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6月21日 木曜日 12時05分

式神秋斗はとある事情で 校舎裏に居た

何故、式神秋斗が ここに居るのかというと…

ピロリロリン♪

式神秋斗

お… きたきた!
ようやくアップデートが
終了したか…

オレは起動済みの携帯機器 ピィンのメニュー画面を開く

式神秋斗

おい?
いつまでそうしてる
つもりだよ?

あ、はいはい!只今…! そう画面を通して音声が聴こえる

宝箱から現れたのは ちんちくりんな物体だった

この物体はパンドラ君 パンドラカンパニーの マスコットキャラで パンドラ社が作り上げた 高性能AIを搭載した 自分で思考し保持者を助けてくれる お助けアプリである

このアプリはまだ世に出回っておらず 人前で起動出来ない為 人気のない場所で起動しているのだ。

何故オレが このアプリを所持しているのかって?

それはオレがこの新型アプリの テストプレイヤーだからである。

新型アプリの開発者である オレの姉ことクロコ姉さんに頼まれて 身近なサンプルとしこのアプリを任されたのである。

それにこのアプリはなかなか便利な反面 まだまだ試作段階の為か アップデートがやたら多い…。

しかし アップデートを重ねる度パンドラ君が 元気になるのは嬉しいことだ。

式神秋斗

よう久しぶり!

パンドラ君

お久しぶりです
お元気そうで残念です

式神秋斗

いきなり辛辣!!?

式神秋斗

それで?
不調ってのは
治ったのかな??

パンドラ君

それはもう!
お尻の具合が最高です
あなたの

式神秋斗

オレのおケツ様は
不調じゃないよ!
健康そのものだよ!!

パンドラ君

それよりアポロさん
私に何か御用が
あったのでは?

アポロというのは アプリ登録時のユーザー名だ 正確には【秘密紳士アポロネス】で 登録している。

式神秋斗

ああ…
ちょっと調べて欲しい
要件があってさ…

パンドラ君

任せてください
最新号の
イケイケグラビア年増な
お姉さん「笑」の内容
ですね!!

式神秋斗

いいね…!

式神秋斗

てっ!!違うよ!

パンドラ君

ハァ?
では…
なんだというのですか?

オレはこの学園… デュナミス学園で起きている 男子生徒の問題とやらと 【集会】とやらについて 調べるように指示した

パンドラ君

なるほど…
それはまためんど…
大変な厄介事に
関わろうとしてますね?

式神秋斗

今、面倒って言った?

パンドラ君

テヘペロ♪

式神秋斗

テヘペロ♪
(釣られてしている)

パンドラ君

でわでわ
ちょっと情報を
探って来ますね!

そう言うと箱に籠る パンドラ君… 大丈夫だろうか?

式神秋斗

まぁ…
時間もかかるだろうし
戻るか…

オレはパンドラ君が戻るまで 昼飯を食べる事にした

式神秋斗

もう時間ないよ!
ギリギリだよやっほい!

1人ツッコミにキレが 増した気がした

幻想物理先生「えー、では… 以前やった多重次元閉鎖空間 つまりパラレルワールドについて…

式神秋斗

(パラレルワールド…
こことは違う可能性が
あったかも知れない
世界…)

式神秋斗

(もしも?
もしかしたら?
そういった世界の
非現実の夢物語…)

式神秋斗

(だが、ピィンのモデルに
なったとされる未知の
電子通信機器が日本の
廃墟地で発見され…)

式神秋斗

(それ以来 技術革命が
世界規模で起きる)

式神秋斗

(その先陣を行くのが
兄貴やクロコ姉さんが
勤めている大手の会社…
パンドラカンパニーだ)

幻想物理先生「そしてその 未知の技術で作られた電子通信機器を参考にして立てられた 最先端の技術を取り入れた学舎が ここデュナミス学園であります。

携帯補助電子機器ピィンのサポートを 上手く生かし 運動 勉学 特技性を 何処よりも伸ばす事が 目的とされているのです。

皆さん そろそろピィンを開き 幻想思念の化学リズムのテストの 答えを書き込んで そのデータを提出してください。

式神秋斗はピィンの サポートシステムを使い答えを 導き出す

式神秋斗

(幻想思念は人々の
無意識に発せられる
願い 想い 悪意…
そういった心の
プラスにも
マイナスにもなる
大いなるエネルギー…)

ふと隣を見ると 椎名さんが阿保の顔を していた…

椎名凛

にゅ〜…

勉学出来そうな顔なのに まさか出来ないとか? いやいや…まさかね… たまたまだろう。

ピロリロリン♪

おや? パラパラに新着チャットが来ているな

パラパラとはSNSで 近しい誰かと遠くの誰かと 文字で会話出来る ピィンならではの 便利機能の1つである 尚… 友人内や家族内だけでも使用出来る

少しだけ覗いてみるか…

猫缶好きの猫ちゃん

も〜う!
幻想思念とか
意味わかんないん
だけど…!!

