~ 夜 ~
あと少しで葛葉の家に着く
思った以上に時間がかかったから
きっと怒っているだろう、
葛葉、怒ってなきゃいいな〜、
…なんて心の中で呟き
ー 玄関 ー
叶
くずは〜、
叶
ただいまぁー
ガチャっとドアを開けては
疲れているのが悟られないように 明るい声色で喋り
彼からの反応は無い
恐らくまた寝ているのだろう、
そう思った
まだその時は。
ー リビング ー
ゆっくりとソファに
腰掛けては
しばらく瞳を瞑って 頭の中をリラックスさせていると
葛葉
……叶、
葛葉
おかえり、
いつも以上に元気の無い声色で 彼が言った
叶
ぇ、なんでそんな
悲しそーなの、?
悲しそーなの、?
葛葉
…LINE、したんだけど
彼がためらいつつもそう言ってきて
ハッとしたように 自分のスマホを見た
…
スマホの液晶には
彼にしては珍しく 少々長めの文が送られていた
しかもそれは 心配の文だった
叶
…
叶
ご、ごめん
叶
忙しくって見れてなかったんよ、
彼には言い訳にしか
聞こえなかったのか、
少し間を空けて
葛葉
…あっそ、
……と冷たく返事をしては 少々俯いた
叶
怒ってるよね、
叶
ほんとごめん、……
葛葉
別に、気にしてねーから、
絶対嘘じゃん、、、
ただただそこには 気まずさが流れた







