人間は神の領域に踏み込んだ。
自らが生きるため、手段を選ばず
花を踏み散らかし
動物を殺し
世界を汚す
それが彼女の創った
「人間」だった
オズ
ドロシー!
ドロシー
どうだった?
オズ
OK!全然いいって!
ドロシー
……じゃあ俺も先生になるの?
オズ
そういうこと!
ドロシー
……やった…
そういえば
オズの言っていた「魔法」って……?
オズ
だから、足を速くしたり心を読めるようにしたり
オズ
昔の人には出来なかった事だよ
ドロシー
なっ……
ドロシー
なんで思ってる事……
オズ
それも魔法
オズ
でも呪いみたいな事はしないよ
ドロシー
なんで?
オズ
……俺はだけどね
オズ
「人を呪わば穴二つ」
オズ
っていう諺?をお祖母様の本で見たんだよ
ドロシー
……?どういう意味?
オズ
人を呪えば、その人の墓穴は勿論
オズ
自分も呪われ、自分の墓穴も掘ることになる
オズ
って書いてあった
オズ
だから俺は呪ったりしない。
「呪い」
俺にとっては、気持ちの悪い言葉だった。
たった三文字でも
嫉妬、愛情、友情、憎しみ……
色んな人間の感情が入っているから。
オズ
……ドロシー
オズ
大丈夫?
ドロシー
……ああ、ごめん…
人間は、「神」の存在を否定した。
彼女はそんなに不安ではなかった。
けれど、その呪いは
彼女をロックオンした。