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加奈子
賢司
加奈子
賢司
賢司
彼女は幼馴染みの加奈子
家が近所なこともあり幼稚園から一緒だ
一緒にいる期間が長かったせいか
高校2年生となった今ではなんでも話せる仲だ
今週末は同級生の結衣ちゃんと映画を見に行く約束をしている
俺にとって人生初デート
緊張するが加奈子からアドバイスももらったしきっと大丈夫だろう
加奈子
加奈子
賢司
そうだ。寝る前に結衣ちゃんにメッセージを送ってみよう
賢司
結衣
結衣
賢司
賢司
結衣
結衣
結衣
賢司
賢司
結衣
賢司の部屋
賢司
賢司
しかし、内容はなんであれ好きな子とやりとりできることが嬉しかった
賢司
次の日の朝
加奈子
賢司
賢司
加奈子
加奈子
賢司
賢司
加奈子
加奈子
加奈子と結衣ちゃんは同じ部活で仲も良いからてっきり昨日結衣ちゃんが話したのかと思った
いくら幼馴染みとはいえ、あのやりとりを見られるのは恥ずかしい
加奈子
賢司
加奈子
加奈子
賢司
とはいっても幼い頃に母を亡くした自分にとって加奈子は俺の母親みたいなところもある
父さんの仕事が忙しい時はうちに来て料理も作ってくれるし、昨日みたいに恋愛のアドバイスもしてくれる
まあ顔は可愛い方だし、モテるのだろう
賢司
加奈子
加奈子
教室
クラスメイト
賢司
賢司
賢司
クラスメイト
次の授業は音楽だ
週一の授業だから教科書を忘れてしまった
賢司
教室のドアを開けて廊下に出た時
賢司
ちょうど目の前を結衣ちゃんが通った 今日はツイているかもしれない
結衣
少しの時間でも彼女と話せるのが 今の俺にとっては幸せそのものだ
しかし、彼女からの返事は 俺が想像もしないものだった
結衣
賢司
そう言うと結衣ちゃんは足早に どこかへ行ってしまった
賢司
賢司
一人困惑していると授業5分前を知らせるチャイムが廊下に鳴り響いた
賢司
考える暇もなく賢司は加奈子の クラスへ向かった
加奈子の教室
賢司
加奈子
加奈子
賢司
加奈子
賢司
加奈子
加奈子
加奈子
加奈子
帰り道
賢司
賢司
賢司
考え事をしながら帰っていると あっという間に家にたどり着いた
賢司
賢司
賢司は自宅の玄関を開けた
加奈子
賢司
賢司
賢司
加奈子
俺の父さんは職業柄 家を空けることがよくある
そんな時は昔から加奈子が夜ご飯を 作りに来てくれる
賢司
加奈子
加奈子
加奈子の作る料理はお世辞にも 美味いとは言えない
しかし、ここ数年での 料理の腕の成長は著しい
そんな彼女の料理の腕の上達を感じるのが 賢司にとって小さな楽しみでもあった
加奈子
加奈子
賢司
加奈子
賢司
加奈子
賢司
賢司
加奈子
加奈子
賢司
賢司
賢司
加奈子
加奈子
加奈子
賢司
賢司
そう言いながら賢司はスマホを取り出し 結衣とのトーク画面を開いた
賢司
賢司
そこには身に覚えのない会話が記録されていた
昨日のトーク画面
賢司
結衣
賢司
賢司
結衣
結衣
賢司
結衣
賢司
結衣
結衣
賢司
賢司
賢司
賢司
賢司
結衣
結衣
賢司
加奈子
加奈子
賢司
賢司
加奈子
頭の整理が追いつかない
一体なにが起こっているんだ?
加奈子
加奈子
賢司
加奈子
加奈子
賢司
加奈子
加奈子
賢司
急な出来事で頭が混乱していたが 加奈子の一言で少し気持ちが落ち着いてきた
加奈子にはいつも助けられてばかりな気がする
加奈子
加奈子
その日の夜
加奈子を家まで送った賢司は もう一度結衣とのトーク画面を開いた
賢司
賢司
そこには確かに俺から送信されている メッセージがあるのだが
口調といい内容と言い 絶対に俺が言うようなセリフじゃない
ましてや好きな女の子にこんなこと言う男子がいるはずがはない
賢司
次の日の朝
玄関のドアを開き、外へと出る
賢司
賢司
賢司
賢司
そこにはポストの投函口からはみ出した 一通の手紙があった
手紙には送り主の名前はなく
「賢司さんへ」とだけ書かれていた
どことなく嫌な予感がした賢司はすぐさま手紙を開封した
するとそこには、短くこう書かれていた
手紙の内容
親愛なる賢司さんへ
あんな女と遊びに行く必要はありません。
週末は家でのんびりしてくださいね
一番の理解者より
賢司
賢司
賢司
賢司
その短い手紙を読み終えてすぐに 怒りがこみ上げてきたが
その感情はすぐに別の感情へと変わっていった
あの不可解なメッセージも こいつの仕業だと察しがついたが
それよりも自分の家が知られていること 自分のスマホを勝手に操作されたことに 恐怖を感じ始めた
家を知られるのはまだしも 人の携帯を勝手に操作するなんて
普通の人間のできることじゃない
もしかしたら自分の寝てる間に家に入って 勝手にメッセージを送信したのかもしれない
賢司
賢司
賢司
賢司の教室
加奈子
加奈子
加奈子
賢司
賢司
加奈子
賢司
