一覧ページ

LINE1261

第1話 - あ

2023年10月24日

#恋愛

結城　真矢

ミユウ

ニコルさんお疲れ〜

ミユウ

これから私、彼氏とデートしてくるんだ〜

ミユウ

残業任せちゃってごめんねぇ？

ミユウ

でもニコルさんは彼氏居ないし特に用事もないでしょ〜？

ミユウ

だから頼みやすくてお願いしちゃったw

ミユウ

ニコルさんにお願いした資料作成だけど、

ミユウ

社長も確認するって言ってたから手抜かないでよ〜？

ミユウ

完成したら私の名前で提出する予定だからそのつもりでよろしく〜w

ニコル

ミユウさんお疲れ様です。

ニコル

特に用事もなかったので今回は引き受けたんですけど、

ニコル

私だって用事がある日もありますし、毎回残業出来るわけじゃないですからね…

ニコル

それに私が作成するのにミユウさんの名前で提出するというのはちょっと…

ニコル

上層部が知ったらきっと怒られるでしょうし、

ニコル

そういうことはやめませんか…？

ミユウ

はぁ？w

ミユウ

ニコルさんって自分の意見言える人だったんだ〜w

ミユウ

いっつも誰かの意見にはいはい従ってたから

ミユウ

何も言わないと思ってたのにだる〜w

ミユウ

さっきも言ったけど、ニコルさんは彼氏居ないんだから

ミユウ

別に遅くまで残業したって平気でしょ?

ミユウ

だからニコルさんに頼んだんだってば！

ミユウ

プライベートが充実していないくせに一丁前なこと言わないでくれる〜？

ミユウ

あと！資料作成のことだけど！

ミユウ

別にニコルさんが黙ってれば誰も気付かないって！

ミユウ

上の人だってそんなとこまで見てられるほど暇じゃないしw

ミユウ

そんなこと言ってる暇あるならまず手を動かす！

ミユウ

今日中に完成させてくれなきゃ困るんだって〜w

ミユウ

明日の朝イチで使う資料なんだからさw

ニコル

プライベートが充実していないだなんてそんな言い方…

ニコル

私だって意見がある時はちゃんと言ってるつもりですよ…

ニコル

しかもうちの会社は残業禁止なのに、終業間際に仕事を渡されて、

ニコル

明日の朝イチまでに完成させてだなんて困りますよ…

ニコル

上層部の方達は忙しくても部下の仕事量のことは気にかけてくれますよね?

ニコル

普段から様子を見ているということだと思うんですけど…

ニコル

こんなことバレたら私責任取れないですよ…

ニコル

ひとまず今回は引き受けますけど、次からは出来ないですからね？

ミユウ

あのさ〜黙って聞いてればあんたちょっと調子に乗ってない?

ミユウ

同僚とは言えど、私はあんたより1個歳上なんだよ？

ミユウ

しかも、社内に素敵な彼氏もいてプライベートも充実してて、

ミユウ

最高で完璧な人生を送ってきているわけなのよ！

ミユウ

そんな私の人生に水を差すつもりなの?

