そんな訳で昨晩は宣言通りめちゃくちゃ抱かれて寝不足。
股関節や腰がギシギシと悲鳴をあげている。
僕は腰を摩りながら待ち合わせ場所に向かった。
叶くんは街灯に凭れ掛かり、退屈そうにスマホを眺めている。
刀也
お待たせしました。
変な歩き方をする僕を見て叶くんは苦笑した。
叶
待ってないよ。…てか、マジでヤったんだ。
刀也
う、ぁ…はい…
昨晩のことを思い出して、カァッと顔を赤くするとクスクス笑った。
叶
すぐ赤くなるよね
刀也
気にしてるんで言わないでください…
叶
そか。取り敢えず行こっか。
叶くんは苦笑しながら僕を支えながら歩いてくれた。
歩いて数分の所に大きなデパートがあり、そこの5階へ向かった。
叶
葛葉って剣持さんと一緒にいる時どんな感じ?
刀也
どんな?
刀也
そうですね…
上を向いて過去のことを思い出してみた。
それから思わず苦笑した。
刀也
優しくて甘々で…性欲旺盛ですね。
叶
葛葉が甘々とか未だ信じられない。
叶
けど、性欲旺盛って葛葉っぽい。
刀也
そうですか?
刀也
僕初めて会った時おバカで楽しい人で、意外と純粋な人かと思ってました。
叶
えぇ、あれが純粋?ないない。
叶くんは、あはは!と楽しそうに笑って手を横に振って否定した。
刀也
でも付き合ってみたら付き合う前と全然違ってすごくカッコよくてドキドキします。
葛葉のことを思い出すと自然と頬が緩む。
それに気がついた叶くんはニヤリと笑った。
叶
剣持さんて結構色んなこと恥ずかしがるけど、こういうことはハッキリ言うんだね。
刀也
だって大好きだから。
叶
あーあ、僕も恋人欲しいな〜
その言葉に僕はニコリと微笑んだ。
刀也
叶さんには彼氏が沢山いるじゃないですか。
そう言うと、一瞬ポカンとした後、フッと吹き出した。
叶
いやいや、違うから。
刀也
でも彼女候補もいますよね?
クスクス笑いながら言うと、叶くんは苦笑した。
叶
確かにネットでは『俺がホンモノの彼氏だ!』とか『彼女になりたいです!』とか色々言われるけどホントに居ないからね?
刀也
ふーん?気になる人とか居ないんですか?
小さく首を傾げると、いたら剣持さんと一緒にいないから。と言われた。
エスカレーターで上にあがり、適当に目の前の服屋に入った。
刀也
デパートって広いんですね。
キョロキョロと辺りを見回しながら言うと、叶くんは少し目を丸くした。
叶
来たことないの?
刀也
はい。葛葉とは基本家でゴロゴロしてるし、デートもあまりしないので。
叶
えぇー、それでいいの?
刀也
はい。幸せですよ。
ニコリと微笑むと、ならいいんだけど…と呟いた。
叶
じゃああんまり来ない場所なら今日はいっぱい楽しもうか。
刀也
はい!…っあ、葛葉のプレゼントが先ですよ!
どんなものが見れるんだろうとワクワクしながら勢いよく言うと、叶さんはクスクス笑いながら、分かってるよ。と言った。
こんなに大きい店なら葛葉に沢山物を買ってあげられる!
と、一人意気込みながら目の前にある服を手に取った。







