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夢小説です

男主です

最初モブが出しゃばります

大丈夫な方はそのままタップ

モブ(男子生徒)視点

女子生徒

ねえ、楓ちゃん!勉強教えて?

女子生徒 2

あ、私も私も!教えてー!

ふふ、しょうがないなあ。来週うち来る?

男子生徒

そう言って柔らかい笑みを浮かべる彼女は、この世界の誰よりも輝いて見えた。

今日も今日とて、俺は女子たちの会話を盗み聞いていた。

きゃっきゃ、と楽しそうな声色で話している彼女たち。

陰キャの俺とは目も合わない、いわゆる陽キャというものだ。

その中でも一際目立っている彼女_楓さんは、俺たち陰キャとも仲良くしてくれる、神のような陽キャだった。

男子生徒

(あぁ、今日も可愛いな…)

思わず彼女の顔をじぃっと凝視してしまう。

無理もない。彼女は、芸能人顔負けの顔立ちをしているのだ。

女性にも、男性にも見える中性的な顔立ちに、思わず鼻の下が伸びてしまう。だが、マスクで俺の表情は見えない。

こればかりは、某ウイルスに感謝してもしきれない。

…?

視線を感じたのか、彼女はちらっと俺の方を見た。

男子生徒

(まずい、見惚れすぎた。)

やってしまった。 後悔してももう遅い。ばっちりと目が合ってしまった。

会話が終わって、彼女と話していた女子生徒たちは教室から出ていった。

すると、彼女は俺がいる所へ歩いてきた。

○○くん、どうかした?私の顔に、何か付いてる、かな?

そうだったら恥ずかしいな…と少しはにかむ彼女に、現実を忘れて可愛いな、と思ってしまう。

男子生徒

イ、ィえ、何も付いて、ません…よ

緊張して思わず声が上ずってしまった。女性慣れしていない俺は、言葉に詰まってしまう。

そっか。よかったぁ

ほっと息を吐いて微笑む彼女。

あっ、呼ばれちゃった。またね?

人気者な彼女は他の生徒に呼ばれて、行ってしまった。

まあ、俺としても過剰摂取しすぎるとキャパオーバーで死んでしまうので、行ってくれて良かった感はある。

男子生徒 2

おい、お前楓さんに話しかけられるとか前世どんな得積んだんだよ…

羨ましさを隠しもせず言うオタク友達。

彼が話しかけてくれて、募っていた緊張が解れる。

男子生徒

まじで…人生のハイライトだ

男子生徒 2

それは草。

オタクっぽいやり取りをした後、俺は気になっていた事を話した。

男子生徒

ていうかさ、俺楓さん休みの日に見たんだけど

男子生徒 2

お前どんだけ運いいんだよ

男子生徒

…なんか、不良っぽい奴らと絡んでたんだけど

男子生徒 2

ハ?

男子生徒 2

いやそれ、楓さん脅されてねえか?

男子生徒

俺もそう思う…遠くだったから何話してるかは分からなかったんだけど

なんてことを真剣な顔で話し合っていたが、授業の始まりを知らせる鐘が鳴る。

この件は俺の家で話すことにし、俺たちは慌てて教室から出た。

楓(男夢主)視点

(ほんとになんだったんだ、アイツ。)

帰りの支度をしていた最中、先程俺の事を凝視していた彼の事をふと思い出す。

(俺が話しかけて緊張してたな…さてはチェリーボーイだな?)

女子生徒

楓ちゃん、今日一緒に帰らない?

女子生徒 2

ちょ、それは無理でしょ

下品で失礼極まりない事を考えていると、女子生徒が話しかけてきた。

うーん…ごめんね、今日はお姉ちゃんと買い物行くから…

正直面倒だったので、兄__姉を口実にして断る。

やっぱりかぁ。と落ち込んだ声色の彼女たち。罪悪感はあるが、慈悲はやらない。

よし。じゃあね!

女子生徒

うん!また明日!

女子生徒 2

ばいばーい!