可愛いだけじゃ物足りないヒパムー

それなー
あっしもまったく
解らんわ…

君のハートにズキュン

ちゃんと勉強
しないからだぞ〜?

アポロ

まぁ確かに
普通より難しいよね

猫缶好きの猫ちゃん

そうなの…
こんなの勉強しても
解んないって!

愛しの林檎ちゃん

授業サボって
良かったじぇ…

猫缶好きの猫ちゃん

よくな〜い!!

愛しの林檎ちゃん

ふぇぇぇ〜!!

アポロ

単位もあるし
なるべく出ないと
進級に関わるな

愛しの林檎ちゃん

明日から本気出す

イケイケボーズのナメンナ君

ソレ絶対
信用ならない台詞だ

サムライマン

だな
まぁ…確かに
単位も大事だわな

キラキラキラリン

勉学…苦手…

可愛いだけじゃ物足りないヒパムー

あっしも…

愛しの林檎ちゃん

林檎食いてぇ…

アポロ

ははは…

白猫大和の宅配便

そっちは楽しそうだなぁ…

アポロ

そうか?

白猫大和の宅配便

うん
こっちの授業は
古文のジィちゃんが
何言ってるか解んない
から眠くなるよ

キラキラキラリン

ソレは…
私なら帰るレベルだ

サムライマン

滑舌悪い教師は
キツいよな
聴く側は特に

猫缶好きの猫ちゃん

同感

可愛いだけじゃ物足りないヒパムー

ソレな

君のハートにズキュン

ほらほら!
あと少しで放課後だから
もうちょい頑張ろ?

猫缶好きの猫ちゃん

うん〜

愛しの林檎ちゃん

ガンバレ

キラキラキラリン

……ハァ

アポロ

露骨に嫌そう!!?

放課後

パンドラ君

つまりですね
男子生徒達が集まって
行われている集会と
いうのが

パンドラ君

ズバリ!
[拳闘集会]という
イベントのようです

式神秋斗

イベント…?
だけどウチのクラスの
男子らはそんなに
楽しそうでは
なかったと思うが…

パンドラ君

そこがこのイベントの
闇の部分ですね

式神秋斗

いきなり穏やかじゃ
ないな…

パンドラ君

はい!
ソレがこのイベントの
恐ろしいところですね

パンドラ君

拳闘集会の存在を
明かす事は
男子生徒の間で
最大のタブーとされて
いるようですね

式神秋斗

タブーって…
明かすと
一体どうなるんだ?

パンドラ君

集団リンチでミンチです!

式神秋斗

何ソレ怖…

パンドラ君

アポロさんが転校して来る
ちょっと前に
拳闘集会に偶然居合わせた
女子生徒が争いを
止めようとして軽い怪我を
負ったとかいないとか?

式神秋斗

どっちだよ!?
まぁでも…
本当に穏やかじゃねぇな

式神秋斗

(林檎君や近藤君も
このイベントに関わりが
ある様子だったし…)

式神秋斗

(止めようとして
止められる規模でも
なさそうだな…)

式神秋斗

なぁパンドラ君…
この事は先生方には
伝わっていたりするのか?

パンドラ君

そうでもないようですね
もし伝わっているのなら
刑事沙汰になっても
おかしくないかと

パンドラ君

きっと何かの
陰謀が蠢いているのかも
知れませんネ!

式神秋斗

まさかの陰謀論!?

パンドラ君

アポロさん
この件に関わるのなら
覚悟はしてくださいね?

式神秋斗

覚悟か…

パンドラ君

はい
この一件は大変複雑…
まだ完全に
調べ終わっては
おりませんが…

パンドラ君

下手をすると
男子学生を全員
敵にまわす事に
なりますネ!