ミユウ

あんたが残業して怒られようが、他人の仕事をやって注意されようが、

ミユウ

私には全く関係ないことなわけよ？

ミユウ

それをなに？

ミユウ

ハッキリ言わないでぐちぐち言ってきて、めっちゃイライラすんだけど！

ミユウ

あんた知らないようだけど、私の彼氏って課長だからね？

ミユウ

あんたの評価なんて彼氏に言えば下げてもらえんのよw

ミユウ

これ以上私に楯突くのはやめた方が良いよw

ミユウ

とにかく資料は明日の朝イチまでに私の名前で作成すること！

ミユウ

黙って従わないと痛い目に遭うからね〜w

ニコル

そんな…

ニコル

分かりましたよ…

ニコル

朝イチまでに完成させますが、念のため資料の確認はしますか？

ミユウ

そのために早く出勤するのめんどくさいから確認しな〜いw

ミユウ

私が確認しないからって資料の質は落とすんじゃないわよ！

ミユウ

恥をかくの私なんだから！

ミユウ

くだらないラインしてたらもうこんな時間じゃん！

ミユウ

課長を待たせてんのよ！じゃあね！

ニコル

分かりました。お疲れ様です。

〜退勤後〜

ニコル

ユラノさんお疲れ様です。

ニコル

先程は一緒に残業して頂いて本当にすみませんでした。

ニコル

私の苦手な分野だったのでユラノさんが居てくださって助かりました。

ニコル

今度何かお礼させていただけませんか？

ユラノ

ニコルさんお疲れ様！

ユラノ

私もちょうどやっときたい仕事あったから気にしないで！

ユラノ

お礼だなんてそんな気遣わなくて大丈夫だよ？

ユラノ

困った時はお互い様だしさ！

ユラノ

それにしてもミユウさん腹立つよね！！

ユラノ

ニコルさんに資料作成頼んでおいて自分の名前で提出してとか！

ユラノ

ニコルさんよく怒らないで引き受けたね！？

ニコル

ありがとうございます。

ニコル

一応その場で「残業は出来ないですよとは言ったんですけどね…」

ニコル

私の言葉は一切聞く耳を持たずという感じで去ってしまって…

ニコル

その後のラインで衝撃なことを言われたので共有しても良いですか…？

ユラノ

そうだったんだね…

ユラノ

うん！何でも聞くよ！どうした？

ニコル

実は…ミユウさん課長とお付き合いしているらしいんです。

ニコル

課長に言えばいつでも私の評価を下げることができると…

ニコル

だから私に楯突くのはやめた方が良いよと言われてしまいました。

ニコル

うちの会社は社内恋愛禁止なことは知っていると思うのですが、

ニコル

課長もグルになっているとなるとどこに相談して良いのかと思ってしまって…

ユラノ

課長とミユウさんが付き合ってるってマジ！？

ユラノ

それにしてもよく社内で彼氏自慢出来てたね…

ユラノ

しかもそんな酷いこと言われたの！？

ユラノ

課長とミユウさんが付き合ってるのももちろん驚いたけど、

ユラノ

いくらなんでも公私混同し過ぎじゃない！？

ユラノ

ニコルさんが入社する前にもこういうことあったんだよね。

ユラノ

社内恋愛禁止のルールが出来たきっかけは2人とも知ってるはずなのに、

ユラノ

それと同じようなことを繰り返そうとしてるだなんて！

ユラノ

きっと私のこと信頼して、このことを話してくれたんだよね。

ユラノ

私はニコルさんの味方だから安心してね。

ニコル

そうなんです…

ニコル

1人では抱えきれなくて、ユラノさんにしか頼れなかったんです。

ニコル

本当に何から何まですみません。

ニコル

このことを上層部に相談するべきか、すごく迷っているんです。

ニコル

ユラノさんならこんな時どうしますか?

ユラノ

いえいえ！私は全然大丈夫だから気にしないでね！

ユラノ

んー、特にミユウさんにはお灸を据えたいよね…

ユラノ

まず！資料作成はニコルさんがやったってことにして良いと思う！

ユラノ

きっとミユウさんのことだから完成したものも確認しないんでしょ？

ユラノ

あと社内恋愛の件は…私と一緒に上層部に伝えに行こう！

ユラノ

1人だと不安じゃん？

ユラノ

私からも部署内でのミユウさんの様子とか伝えたいし！

ユラノ

2人から相談されたら上層部も動かざるを得ないと思うんだよね。

ニコル

ユラノさんの言う通り、資料の確認はしないそうです。

ニコル

一緒に行ってくださるんですか！？

ニコル

ユラノさんが一緒に来てくださるなら本当に心強いです。

ニコル

ぜひよろしくお願いします！

ユラノ

こちらこそよろしくお願いします！

ユラノ

今日は遅くまで残業してたし、ゆっくり休んでね！

ユラノ

また明日から頑張ろ♪

ニコル

はい！よろしくお願いします！

〜1週間後〜

ミユウ

ちょっと！ニコルさん！

ミユウ

これ一体どういう状況なのよ！？

ミユウ

何でこの前作った資料があんたのものになってるわけ！？

ミユウ

社長がうちの部署まで来てあんたのこと褒め称えてたのよ！！

ミユウ

「全員ニコルさんを見習うようにって言われたんだけど、」

ミユウ

あの資料は私が作ったことにしなさいって言ったよね！？

ミユウ

早速私の言ったことに逆らってどういうつもりなの！？

ミユウ

課長に言ってあんたの評価落としてもらうから覚悟しときな！

ニコル

お疲れ様です。

ニコル

私はお手洗いに行ってて席を外していたのですが、

ニコル

先程社長にお会いして、直接お褒めの言葉を頂きましたよ。

ニコル

資料は私が作成したものですから、私の名前で提出しても問題ないですよね?