賢司は加奈子に今朝の手紙を見せた
加奈子
加奈子
賢司
賢司
賢司
加奈子
二人の間に長い沈黙が流れたが
それを切り裂くようにまたチャイムが鳴り響く
加奈子
加奈子
賢司
賢司の家
加奈子
賢司
賢司
加奈子
賢司
賢司
賢司
加奈子
加奈子
賢司
賢司
加奈子
加奈子
賢司
賢司
加奈子
加奈子
賢司
賢司
加奈子
加奈子
加奈子
賢司
加奈子
加奈子
賢司
賢司
そう言って賢司は加奈子を家に帰した
本当に家に侵入されてるとしたら 何故だか一刻も早く加奈子を家に帰したかった
その日の夜
賢司は家中の戸締りを確認し布団に入った
賢司
賢司
暫くして賢司は眠りへと落ちた
翌朝
玄関を出ると加奈子が立っていた
加奈子
賢司
加奈子
賢司
加奈子
学校へ行こうと歩み始めたとき
視界の片隅に何かが入り込んだ
賢司
賢司
加奈子
そこには昨日と同じように投函口から 少し飛び出た手紙があった
昨日とは違って、どこか気付いて欲しそうに手紙がこちらを覗いているようにも感じた
加奈子
賢司
賢司は恐る恐る手紙を開いた
親愛なる賢司さんへ
昨日はしっかりと戸締りをしていたようで安心しました
世の中物騒ですからね
でも夜食にインスタントラーメンは体に良くないですよ
もっと身体にお気をつけくださいね
一番の理解者より
加奈子
加奈子
賢司
加奈子
賢司
賢司
賢司
加奈子
加奈子
その日の学校は一瞬で終わっていった
授業なんて耳に入らなかったし 手紙の差出人がどうやって昨日のことを知ったのか
考えてみたがやはり分からなかった
放課後 帰り道
賢司
賢司
賢司
賢司
賢司
賢司
加奈子
賢司
後ろからいきなり声をかけられ 賢司は反射的に距離を取る
加奈子
賢司
加奈子
賢司
加奈子
加奈子
加奈子
そう。合鍵を持っていれば 戸締りなんか関係がない
しかし合鍵を持っているのは加奈子だけだ
だとしたら加奈子があのメッセージを…? 一体どうして…
加奈子
賢司
賢司
加奈子
加奈子
賢司
加奈子
賢司
賢司
加奈子
加奈子
賢司は加奈子から合鍵を受け取った
加奈子
加奈子
賢司
賢司
加奈子
加奈子の言葉を遮るように賢司はすぐさま走り出した
加奈子
賢司の家
賢司
賢司
賢司
賢司
賢司
そう言うと右手に持っていた紙袋から 防犯カメラを取り出した
帰ってくる途中、近くの家電量販店で購入してきたのだ
これを部屋に設置しておけば、誰が部屋に侵入したのか一目でわかる
賢司
靴を脱いで家へ上がろうとした時
ピンポーン ピンポーン
賢司
インターホンの無機質な音が 誰もいない家中に響き渡る
ピンポーン ピンポーン
賢司
賢司は息を潜めた
玄関の扉を挟んで向こう側に誰かがいるのがわかる
しばらくするとインターンは鳴り止み 玄関前の人の気配もなくなった
賢司
賢司
賢司
防犯カメラの取り付けなど当然やったことがなかったので手間取りはしたが
なんとか部屋の片隅に防犯カメラを設置することができた
思ったよりも防犯カメラが大きかったので タオルや服をかぶせてカモフラージュした
側(はた)から見ればタオルや衣類が無造作に置かれているだけに見えるだろう
賢司
ピコーン
メッセージの通知音が鳴った
賢司
加奈子
加奈子
加奈子
加奈子
加奈子
賢司
賢司
賢司は自分にそう言い聞かせた
次の日の朝
いつもは登校時間ギリギリに起きる賢司だが今日は早くに起きた
カメラの映像を確認するためだ
賢司
パソコンにつなげて防犯カメラの映像を確認する
そこにはカメラを設置する自分の姿から始まり、布団に入るところまでしっかりと録画されていた
寝始めてからはほとんど静止画みたいなもので、早送りで映像を確認した
すると、深夜2時ごろ 映像に変化があった
賢司
賢司
そこには徐(おもむろ)に上体を起こす 自分の姿が映っていた
賢司
賢司
はじめは寝ぼけているだけだと思った
しかしよく見ると、自分の両眼はしっかりと見開いていた。そして、
賢司
賢司
自分の視線が迷うことなく防犯カメラのレンズを向いた
それから勉強机に移動したかと思うと、 徐に何かを書き始めた
賢司
5分ほどすると、そこに映っている自分は椅子から立ち上がり部屋のドアへと歩いていった
賢司
賢司
賢司は映像を少し巻き戻した
椅子から立ち上がりドアの方へと向かう自分の手には
ポストに入れられていた手紙と全く同じ手紙が握られていた
賢司
賢司は映像を一時停止し、玄関へと走った
案の定ポストからはまた手紙が覗いていた
賢司は恐る恐る手紙を開く
賢司
賢司
親愛なる賢司へ
防犯カメラを買ったということは
この手紙を見る頃には私の正体にも気付いていることでしょう
生まれた時からずっと
私はあなたを見守ってきました
あなたの一番の理解者であり
あなたを一番愛する人
あなたを好きになる人は私だけで十分です
これからも死ぬまで
そばにいてあげますね
これからもずっと
もう一人の賢司より