パンドラ君はどこか嬉しそうに語る 忠告して…くれているよりは 楽しんでるようだ…

しかし パンドラ君が言うように 下手に関わるとろくな事に ならなさそうである…

兄貴やクロコ姉さんには 「迷惑をかけてなんぼ」なんて 言われたけれど… それでも迷惑の範疇というものがある  それに転校したてで 問題行動は論外だろう…

だが

式神秋斗

パンドラ君…
拳闘集会の首謀者は
誰か…探ってみて
くれないか?

パンドラ君

はい お任せあれです!

パンドラ君

パコン!

パンドラ君は箱へ戻り ネットサーバーの海へと旅立った

式神秋斗

………

あれ?式神じゃん!

式神秋斗

ん?

声のする方へと振り向く

桃井春菜

おやまぁ
ま〜だ
帰ってなかったんだねぇ

式神秋斗

桃井さんこそ
まだ帰らないの?

桃井春菜

あっし?
あっしは部活だからねぇ

式神秋斗

そうなんだ
どんな部活やってるのか
聞いても?

桃井春菜

園芸部だけど
興味あるのかな??

式神秋斗

いやまったく!

桃井春菜

まぁ 男子はやっぱり
動く方が好きだもんね?

式神秋斗

いや人それぞれだと
思うぞ…
オレのは部活する暇が
ないってだけだしさて…

桃井春菜

そっかそっか
んじゃあっしはそろそろ
部室へ行かねばならぬ故
またなのだ式神!

式神秋斗

ああ
またね桃井さん

彼女は会話を終えると手を振って その場を小走りで去る

式神秋斗

さて…と
オレも帰るかねぇ…

6:12 時間を確認する式神秋斗 バスの時間を過ぎてしまっていた…

式神秋斗

マジか…

どうやって帰ろうか… 歩いてでも帰れるが 1時間ほどかかるな… ハァ…とため息混じりの息を吐く

疾風字颯

……

近藤十四

……

力自慢の三年の男子生徒

……

ふと視界に映る複数人の男子生徒達 そこの集団には クラスメイトの姿が見えた

式神秋斗

林檎君と近藤君…?

いや… 居るのは男子生徒だけじゃない!? アレは…

柊凪朱華

……!!!

そこに居たのは柊凪朱華だった 上級生に何やら 怒っている様子だが?

いかんせん距離があって 会話が聴こえない… とりあえず近づいてみるか

疾風字颯

………!

近藤十四

……加減にしろ!

声が少し聴こえてきた だがうまく聴き取れない もう少し近づくか

…………

………

オレは近くの茂みに身を隠し 様子を見る事にした… 何故か嫌な予感がするのだ

そこには普段を詳しくないとはいえ 明らかに雰囲気が違う2人が居た 殺気だっているような…?

柊凪朱華

もう彼等を
巻き込まないで
ください!!!

疾風字颯

だから…
そういうんじゃ
ないんだって!

近藤十四

もういいだろ?
お前は帰れ!
ヒイナギ!!

柊凪朱華

2人は黙ってて!!

力自慢の三年の男子生徒

ハァ…
鬱陶しいな…

三年の男子生徒が柊凪朱華に近づくと 彼女の胸ぐらを掴み

近藤十四

おい
アンタ…
その手を…

疾風字颯

……
(身構える)

バシッ!!

柊凪朱華

………ッ!!?

式神秋斗

(アスカさん!!?)

近藤十四

……ッ!!?

疾風字颯

アスカ……!!?

殴った…!!? 女子の顔を…!!?

その光景を目の当たりにした 式神秋斗の脳裏は熱く熱していた 怒り?嫌悪?殺意? そういった負の感情が一気に 押し寄せてくる…

力自慢の三年の男子生徒

ほら コレで邪魔な女は
黙らせてやったんだ。

疾風字颯

………

上級生に飛びかかろうとするハヤテを 近藤十四は首根っこを押さえて 黙らせる

近藤十四

ああ…
んじゃ…行くべ

疾風字颯

トシッ!?

近藤十四

いいから…
お前は黙っていろ。

気に入らない

ああ… 気に入らないとも 何がって? テメーらを心配してくれた友人が 殴られたっていうのに 上級生に歯向かう訳でもなく その場を去ろうとする クラスメイトにだ!!

気づいた時には体が動いていた

式神秋斗

テメェら!!!
何やってやがるッ!!!

近藤十四

転校生?

疾風字颯

式神…?

力自慢の三年の男子生徒

んだよ?
ウッセーな…?

