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だいふく
だいふく
⸻翌朝
やわらかい光がカーテン越しに差し込む
寝室のドアが、ゆるりと開いた
そこから――よち、よち、と、パーカー姿の麗央が現れる
毛先は寝癖でふにゃふにゃ。目は半分しか開いてない
そのうえ、左右のスリッパが逆
麗央
小さく呟きながら、フラフラとリビングへ歩いてくる姿は、まるで子犬のようだった
朔矢
ソファにいた朔矢が、嬉しそうににやける
零斗
零斗が笑うけど、目は甘く細められていた
龍牙
龍牙はコーヒーを置き、タオルを手渡してくる
麗央はそれを受け取って、ぽすぽすと顔を押さえながら、ぽつりと呟く
麗央
蓮がふっと眉を上げる
蓮
麗央
その場の空気が、一瞬止まる
4人の目が、揃って麗央に注がれた
龍牙
朔矢
零斗
蓮
からかうような声の合間に、愛しさがたっぷり混ざっている
麗央は何かを察したのか、眉をしかめてぷいっとそっぽを向いた
麗央
朔矢
麗央
顔を真っ赤にした麗央が、ばっとソファのクッションを投げる
麗央
朔矢
朔矢が受け止めながらニヤニヤと笑い、龍牙はコップを口に当てて肩を揺らしていた
麗央
零斗
零斗がじりっと近づき、すっと顔を覗き込む
零斗
麗央
麗央は赤くなったまま、ソファの隅にちょこんと座り込んだ
足を引っ込めて抱える姿が、よちよち以上に“無防備”
そんな彼を見て、4人の視線が自然とふわっと柔らかくなる
(……ホント、なんなんだよ……)
(……寝起きでこの破壊力……)
(……こんな朝、反則すぎるだろ)
(……今日もたぶん、ダメだな。もう甘やかす未来しか見えない)
零斗
零斗がぽそっと呟いた
零斗
麗央
麗央の反論は、ぺしっと弱々しくクッションを叩くだけで――
4人はまた笑って、それぞれの席から立ち上がった
蓮
麗央
龍牙
麗央
零斗
麗央
朔矢
からかわれて、膨れて、でもどこか嬉しそうにしてる麗央
そんな朝の始まりは――とびきり甘くて、あたたかかった
だいふく
だいふく
コメント
10件
幸せそうにしてる零央君可愛い… ほんといつみてもいやされる~!
平和だ
めっちゃ最高すぎる!尊い!