空
(みんな無事でいてね…)

空
(こうやって願っていてばかりで何も変化が無い…心配でどうにかなりそうだよ…)

空
(いやダメだ。強く生きるって決めたんだ!」

かける
おい?何言ってるんだ?

空
うわっ?!な、な、何?

空
ていうか、いつからいたの…?

かける
え、

かける
強く生きるって決めたんだ!の所からだけど…

空
?!

かける
あ、もしかして声で出たの自覚無かった?

空
う、うるさい!わざと聞かせてたの!///

空
(ヒャー///聞こえてたんだ…)

そう。毎日家にかけるが来てくれているから、不安は少し減っていた。
と、電話がなった。未だに電話の音が鳴ると、手が震えてしまう。でも、今日はかけるが居るからか、落ち着いている。
空
はい。

看護師
あ、空さんですか?

空
そうです。今回はどのようなご要件で?

看護師
希さんの意識が、、、回復しました!

看護師
今すぐ来てください。

空
えっ?!ほんとですか、、、?

看護師
はい!空さんのことを探して泣いています(--;)

空
そ、そうですか!今すぐ行きます。でも、

空
『希は』と言っていましたが、父と母は…?

看護師
その、まだ意識の方は…

空
…。それ以上は言わないでください…!

空
とにかくっ。すぐに行きます。

看護師
はい。お待ちしております。

何故だか嫌な予感がする。いや、、でも、希に会いにいくんだ!
かける
何だって?

空
の、のぞ、希が目を覚ましたって!!!

かける
本当か?!

空
うん!今すぐ病院に行ってくる!

かける
待って!俺も一緒に行くよ!

かける
それと、はい

かけるが渡して来た袋の中には、ひとつのぬいぐるみが入っていた。
これは、希が大切にしていたクマのぬいぐるみだった。
空
これは、、、

空
どうして?

かける
あ、あぁ。

かける
俺がサッカーでスランプだった時に、希が貸してくれたんだよ。

かける
まだ返して無かったし。お気に入りなんだろ。それ!

空
(もー!大好きすぎる。でも、希に優しくするとは…負けないんだから!!)

空
こんにちは。空です。希が目を覚ましたと聞きました…

看護師
あ、こちらです。

空
…

空
希っ!!

希
お、ね、えちゃ、ん

そのショックもあったが、希が目を覚ました嬉しさの方が多かった。
かける
希。これ、ありがとな!

空
のーぞーみー!自分の大切なもの貸したんだって?

空
優しい子になったね!

希
おね、ちゃん、や、めてよ〜

空
フフッ!

空
(本当によかった、)

希
おねちゃ、ん、ないて、る、の?

空
だって、

空
うっ、嬉しいんだもんっ!!

東先生(担当医)
空さん良かったですね!

空
はい!本当にありがとうございました!

東先生(担当医)
それで、ご両親のことなのですが、、、

空
…

かける
…大丈夫か?

空
うん平気だよ、、向こうで話してくるから希の事よろしくね

かける
お、おう

空
それで…

空
両親はもう回復の見込みが無いんですよね。

東先生(担当医)
…大丈夫でしょうか?本当のことを言っても

空
はい。覚悟は出来ています。

東先生(担当医)
そうですか、お察しの通りご両親は「脳死」という状態です。

東先生(担当医)
ほぼと言っていいほど、目を覚ますことはありません。

空
ですよね。2週間も経って変化がないのは気になっていましたし、何より

空
今朝嫌な予感がしたんです。この事だったんですかね…

東先生(担当医)
恐らく、、、

東先生(担当医)
ご両親が希さんを生かさせてくれたと言うのもあるかも知れませんね。

空
ッ…

だけど、先生の考えだがそれを聞いた瞬間涙が込み上げて来た。
空
あのっ、、ドナーというものは出来ますか…?

東先生(担当医)
え?

空
前に冗談で、言って居たんです。『俺達が死んだらドナーってやつをしてくれよ!アハハ』という感じて。

空
それに、いざとなったら命をかえりみず人を助けるような人達だったので、、、

空
最後も役に立たせて…あげたいッ、と思って

空
ウッ、ヒック

東先生(担当医)
そうでしたか、、、お望みでしたら最後ですので、全力で叶えさせてください…!

空
はいッ…よろしくっお願い…しまっ…す!

東先生(担当医)
では、戻りましょうか

亡くなるのは分かっていて、辛いけどなんかがスッキリしていたのだ。