東西戦争

私の嘘を信じてすんなり家の中に入れてくれた香川

誰か来る前に殺してしまおうか

それとも寝た後に自分だけこっそり起きて殺そうか

どちらでもいいけど、香川に騒がれて誰かが来たら困る

寝てからにしよう

あ、でも勝負は夜明けからと言ってしまいましたね…

では明日の朝に…

どうするか考えていると、香川が僕に声を掛けてきた

正直邪魔しないで欲しい、貴重な時間なんだから

そんなくだらないこと、僕に言われても困りますよ、自分でどうにかして欲しいですね

そもそも、私に聞いたところで分かるとでも思ったのでしょうか

はぁ…睡眠薬ぐらい買っておいてくださいよ、本当にバカな人ですね

まずい、東京が会社を出て行った時間が既に夜3時だったから、夜明けが近い

空を見あげると、もう真っ赤な朝日がビルの間からチラついていた

東京が香川の家に向かっている場合、もう着いている頃だろう

東京は香川の家に行っていない可能性もあるが、今この状況では行っている可能性の方が高い

だから急がないと、香川がｯｯ！

長距離を全力で走ったせいで、足が痛い上に、苦しい、クラクラする

香川の家までは遠くはないと言っても、他の都道府県の家に比べての話だ

普通に歩いたら30分は掛かる

東京は歩いて行ったのか走って行ったのかは分からないが、時間的に先に着くだろう

僕と東京さんは、結局夜明けまで寝られなくて、朝が来るまで雑談してた

東京さんの話は思ったより面白くて、聞いて飽きなかった

7大都市の皆んなの話が多いけどね！

急に話すのをやめ、話題を朝日に変えるものだから、少し戸惑ってしまった

でも空を窓越しから見ると、確かに綺麗な朝日が見えていた

徹夜とかしたことないから知らなかったけど、朝日ってこんなに綺麗なんだ

こっちに来て？なんでだろ？

東京さんはニコニコしてるし、何かくれるのか少し期待しながら東京さんに近づく

そして、東京さんがポケットから出したものは

まだ未使用で、切れ味が良さそうな

鋭いナイフだった