彼女たちと別れて、学校を出ると、速攻姉から不満気な声をあげた。

椿

…面倒臭いからって私を口実にしないでくれないかい?

別にいーじゃん

ミステリアスで優しい椿さんなら許してくれるよね?

うるうるっ、と、ぶりっ子をしてみる。 すると姉から軽蔑の眼差しを向けられた。

椿

そっちこそ、完璧で誰とでも分け隔てなく話せる陽キャの楓ちゃんなら一緒に帰ってあげればいいのに。

うわっ、鳥肌たった

椿

鳥になるかい?

出来ればアホウドリがいい…

椿

どうして?

何も考えなくてよさそうだから

椿

なんて頭の悪い理由なんだい??

なんてどうでもいい雑談を交わしていると、突然輩のようなやつに絡まれた。

ねェ、そこの嬢ちゃん

なあに。

椿

何か用です?

少し、遊んでやるか。 そう思い、女の俺を演じる。 椿も考えたことは同じだったようで、ギロリと輩のことを睨んでいた。

そんな怖い顔しないでよぉ〜♪

ちょっとさ、そのキレーな顔、

殴らせてよ?

文字に起こしてみると、ニチャァという感じで気持ち悪い笑みを浮かべている輩に、寒気がしてくる。

…やーだ。俺の唯一の取り柄の顔面無くなったらどうしてくれんだよ

椿

痛いのは好きだけど、自分より弱い人に殴られる義理はないかな…

っ?!…は?俺が弱そう?

突然素に戻った俺たちに一瞬だけ驚く素振りを見せる男。

だが、椿の発言にイラッときた男は、椿を殴ろうと拳を振り上げる。

椿

はぁ。物分りの良い子だったら疲れなかったのだけれど。

途端、椿が男の手首を掴み、そのまま背の方へ持っていく。男が地面に伏せて、動けない状態になる。

クソッ!このアマ!!

自分よりも年下で、華奢そうな見た目の奴。極めつけには女だと言うのに負けてしまい、プライドが傷ついたのか、学があるとは思えない幼稚な暴言を吐かれる。

椿

おや。私は立派な男なのだけれど。

にこにこともはや怖いまである笑みを男に向ける椿。 ここまで俺は無言だが、とびっきりの笑顔で観戦している。

こ、こいつだけでも…ッ!

俺だけでも殴ってやろうと思ったらしい。だが、俺も腕には自信がある。

おにーさんがその気なら、別にいいけどさ

椿

私の番は終わりかい?悲しいなあ

微塵も思っていないのに、しくしくと泣き真似をする椿を無視して、男の方へ向かう。

俺たちが女で、何でも言う事聞きそうで、弱っちいやつだと思った?

ざんねーん!真反対でーす!

プギャー、とでも言うように煽ってみる。男はぎりっと歯ぎしりをした。

今日のところは見逃してやるからさ。

二度と俺たちにこんな事すんなよ。他のやつはどうでもいいけど。

椿

自分良ければ全てよし精神の椿も好きだよ

自分以上に大切なものなんかありゅ?

椿

…ないねぇ

くっ、覚えてろよ!

談笑した後、男がお決まりの捨て台詞を吐いてどこかへ消えてしまった。

椿

ところで楓、他にも人が居たみたいだ

えっ

竜胆

チッ…バレてたか

あれぇ〜?頑張ってバレないようにしてたのに

ちらっと顔を覗かせたのは2人の男で、最近不良の間で有名な灰谷兄弟に容姿がそっくりだった。 もしかして本人か?

…椿のバカ!!先に言え!!

椿

ごめんごめん。反応がみたくて…

てへぺろ☆とでも言うようにこの世で1番気持ちの悪い顔をする椿を無視して猛ダッシュする。

椿

あっ!待っておくれよ!

椿も俺を追いかけて走ってくる。 灰谷兄弟はぽかんとした顔で見ていた。まあ、当然か

…おもしれー女じゃん♪

竜胆

アイツら男だよ

えっ

続きは灰谷兄弟が概念をバールのようなもので壊したのでありません

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