喧嘩越しの二年の男子生徒

アレって
一年坊主の転校生って
奴じゃねぇんですか?

伊藤阿知羅

おい疾風字
おまえんとこの
クラスメイトだろ?

伊藤阿知羅

おまえらでケジメ…
つけとけよ?

喧嘩越しの二年の男子生徒

だなぁ…
やり方は…解るだろ?
くくく…

疾風字颯

……テメェ

近藤十四

よせハヤテ…
なぁ先輩らよ
ここは俺にやらせて
くんねぇかな?

伊藤阿知羅

あ?
アチキは疾風字に
やれって言ってんだけど

近藤十四

コイツじゃ詰めが
甘いからな
俺のがよっぽろ適任だと
思うが?

伊藤阿知羅

聞いてんのかハゲ!?

近藤十四

ああ!?
ハゲは貴様だろうが!!?

力自慢の三年の男子生徒

よせよせ

伊藤阿知羅

先輩?

力自慢の三年の男子生徒

いいぜ近藤?
ただし…
ヘマしたら上には
上がれねぇからな?

近藤十四

ヘマなんざしねぇよ
先輩らは先…
行ってくださいな

力自慢の三年の男子生徒

ああ
オラ!行くぞテメェら!

男子生徒達が何やら話している間に 式神秋斗は柊凪朱華の側へと 駆け寄り安否を確認していた

柊凪朱華

………

式神秋斗

気絶しているだけか…
だけど速く保健室へ
連れていかないと…

気がつけば あれだけ居た男子生徒の姿が見えない どうやら集会とやらに 向かったのだろうか…

1人を除いて

式神秋斗

近藤君…
なんでさっき
止めなかったんだ?

式神秋斗

アスカさんが
こうなる前に
止められたんじゃ
ないのかよ!?

近藤十四

かもな…

近藤十四

だけどよ転校生…
コレは俺らの問題なんだわ
おまえは引っ込んでて
くんねぇかな?

式神秋斗

なに?

近藤十四

そうすりゃあ
今回だけは見逃して
やったっていいんだぜ?

つまり 今後この件について関わるな そういう意味なのだろう

しかし気に入らないな… 友人を クラスメイトを 女性を 傷つけた連中の肩を持つコイツが

オレは心底腹が立った…

式神秋斗

御託はいい

近藤十四

なに…?

式神秋斗

歯をくいしばれよ近藤!
今からテメェを…
ぶん殴るッ!!!

近藤十四

はッ!!!
いいぜ!
そうこなくっちゃな!!
転校生ッ!!!

バキィ!!

ゴッ!!

夕凪が沈む中 誰もいない校舎の前で 拳を交差させる2人…

正しいのは何か? 間違いとは何なのか…?

拳と拳は空を斬り 答えを探す

相手を傷つけるという 古典的で際も多い方法で

式神秋斗

だりゃぁぁッ!!!

ドガッ!!

近藤十四

やるじゃねぇか転校生!
テメェ!
鍛えてやがるな!?

式神秋斗の強打が炸裂する しかし 近藤十四の筋力がその打撃を上回る

式神秋斗

よく言うぜ…
ここまでオレの拳を
浴びて平然としている
癖によ…

近藤十四

ハッ!
鍛えてるのは
おまえだけじゃ
なかったってだけよ!!

近藤十四は華麗なステップを踏む その動きは格闘技の様な… ボクシング選手の様な動きだ

式神秋斗

(来る!!!)

近藤十四の繰り出す拳は 鋭くそして重い一撃を 瞬時に3連発を繰り放つ!

ダンッダダンッ!!

式神秋斗は左手で一撃を目を払い 二撃目を右腕でガードした

だが ソレがいけなかった… ガードした腕ごと 内臓に響く程の強烈な一撃 数秒呼吸を忘れる

式神秋斗

クハッ!!?

三撃目が式神秋斗の顔面を穿つ

バキィ!

式神秋斗

…ガハッ!?

近藤十四

どうだ?
痛ぇだろ?
俺の拳はボクシング部にも
負けねぇんだぜ?

後ろへと大きくよろめく秋斗 しかし 倒れる事はなかった

式神秋斗

効かないねぇ…
そんな拳じゃ
オレは倒せないぜ?

近藤十四

野郎…
手加減して
やってるってのが
まだ解らねぇのか!?

式神秋斗

うるせぇ!
手加減する暇があるなら
おまえの全てをオレに
ぶつけて来い!!!