ニコル

残業をしてしまったことも社長に伝えましたし、

ニコル

私は会社員として正当なことをしたまでだと思っています。

ニコル

課長からの評価が下がってしまっても仕方がありません。

ニコル

私には自分の意思がありますからそれを表に出したまでです。

ニコル

それにミユウさんのことは既に社長に色々と相談済みですので。

ミユウ

へ…？

ミユウ

私のこと…？

ミユウ

何を相談したっていうのよ…

ミユウ

私は何もしていないじゃないの！

ニコル

今回の資料作成は本来ミユウさんの仕事だったこと、

ニコル

プライベートが充実していないだのと言い、残業を強要されたこと、

ニコル

社内恋愛禁止にも関わらず、課長と交際をしていること、

ニコル

課長との交際を良いことに評価を下げると脅したこと、

ニコル

これのどこが何もしていないのでしょうか？

ニコル

私が何も言わないだろうと判断してターゲットにしたようですが、

ニコル

以前、意見がある時はハッキリ言いますとお話ししましたよね？

ニコル

他の社員さんもミユウさんの業務態度に疑問を感じていたようで

ニコル

一緒に相談に行ってくださったんです。

ニコル

ミユウさんはこれから上層部の方と面談になると思いますよ。

ミユウ

へ！？

ミユウ

課長とのことまで全部言っちゃったの！？

ミユウ

課長から社内の人には内緒にしてろって言われてたのに…！

ミユウ

これじゃ私が怒られちゃうじゃん！

ミユウ

あんたのせいで別れるとかなったらどうするのよ！？

ミユウ

それに課長は今回のことに一切関係ないはずでしょ！？

ミユウ

何で余計なことまで口走ってんのよ！！

ニコル

課長とミユウさんのことは私達には関係ないことですが、

ニコル

これまで散々社内の人に彼氏がどうのこうのと自慢して、

ニコル

まるで社内の人間であるかのような匂わせまでしていたのに、

ニコル

それを全て人のせいにするのはどうなんでしょう?

ニコル

実際、ほとんどの社員が課長とミユウさんが交際してること知ってましたよ?

ニコル

課長に言って評価を下げると脅して来た証拠もありますし、

ニコル

第一、社内恋愛が禁止なことご存知ですよね？

ニコル

その理由は今回初めて聞きましたが、

ニコル

ミユウさんが既婚の男性社員に手を出して、奥さんが乗り込んできたからだと

ニコル

昔からいる社員に伺いましたよ。

ニコル

二度目はないと社長に言われていたんですよね?

ミユウ

いや…そんなことはないけれど…

ミユウ

上層部の人に内緒にしとけば大丈夫だと思っていたんだもの！

ミユウ

今回は既婚者じゃないし、奥さんが乗り込んできたわけでもないし…

ミユウ

大した問題じゃないでしょ！？

ニコル

この期に及んで反省の色もないようですね。

ニコル

あ、社長からお呼び出しのようですよ？

ニコル

どうなるかは分かりませんが、結果が楽しみですね。

ニコル

それでは私は仕事に戻りますので。

ニコル

お疲れ様でした。

〜後日談〜

ニコル

こうして私は勇気を振り絞って、ミユウさんに全てを告げました。

ニコル

ミユウさんは上層部との面談で必死に自分のせいではないと訴えたそうですが、

ニコル

反論も虚しく、コンプラ違反と判断され解雇を言い渡されました。

ニコル

面談が終わった後、ミユウさん私を睨みつけて掴みかかってきました。

ニコル

それをすかさず止めてくれたのはユラノさんでした。

ニコル

一部始終を他の社員にも見られ、しっかりやばい人認定されたミユウさんは

ニコル

誰にも見送られることなく会社を退社していきました。

ニコル

噂周りの早い業界ということもあり、同業他社には雇用されることはなく、

ニコル

現在は実家に引きこもり、無職だと風の噂で聞きました。

ニコル

私はというと、ミユウさんのおかげで私の仕事ぶりが認められ、

ニコル

さらにはユラノさんからの後押しもあり、本社への異動が決まりました。

ニコル

物事をハッキリいうことの大切さを教えてくださり、

ニコル

残業に付き合ってくれたり、一緒に相談に行ってくれたり、

ニコル

ユラノさんには本当に感謝の気持ちしかありません。

ニコル

私も本社でユラノさんのような素敵な社員になりたいと思います！

この作品はいかがでしたか？

0件

👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう！

結城　真矢

プロフィール

電車の中でも寝る前のベッドの中でもサクサク快適に。
もっと読みたい！がどんどんみつかる。
「読んで」「書いて」毎日が楽しくなる小説アプリをダウンロードしよう。

LINE1261

第1話 - あ

作者の他の作品すべて見る

#恋愛の新着小説
一覧

関連するタグ

LINE1261

第1話 - あ

作者の他の作品すべて見る

#恋愛の新着小説一覧

関連するタグ

#恋愛の新着小説
一覧