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春高予選の決勝戦。
青葉城西の相手は、烏野。
全国に手を伸ばす最後よ扉の前で青葉城西は全力を尽くした。
だが、結果は敗北。
試合後、体育がよ空気は重く沈んでいた。
涙を流す者。
唇を噛む者。
肩を落とす者。
それでも、誰一人として目を背けていなかった。
葵は涙ぐみながらも選手達のもとに歩み寄った。
朝霧 葵
そう言ってタオルを手渡す手は震えていた。
自分のまた彼らと一緒に戦っていたのだと、
今更ながら実感していた。
その時、花巻が言った。
花巻 貴大
朝霧 葵
花巻 貴大
花巻 貴大
花巻 貴大
照れくさそうに笑う彼女にみんなが笑い返す。
ああ、なんだ。
(ヒロイン失格でも、私にはちゃんと物語がある。)
それは誰かの後ろを歩くだけじゃたどり着けなかった景色。
偽りの笑顔のままじゃ、絶対に手に入らなかった居場所。
負けたけれど、たしかに何かを勝ち取った気がした。
葵は空を見上げた。
涙が乾いていくのと同じ速さで、前を向ける自分がいた。
朝霧 葵
朝霧 葵
遠く、春の風が吹いていた。
ヒロイン失格?上等だ。 〜 f i n 〜
コメント
1件
いい話すぎた あこがれるわぁ