ソレは強がりだった 虚勢を張る事で オレはまだ余裕だ!という 嘘をついたのだ

いくら鍛えていたとはいえ ボクシング選手並の拳を モロに受けたのだ… 本当は呼吸するのだって そうとうキツい…

しかし その思いとは裏腹に 近藤十四は全力で向かって 来ようとしている

近藤十四

そうかよ
だったら…
後悔すんじゃねぇぞ!?

近藤十四はさっきと同じ ステップを華麗に踏む

式神秋斗は間髪入れづに ステップを踏む近藤十四に向かい 突進する

近藤十四

バカがッ!!!

ゴッ!!!!

近藤十四の強打が 式神秋斗の頭部へ炸裂する

式神秋斗

………ッ!!!

ブンッ!!!

次の瞬間 近藤十四の耳に風切り音が響く

ドサッ

膝をついて倒れる姿があった

近藤十四

………?

近藤十四

な…んだ?

頬に強い痛みが走る 痛みを堪えながら 式神秋斗へと身構える近藤十四

近藤十四

マジで強いな転校生…

式神秋斗

………

近藤十四

黙りとは寂しいじゃ…
ねぇかよッ!!!

ダッ!!

言葉が終わるのと同時に 式神秋斗に向かい突進する近藤十四

秋斗は相手に合わせて同じく突進する

2人の拳が空を斬り交差する 幾度もぶつかり合う拳 皮膚は腫れ上がり 血が滲む

ドガッ!バキィ!!

しかし2人の闘いは終わらない コレは意地と意地の闘いなのだ

近藤十四

なんでテメェはそこまで
邪魔をする!?
転校生!!!!

式神秋斗

おまえこそ
なんで辞めようとしない!
アスカさんがどんな想いで
殴られたのか…
解らないのか!?

言葉と同時に拳が混ざり合う

ゴォッ!!

近藤十四

んなこと…
テメェにゃ
関係ねぇだろうが!!!

式神秋斗

関係あるか無いかじぁ
ねぇんだよ!!!
馬鹿野郎!!

式神秋斗

今ここで
この状況から眼を背けたら
おまえは胸を張って
彼女に挨拶出来るのか!?

近藤十四

ッ!!?

式神秋斗

少なくともおまえは
護りたかったんだろ?
アスカさんを…

式神秋斗

ハヤテ君だってそうだ
好き好んで奴等と居る
訳じゃないんだろ?

近藤十四

…………

式神秋斗

どういう事情かは
オレには解らない…
だけどな…
コレじゃ駄目だ!

式神秋斗

女の子が殴られる
状況が正しいなんて
絶対駄目だ…

式神秋斗

間違っているって
解っているからこそ…
おまえはここに
残ったんだろ?

近藤十四

知った事を
言うなよ転校生…
解っててもやらなきゃ
いけない事があるんだ…

式神秋斗

ソレを彼女の前で
言えるのか?

近藤十四

ヒイナギは…
コイツはな…
優しい奴なんだ…

近藤十四

いっつも誰かの事を
気にかけてて
正義感故か
上級生にだって怯まずに
説教をしてのける…

その光景をオレはさっき目撃したな…

近藤十四

ヒイナギが奴らのせいで
怪我をしたのは今回ので
二度目なんだよ…

式神秋斗

………!?

近藤十四

隣のクラスの奴でな…
ソイツが集会に関わる
ようになってすっかり
変わっちまった…

近藤十四

ソレを聞いたヒイナギが
さっきと同じ様に
上級生にさ…
立ち向かったんだとよ…

近藤十四

その結果が
全治2週間の怪我だぜ?
たかが他人の為に
身体張るなんざ
馬鹿げてやがる!

パンドラ君は言っていた 女子生徒というのが アスカさんだったのか…

式神秋斗

だからって…
今度はおまえらが
彼女を傷つける側に
なるつもりかよ?

近藤十四の拳に力が込められる

近藤十四

……
おまえには…

近藤十四

おまえには俺らの
決意は理解出来ねぇよ!

近藤十四は式神秋斗へと向かい 拳を振りかざす!

式神秋斗

女を泣かせる
馬鹿野郎の決意なんざ
解りたくもねぇよッ!!

重く鋭い一撃同士が 互いの顔面に直撃する

ドガッ!!

……………

………

あれから… どれくらいの時間が 経ったのだろうか…?

