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食事を終えた僕たちは神社に来ていた。

刀也

(葛葉とずっと入れますように…)

手を合わせて心の中で必死にお願いした。

刀也

(僕、浮気とかしないしずっと一緒にいたいのでお願いします。…葛葉、いつかは女の人と家庭を築きたいって思うのかな…。)

不安に駆られながらギュッと目を瞑って、絶対そんなの嫌だ。応援できない!と無意識に小さく首を横に振った。

突然、ポンッと肩を叩かれて、ふと我に返った。

僕は、ビクリと肩を跳ねさせて顔を上げた。

葛葉

大丈夫か?

葛葉は、すごく心配そうに眉を下げて僕の顔を覗き込む。

刀也

う、うん。大丈夫

葛葉は僕を探るようにジッと瞳の奥を見つめて、呆れたように小さくため息をついた。

葛葉

何考えてるか知らねーけど余計なこと考えすぎんなよ?

ば、バレてるっ…

僕はギクリとして、無言で頷いた。

刀也

お、お守り買って帰ろう。

葛葉

お守り?

刀也

うん。

葛葉

いいけど、必要ねーと思うけど?

刀也

でも欲しい。

葛葉が浮気するとは思ってない。

でも、

もしかしたら子どもが欲しいとか、結婚したいという願望ができるかもしれない。

そんな風に思っていると、気がつけば葛葉の顔が間近にあり、ビクリと肩が跳ねた。

少しドキドキしながら、なに?と尋ねた。

僕を探るような目

少し不安。

もし思ってることがバレたら笑われる。

葛葉

もちさん

刀也

は、はいっ

ピシッと背筋が伸びる。

葛葉

さっきから何考えてんの?

葛葉

俺は、もちさんの分身じゃねーし言ってくれねーと分かんねー。

とても真剣な顔で僕の目をジッと見つめる。

刀也

い、いつか葛葉も結婚したいとか子どもが欲しいとか思うのかなって…。

なんだかバカなことを言っている気がしてきて、恥ずかしくなって俯いた。

く、葛葉怒るかな…。

ドキドキしながらチラリと見上げると、葛葉は目を丸くしていた。

葛葉

…マジか…。

葛葉はポッと頬を赤らめ、口元を抑えてそっぽを向いた。

刀也

葛葉…?

もしかして僕変なこと言った?

また不安に駆られてギュッと葛葉の袖を掴むと、葛葉はバッと振り返った。

葛葉

…勿論結婚したいとか子ども欲しいって思う。

ぼそっと呟くと葛葉の言葉に一瞬、頭が真っ白になった。

やっぱり、結婚したいって思うんだ。

いつか、僕の元から離れていってしまう。

喉がギュッと締め付けられるように苦しくなって、目頭が熱くなる。

視界がぼやけて何も見えない。

葛葉

…でもさ

葛葉

俺ら男同士だし結婚とか子どもを産むとか無理だけど、同棲して養子をもらうことだってできるだろ?

捨てられると思ったのに、まさかの言葉に僕は勢いよく顔を上げて目を白黒させた。

葛葉は照れたように言って、僕の顔を見ると目を丸くした。

葛葉

なんで泣いてんの?

刀也

ぼ、僕、もう一緒に居られないと思ったからっ…

嗚咽を漏らして泣くと、葛葉は両手で僕の頬に触れた。

葛葉

なんでそうなんの?

葛葉

俺、すげーもちさんのこと好きなのに離れろって?

葛葉は悲しそうに眉を下げた。

僕は激しく首を横に振った。

刀也

ち、違うっ…!

刀也

ただ…その…、女性と結婚したいって思ったりするのかなって思って…。

語尾になるにつれて声が小さくなる。

顔は背けられなくて、目線だけ外すと突然、両頬を引っ張られた。

刀也

んぐっ?!

驚いて葛葉を見ると、キッと眉を吊り上げて僕を睨みつけた。

葛葉

バカなこと言うな。

葛葉

好きだっつってんだろ!

刀也

わ、わっあっ、わあった!

頬がヒリヒリと痛む。

葛葉

絶対分かってねー

葛葉は額に青筋を立てて、口角を引き攣らせながらニコリと微笑んだ。

葛葉

さっきも言ったけど、夜、覚悟しとけよ。

葛葉

絶対離してやんねー

耳元で囁かれ、ゾクリとしたのは内緒。

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コメント

9

ユーザー

最ッッッッ高です。神作産み出してくれてありがとうございます

ユーザー
ユーザー

サイッコー! ちょっと剣ちゃん心配しすぎな気がするわよ!愛されてるって自信もちな\[♡_♡]/ 長くても私は嬉しいのでどんどん長くなってもらって全然構いませよぉ〜(*ᴗˬᴗ)

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