俺らの居場所

ｶﾞﾀﾝｯ

ひっ…

怯えきった目

震えた体

や、ｯ

やめてくれｯ、！

改心するから…っ、！

幾度となく聞いた嘘

っ、！

少しの同情と軽蔑

っ、！

や…ｯ！？

ﾀﾞｧﾝ…ｯ

軽く伸びをして歩きだす

言いながらも画面から目は離そうとしない

いつもはアジトの地下で通信の核を担う彼がここにいるのは、この組織のデータを奪うためである

どうしても明るく振る舞えない

人身売買

この国では禁止されているはずなのに

…ｶﾞﾁｬｯ

賑やかなリビング

全員が席について、あっとが笑顔でこう続ける

ﾋﾟｺﾝｯ…

リビングに静寂が満ちる

一気にちぐが真剣な表情になる

そう言って上からの連絡内容をモニターに映す

明日の仕事はJ社を壊滅させること

また、人身売買について情報を入手すること

情報がその場でコンピューターから入手できない場合________

拷問という手段も使用を許可する

夕飯が終わって歯も磨いてベッドにダイブした

憂鬱な気分で

昔を思い出して少し吐き気と目眩がした

大丈夫、大丈夫と自分に言い聞かせるように腕を軽くさする

…こんな時、1人は心細いものだな、と思った

ｶﾞﾁｬｯ…

扉が開く音がした

体を起こし腕を広げるとちぐが俺の胸に飛び込んできた

正直来てくれて助かった

ちぐは体温が高くて温まるし、安心する大きさだし…((

俺は

正直みんなには任務に出てほしくない

優しすぎる仲間に辛い思いをさせたくない

でも仕方のないことだから

せめて、

俺があいつらを守る