最期の一撃を貰ってから記憶がない

ポタ…ポタ…

式神秋斗頬に冷たい何かが落ちてくる

柊凪朱華

う…うう…グズ…

式神秋斗

ん…く…

身体中が痛い アザがヒリヒリと染みる

眼を開け 目の前には柊凪朱華の顔があった

式神秋斗

えっと…
アスカさん…?

柊凪朱華

バカ…
バカだよ…君は…

まさか男の子の夢である 女の子の膝枕が現実に…

そうか… オレは負けたのか…

柊凪朱華

酷いアザ…
大丈夫?

式神秋斗

ん…
ちょっと痛いけど
大丈夫だよ

柊凪朱華

みんなバカだよ…
喧嘩ばかりして…
なんでもっと
仲良く出来ないの…?

式神秋斗

だなぁ…

式神秋斗

……

式神秋斗

こうしてるってことは
オレ…負けたのかな?

柊凪朱華

アキト君…

近藤十四

んや
おまえの勝ちだぜアキト

頭上から声がする ゴツゴツした膝枕から空に聳える 顔を見てギョッとした

近藤十四

おう!
ようやく目覚めたな!
俺様特性の膝枕はどうよ?

ンギャァァァ!!!

変な声を上げてその場を飛び起き そして数本の所まで距離を取る

式神秋斗

なッなんでおまえが
膝枕してんのさ!?
男のロマンを純情を
返せヨォー!!!

柊凪朱華

………

式神秋斗

そんな顔で見ないで!?

近藤十四

そんなに嫌がるなよ?
悲しくなるぜ?

式神秋斗

勝手になってろよぉう!

柊凪朱華

ふふ…
元気そうで良かった…

式神秋斗

アスカさん…

式神秋斗

ごめん…
オレがもっと速くに
動いていれば君に
こんな怪我をさせずに
済んだのに…

柊凪朱華

ん〜ん…
コレは自業自得みたいな
ものだし気にしないで?

近藤十四

そうだぜアキト?
あんま気にするな…

柊凪朱華

おまえは気にしろ
トウヘンボク!

近藤十四

辛辣!?

式神秋斗

ははは…

ピロリロリン♪

式神秋斗は ポケットからピィンを取り出した

パンドラ君

アポロさん
お待たせしました

式神秋斗

…!!

柊凪朱華

え…
何ソレ?

近藤十四

ピィンに潜む
都市伝説の化け物か!?

パンドラ君

コラー!そこのゴリラ!
私を化け物と言う
ゴリラは君かー!?
私は紳士!秘密紳士
パンドラ君だぞー!

近藤十四

ゴリラゴリラ
喧しいわ!!

柊凪朱華

でも…本当だ…
この子
パンドラカンパニーの
ロゴのパンドラ君だ

パンドラ君

パンドラの箱は
希望の箱さ♪
ハッピー♪嬉ピィ♪
ハッピーライフ♪♪

パンドラ君

あなたの心に真心を!
あなたの家族に幸せを♪
幸福&希望の提供機関
パンドラカンパニー!

パンドラ君

いつでもどこでも
あなたのお越しを
お待ちしております♪

柊凪朱華

わぁ!!(パチパチ)

近藤十四

CMで流れるヤツじゃん!

式神秋斗

パンドラ君…

パンドラ君

おっと失礼…

パンドラ君

アポロさん
拳闘集会の首謀者が
解りました。

近藤十四

!!!!

式神秋斗

聞かせてくれ

パンドラ君

首謀者は…

…………

………

喧嘩越しの二年の男子生徒

ヒャハハ!!
オラァもっとやれー!

男子生徒は輪を作り2人を 取り囲んでいる

男子生徒がもう1人の男子生徒を メリケンサックを付けた拳で 強く殴りつける 殴られた男子生徒も負けずと 鉄パイプで応戦する

辺りは2人の飛び散る血で 赤く汚れていた

喧嘩越しの二年の男子生徒

ほらほらッ!
一年のクソガキ!
おまえに賭けてんだから
もっと腰を入れろや!

力自慢の三年の男子生徒

今年の一年は
あまり歯応えがないな

力自慢の三年の男子生徒

やはり近藤十四が異例の
強さだったようだな

疾風字颯

ねぇ先輩♪

力自慢の三年の男子生徒

あ?
なんだ一年坊主?

疾風字颯

テメェら全員死んどけや?

つづけ!

ANUB iS 学園と青春と黒髪の少年

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