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更新ありがとうございます。両名の気持ちがとても心に染みましたし、心情描写から妄想余裕でした!次回も気長にお待ちしております。
ヤバい…好き!会話文少なめにするとか神やん 天才やん…最高……! 師弟組…優しい(?) 遅れても大丈夫だから頑張ってね(?) 凄い楽しみ〜!
スマイルが入院してから数ヶ月が過ぎた
彼との待ち合わせ場所へ向かうべく 徐に廊下を歩く
Nakamu
あの後スマイルは全身骨折だけあって 長期間の療養を強いられる事となった
だが無事療養期間が終了し 念願の退院の日がやって来た
記憶喪失は治ってないけど、、、
担当医の先生が 友達や身近な人の話を聞けば記憶が戻るかも知れないと言っていた
だから俺は毎日のように病室へ通い スマイルに話をし続けた
が いまいちスマイルの記憶の霧は晴れず 今も何一つ進展は無い
こんな悲しい事があるだろうか
今までどんな辛い事でも 彼と一緒なら、、、 大好きなスマイルが居てくれたから耐えられた
でも それで彼が危険な目にあってしまったのは 心の底から反省している
いや 反省と言う表記では足りないくらいに自分を思い詰めている
本当はこんな時 彼に頼りたいし謝りたい
優しい声で 大丈夫か?って 言って欲しい
彼の温かい手で慰めて欲しい
からかいでも嘘でも なんでも良いから 今 彼のその言葉が聞きたかった
でもそんな事にお願い出来るわけはない
スマイルが目覚めた時 俺の事を気にかけてくれたが 強がって本当の感情を笑顔で隠してしまったし
しかも今 彼にとって俺はただの友人
恋愛感情は愚か 最初は赤の他人とさえ思っていたのだから
だから笑顔で本音を隠さず 気持ちを伝えていても 今のスマイルは理解が追いつかず困惑させてしまうだけだ
約束を守りたいと言う俺の意思も形だけなのではないかと自問自答が止まらない
だがこんな事は今更の話
深く考えてもしょうがない だけど
内心ではそう思っていても 抑えきれない感情が表に現れてしまう
Nakamu
つい吐き出してしまった言葉と共に 俺の頬を小さな水滴がなぞる
Nakamu
Nakamu
最初の水滴に続き止まらなくたなった大粒の涙が次々と溢れる
事の発端は自分という事は痛い程わかっている
でも自分をどれだけ責め立て怨んでも 彼の記憶は戻らない
そんな自分に段々と腹が立ってくる
Nakamu
Nakamu
少し気が休まり我武者羅に目を擦る
Nakamu
スマイル
Nakamu
咄嗟に呼ばれる自分の名前に 俺は恐る恐る振り返った
俺は退院手続きをし終えNakamuとの待ち合わせの場所へ向かっていた
だが待ち合わせていた場所には彼の姿がなかった
フラフラと廊下を歩き回り彼を探して居ると 曲がり角でパンダのパーカーを羽織った青年が背を向け歩いていた
Nakamu
Nakamuだ 何故こんな所にいるのだろう
ここは集合場所とは結構な距離
今更迷ったのか?
俺は疑問に思い彼に声を掛けるべく距離を縮めようとした
だが彼の動きがピタリと止まり その場でフリーズしたのだ
スマイル
不意に俺も足を止める
Nakamu
すると突然 啜り泣くような音が何処からか耳に入る
唐突な出来事過ぎて 彼の泣き声だと理解するのに時間がかかった
スマイル
咄嗟に俺は壁の角に隠れた
何故彼は泣いているのだろう
今声を掛けてもいいのだろうか
と言うか俺は何故隠れているのだろう
無数の思考が絡まり 俺もフリーズしてしまう
Nakamu
少し様子が気になって壁から顔を覗かせる
するとNakamuが弱々しくも声を発した
Nakamu
一体何が嫌なんだ?
何が彼の気分を害する事があったのだろうか
俺が勝手な考察をしていると 次の瞬間 想像もしていなかった言葉が聞こえてきた
Nakamu
Nakamu
スマイル
衝撃の発言に俺は再びフリーズした
だい、すき?
Nakamuが俺を好き?
更なる混乱が脳に圧力をかける
彼と俺は友人関係にあったはずだ
なのに好き?
思考が止まらない
そして俺の中で二つの結論が叩き出された
Nakamuの好きは 友人としての友情表示か
はたまた俺と言う人間に向けられた
恋愛感情か
この結論が出てきた時
俺は人生で いや、覚えてる限りの生涯で一番の刺激だった
友人と認識していた人物が俺を恋愛的な感情で思っていたなんて
『気分が悪い』
普通の人ならそう思うだろう
だが俺は普通ではないらしい
何故かちっとも不快にはならなかった
寧ろ心が弾むような気分だ
なんだろう
前にも同じような体験をした事があるような気がする
恐らく俺はその事も忘れてしまっているのだろう
今改めて自分は記憶を失っているのだと実感が襲いかかってくる
知りたい
彼の事も この俺の気持ちも
スマイル
こんな事を考えながら俺は無意識にNakamuの直ぐ後ろまで来ていた
Nakamu
スマイル
口が勝手に開き 彼の名前を発する
Nakamu
彼が静かに振り向いた
Nakamu
スマイル
数秒間 静寂が二人の時を刻んだ