あなたに抱かれたかった。

あなたに抱かれたかった。

𝑬𝒑𝒊𝒔𝒐𝒅𝒆＿1 先輩のおかげで

今日が念願の声優デビュー日 初めての収録に胸がドキドキしている

【控え室】

🚪ｶﾞﾁｬ

先輩声優が先に控え室に居ると自分のマネージャーから聞き、張り切って挨拶をしたものの、感じの悪い先輩しかいなかった…

そんな時…

1人だけ、優しくしてくれる先輩が居た

こうして収録が始まり…

数時間後…

こうして僕の声優生活は始まった。

数日後…

【スタジオ前】

すると、スタジオ前のすぐ近くにある自販機の前で先輩を見かけた。

聞いてしまった

先輩が僕の悪口を言っている事を

　【控え室】

優しいと思っていた。なのにそんな事は無くて、知らない裏があった。

🚪ｶﾞﾁｬ

その日の僕は何もかもに集中できなくて 周りの人が精一杯アフレコをしている中 僕は頭の中が先輩の言葉でいっぱいだった

「演技下手だし」

そんな事をグルグルと考えていたら、気づけば自分の番が来ていて、映像と台本を見るが、言葉が出なかった。 大事なシーンを任されていたのに演技をする恐怖が僕を襲い、その日は監督に散々怒られ、体調不良と言い、収録を終えた

【帰り道・マネージャーの車】

言葉が詰まって言えない…

【西山家・寝室】

翌日

朝にマネージャーが色々と音声監督に昨日の話をしてくれたらしい。それで僕は今日から別の室で1人収録をする事になった。

あの先輩に会わなくなったのは言いものの この日から僕は、他の声優との関わりが無くなった。

そんな収録の日々を数ヶ月続き 一人で収録をするのが普通になってきた頃

「優しい人だから安心して」

【収録室】

🚪ｶﾞﾁｬ

この数ヶ月、他の声優との関わりが全くなかった。それにこんなにも演技が上手な人は今まで見たことが無かった

その時、前の先輩の言葉が頭をよぎった

「演技下手」

また演技が下手だと思われたらどうしよう そんな事で頭がいっぱいだった。 久しぶりの人前での演技、プロ相手に何を思われるのかが怖くて仕方がなかった。

気づけば手の震えが止まらず

ﾊﾞｻｯ...

また...あの時みたいに監督を怒らせて...

🚪ｶﾞﾁｬ

【控え室】

声優業界は演技してこその仕事なのに 誰かに悪口言われるくらいでしょげてたら 仕事のオファーなんて来ないし、いくら経っても演技も上手くならない。舞台にだって出れなくなる

🚪ｶﾞﾁｬ

先輩にお茶を渡され

すると江口先輩は僕の隣に来て座り

優しくハンカチで涙を拭いてくれた

そうして僕は収録を無事に終わらせた

【控え室】

🚪ｶﾞﾁｬ

江口先輩に渡されたのは レモンティーだった

ものすごく真剣な目だった 本当に嘘をつく人の目じゃなかった

そんな事言われてもって最初は思った 自分に才能なんか無いとも思ってた でも、江口先輩がこんなにも真剣な目でそう言ってくるから、少し信じてもいいかなと思う自分がいた。

疑ってごめんなさい また同じこと言われるのが怖くて、泣いて逃げたのに。わざわざ控え室で待っててくれて、それに飲み物だって買っててくれた。 そんな人間を何も知らずに悪人だと思いこんでほんとにごめんなさい

🚪ｶﾞﾁｬﾝ

【西山家】

「明日沢山話そ」

その日は気合を入れて明日のために寝た

【翌日・控え室】

🚪ガチャ

【収録室】

その日は緊張しつつも、自分なりにいい演技をできたと思う...何となくだけど、江口先輩という安心感があったのか後半の収録はいつもより良いと監督に褒められた

【控え室】

🚪ｶﾞﾁｬﾝ

こうして1週間の収録が終わり 江口先輩と共演するのは今日で最高だった

【控え室】

🚪ｶﾞﾁｬﾝ

あの日から1週間...

僕は毎日発声練習と台本読みを頑張った

今頑張って練習しているのは江口先輩が 主人公をやっているアニメで、僕はそのオーディションを受けている。 このオーディションに受かれば江口先輩との共演も夢じゃない

そしてオーディション当日 江口先輩からの言葉を信じて受けたものの 周りの声優達の実力に圧倒され... 結果は

予想通りだった。

初めて本気で頑張ろうと思ったオーディション。自分の実力の無さに気づいて情けなかった。 でも、諦めたわけじゃない...ここでくじけたら負けだ...またオーディションなんて受ければいい。そう思って毎日台本読みと発声練習は欠かさずにやった

それでも...

受かったアニメに江口先輩は居なかった

そしてあれから数年が経ち...

念願のあの人の隣に立つことができた

今日はそのアニメの収録日だ。

【控え室】

🚪ｶﾞﾁｬ

【控え室】

1日目の収録が終わり

【居酒屋】

こうして僕たちはたわいのない話をして 何時間もお酒を口にした

【帰り道】

あれから数日... 【控え室】

【生放送撮影スタジオ】

数分後...

そうして数時間後... 【フリートークコーナー】

番組が用意した物はパンケーキだった

( 'ω'o[ 食べさせてあげて ]o ※カンペです。

番組が出したのはショートケーキだった

指でスッと口元についていた生クリームを江口先輩が取ってくれた

すると、江口先輩は指に付いた生クリームをペロッと舐めた

江口先輩との飲み会が終わり帰宅

【西山家】

溶け込むようにソファーへと横になる

するとスマホに通知が来た

詳しく見てみると、今日の生放送中の出来事が声優ファンの中でバズったらしい。 僕と江口先輩の絡みが好評らしく、トレンドでは1位を取っていた

こうして僕と江口先輩の絡みが話題になった事により、僕の人生が変わった

𝓉ℴ 𝒷ℯ 𝒸ℴ𝓃𝓉𝒾𝓃𝓊ℯ𝒹