先程から念頭にあった疑問を投げる。
保安官
書士官
保安官
書士官
保安官
書士官
目線を色んな方向に向けながら復唱し 片手で鼻の下に指を添えて考えている書士官が口を開いた。
書士官
保安官
やはり…先程の2人同様書士官もそれらの言語は知らないようだった。 それ故に、ますますカミサマ?の奴が 私に何をしたか気になって仕方がない…💢
カ●サマ
だーっとれ記憶の中の悪魔の手先💢💢
書士官
保安官
「あ…」 そう言い残して書庫棚から1冊の厚手の読み物を取り出し… 私の前でそれを開いた。
ダンジョン… かつてこの世界に訪れた異邦の英傑達や、生前類まれなる功績を残した偉人が眠る墓所。
元々その多くは、単なる墓所として存在していたものの、100年単位の時間経過によって内部に発生した魔力が踏破困難なダンジョンと呼ばれる迷宮へと変貌するそうだ。
尚、その内部には構造不明な未知の品々も眠り…それらを持ち帰ることが…一流の戦士か否かでもあるとも記されている。
書士官
異質な形状に、神や悪魔の言葉。 先程英文を見せた際2人も困り果てた顔をしていたのを思い返す…
保安官
書士官
500人がたったの数人!? その言葉からも、ダンジョンと呼ばれる領域がいかに危険なのかが伝わってくる
保安官
書士官
保安官
書士官
保安官
書士官
保安官
というか500人が数人になって帰還…? その規模の部隊なら もっと速い段階で撤退する 判断下すものじゃないのか先代国王!? どんな意志で出陣したかは分からないが 普通そんなになる前に逃げるだろ!!
と思ったが… ここは客観的に かつ冷静に情報分析だ。
考えられる可能性は二つ
一つ目 その先代国王とやらが戦いのABCを知らない勇敢と書いて「バカ」と読ませるタイプの人間だった可能性。 この場合この国の軍事組織、つまりハイネリウス軍が戦術という概念をもたない、あるいは軽視 戦争においては力技(物量戦)で凌いできた疑いがあるということ…
二つ目 戦闘指揮は取れていたものの… それを上回る脅威によって壊滅的被害を被った可能性。 こっちの場合、強国の軍隊すら返り討ちにしてしまう何かがあるということ…
どっちだろう… カマをかけてみよう…
保安官
書士官
保安官
戦いにおいて 異名を持つとは優れた戦士や名将の証… そんな指揮官が率いる部隊 弱いわけが無い… そんな部隊すらもダンジョンという領域は再起不能にする… 先程思い浮かべた2つの可能性、答えは後者だったようだ。
であれば興味本位で赴くなど自殺行為 出向くべきでは無い… その未知の領域 恐怖と共に興味は湧くが 王立書庫の書士官を記憶を持ってしても アルファベットを使用した言葉が この王国には無いということが 判明しただけでも儲けモノだ。
「グゥゥウ🌀!!」
書士官
保安官
昨日から何も食べてなかったからか 腹の虫に景気よく鳴かれてしまった。
使用人エレノア
使用人ミランダ
保安官
書士官
保安官
2人と書庫を後に 空腹を満たすべく 一度自室に戻る
その後、廊下で少しトラブルに苛まれる事となった…
書庫からの帰り道 何度も空腹を訴えるなき虫が 私の腹部の中で駄々をこねており… なる度に気恥しいモノを 堪えることになる。
保安官
使用人エレノア
使用人ミランダ
そうして廊下を歩いてると、反対側から3名の若手兵士たちが兜を脇に抱えた姿で歩いてきた。 身なりから察するに恐らく城内を守護する衛兵だろう… そのうちの一人が私を見ると奇妙なものを見るように眉をひそめてきた。
衛兵
その声に他の2人が足を止めて私の方を見る。 その表情からは落胆を覚える物が読めた。
衛兵2
衛兵3
衛兵
衛兵3
衛兵
保安官
身に覚えのある光景だ。 戦闘任務に参加する機会が少なく
他の兵士が戦地へ出向く中 訓練漬けになっていると あのように不平不満を口にしてしまう 兵士は一定数いる。
そんなやり取りにエレノアさんと ミランダさんが嫌なものを見る目で 兵士達を一瞥する。
使用人エレノア
使用人ミランダ
使用人エレノア
保安官
あいにく2人は兵士では無いから あの手の不満に共感する事は難しい。 「はい…」とは言ったが 私には彼等の苛立ちが痛い程解る… 「自分達も仲間のために戦いたい…」 士気が高いからこそ… 王城ほどの内地での警備任務というのは 合わない者には耐え難い苦痛となる。 「内地の護りが磐石だからこそ… 前線の味方は安心して目の前の敵と戦える」 若輩でその事に気づけないうちは 本当に心苦しい… 無論衛兵として選ばれる若手は一般兵よりも能力的に優れる… 特級の教育で衛兵としての気構えも学ぶが若手とは目に見える結果を求めだがる傾向がある。 そこで戦友が手柄を上げたなんて 話を聞かされた日には… 最早拷問以外の何者でもない…
脇をとおりすぎようとした時、彼等は一段と声を大きくしてきた。
衛兵
衛兵3
衛兵
衛兵2
保安官
『熟練の将校が来ると聞いて 実際きたのは何の心得もない ただの老いぼれ…』 今の私は正しくこれ… 実力のある人材を求める現場にとって これ程邪魔な存在はない…
加えて、私は… カミサマと取引し… 自ら望んできた… だからこそ彼等の不平不満を 受け止める義務がある… 『反論してはいけない…』 これは私が甘んじて 受け入れるべき批難だ…
とうとう我慢の限界を迎え 肩を震わせたエレノアさんが…
使用人エレノア
使用人ミランダ
そうするとひとりの兵士が 眉間に皺を寄せる
衛兵
直後、私たちの後方から 白銀の鎧に身を包んだ人物が通り過ぎ 3人の兵士を拳で打ちのめしていく。 うち1人の胸倉を掴みながら 片腕で持ち上げた。
???
純銀を思わせるホワイトシルバーのフルプレートメイルを身にまとい… 金の紋章が刻まれた黒いマントを背に流す… 体格は細身なのだろうが 立ち振る舞いは体幹を備えた者が 身につける出で立ちをしていた。
衛兵
衛兵2
拳を食らって地面に転がる1人が 恐ろしいものに遭遇したように上ずった声を挙げた。
リーンフリート
保安官
一瞬、その横顔が見える… 同時に自らの目を疑った… リーンフリートと呼ばれた その青年騎士…
その顔がかつての私の部下である 保安隊の若手ジョンソンこと…
『ジョンソン・フォーチュナー』
そのものだったからだ…
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