夢菜ぁ……

虹野夢菜

…………お父さん？

桧山奏

…虹野の夢を見てるのか？

虹野夢菜

…わからない。でも、お父さん…。

お父さん

…………はっ。

お父さん

近寄るなっ！！！

虹野夢菜

きゃ！

ﾄﾞﾝ

桧山奏

虹野！

虹野夢菜

っ…ありがとう、桧山。

お父さん

お前…夢菜か？

お父さん

もう来るなと俺は言ったぞ！目障りだ！！！帰れっ！

虹野夢菜

お父さん！

虹野夢菜

……私、お父さんとお話ししたいの。

お父さん

……話？

虹野夢菜

……私、なにか…悪いことした？

虹野夢菜

私…暴力を振るわれることした？

虹野夢菜

いつもいつも、お父さんの罵声と暴力ばかりで。

虹野夢菜

私、もう疲れたよ。

お父さん

……話はそれだけかよ

虹野夢菜

違う、これからが本題なの。

虹野夢菜

……お母さんがなくなってからは、私とお父さんの２人だけ。

虹野夢菜

たとえお母さんが死んでも、２人で仲良く生活しようって思ってたのに…

虹野夢菜

お父さんが急変した時、私目を疑ったよ。

虹野夢菜

優しかったお父さんが、あんな姿になるなんて思いもしなかった。

虹野夢菜

休日の時は一緒に遊園地に連れて行ってくれたよね。私、すっごい嬉しかった。

虹野夢菜

あんなキラキラした思い出がお母さんの死で崩れてしまうなんて…

虹野夢菜

私嫌だよ。

虹野夢菜

お父さんが暴力沙汰になったのもちゃんと理由があるんだよね、「なんとなく暴力をした」とかじゃないって、私知っているから。

虹野夢菜

ねえ話してよ、私はただ、お父さんが元に戻って欲しいの。

虹野夢菜

お願いだから…話して…

お父さん

…………っ

虹野夢菜

……お父さん…泣いてるの？

お父さん

夢菜………

虹野夢菜

………私の名前…優しく言ってくれた。

虹野夢菜

あの時も、優しく話しかけてくれたよね。

虹野夢菜

覚えてるよね？

お父さん

……夢菜…俺…

お父さん

母さんがなくなった時、俺、ほんともうどうしようかと頭が真っ白になった。

お父さん

あの時俺たちは散歩をしてきた。

お父さん

母さんは赤信号に気づかずに死んだのだ。

お父さん

俺の不注意だった。俺のせいなんだ

お父さん

そう考えると、むしゃくしゃして、胸糞悪くなって、我慢できなくなって

お父さん

長年我慢してた酒をがぶ飲みするようになった。

お父さん

関係ない夢菜に暴力を振るうようになった。

お父さん

関係なかった夢菜を沢山沢山傷つけた。

お父さん

そう考えると、さらに自分が許せなくなって、いつの間にか気がつくと夢菜にさらに無茶振りを命じたり、暴言暴力をヒートアップさせてた。

お父さん

本当は苦しかった。むしゃくしゃした気持ちを抑えきれずに、また我が大事な娘、夢菜を傷つけてしまった。

お父さん

夜、俺は毎日毎日悔やんでいた。

お父さん

でも、やめられなかった。

お父さん

こんな最低なやつ、父親じゃない。そう思うと自分の無力さにヘボが出てた。

お父さん

…ごめん、夢菜。夢菜…。

お父さん

今の言葉聞いて、目が覚めたよ。

お父さん

俺も、もう一度夢菜と…母さんがいなくても、素敵な家庭を築きたいって。

お父さん

そう思うことができたんだ。

虹野夢菜

………

お父さん

ごめん、今までごめん。沢山沢山傷つけて。

お父さん

こんなに痣を作っちゃって、ごめん。

お父さん

悔やんでも、後悔しても、もう過ぎ去りし時は戻せない。

お父さん

でも、もう一度夢菜と、幸せにできるか？

虹野夢菜

…お父さん。

虹野夢菜

私、ずっと、なんでこんなに暴力を振るうんだろうって疑問だった。

虹野夢菜

でもちゃんと向き合えば、ちゃんと心は分かち合っていたのに

虹野夢菜

私もごめん。

虹野夢菜

私もう一回やり直したい！お父さんと幸せな家庭を築き上げたい！

お父さん

…よろしくお願いします。

虹野夢菜

うん！

桧山奏

………。

お父さん

君もすまなかったね。

桧山奏

いや…別に…無理やり連れて行ったのは俺だったので。

桧山奏

俺が謝る方です。すみませんでした。

お父さん

いや、大丈夫だよ。あんな楽しそうな夢菜を見れて、嬉しかったし。

桧山奏

………。

虹野夢菜

お父さんっ！しばらくお酒をやめて、部屋片づけましょ！

虹野夢菜

あ！桧山もね！

桧山奏

なんで俺が…

虹野夢菜

へへへ。

ちゃんと

心が通じ合うことができた。

話せばこんなに簡単だったんだ。

お互いに、ずっと溜めてたんだ。不安で恐ろしい気持ちを

嫌われたくないって思い。

話し合えてよかった。

桧山、勇気つけてくれてありがとう。

桧山奏

片付けるの結構大変だったな。

虹野夢菜

お父さんが暴走してた時、本棚も全部放り投げちゃったんだって。

桧山奏

どんだけ怪力なんだよ虹野の父親。

虹野夢菜

あはは。

桧山奏

……いい顔してんじゃん。

虹野夢菜

…え。

桧山奏

転校してた時、どこか機嫌悪そうで

虹野夢菜

なにそれ失礼

桧山奏

あと………。悲しそうだった。

虹野夢菜

…。

虹野夢菜

私そんなに顔に出てたの？

桧山奏

バレバレだった。

虹野夢菜

うっそ！

虹野夢菜

まじかぁ、私気をつけなきゃな。

桧山奏

まあ、そのままの虹野でいいよ。

虹野夢菜

………！

ﾄﾞｷﾝﾄﾞｷﾝﾄﾞｷﾝﾄﾞｷﾝ

心臓の音、止まらない。

これ知ってる。

私…桧山のこと、好きになっちゃったんだ。

偽彼女のつもりなのに…どうしよう！

???

……ふふ。

???

やっと会えるんだぁ。

???

待ってたよ、かーなでっ♡

この気持ちが

気づいた瞬間

私たちの恋模様が

大きな大嵐になるだなんて…

♡5000で続き出します！

君だけは、無理なんですっ！！

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桧山を奪ったりする系かな？

もしかして、、、、

ましゅ

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