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⚠️注意⚠️ ・学パロです ・モブ多め ・若干グロ描写あり ・キャラ崩壊注意

一応中学生想定しております。 中高一貫校ですが詳しくないので勘で書いています。間違えていたらすみません

2年3組の教室。

金髪の少年が、引き出しから教科書を取り出す。その表紙には馬鹿と太いマジックで書き殴られていた。

モブ女1

ふふっ

近くの席から笑い声がする。それは明らかに空に向けられたものだ。

………

モブ女1

ねぇアンタ、放課後校舎裏に来なさいよ

……うん、いいよ

酷く平坦で、落ち着いた声で少年は返す。

その少年は、口元にうっすら笑みを浮かべている。機械的で、手本のような綺麗な笑顔だ。

モブ女1

アイツ、何いつもヘラヘラしてんのよ……ほんとキモい

モブ女2

いいじゃん別に、いっつもアホ面してて面白いじゃん

モブ女1

まぁ……そうね

リーダー格と思しき女子生徒は、取り巻きの女子にそう言われ普段の調子を取り戻す。

パチィン!と綺麗なビンタの音が響く。

……

モブ女1

あははっ!真っ赤に腫れちゃって可愛そ〜!

モブ男1

次は腹行くか

モブ男2

その次俺な

無抵抗な金髪の少年に、思い思いに暴行を加えるのは4人の男女グループ。

……

モブ男1

……おらよ!

1人の男子が、少年の腹に握り拳を埋めた。

モブ男1

……なんか言えよ……っと!

モブ女2

痛過ぎて何も言えないんじゃないの〜?

悲鳴のひとつもあげない少年に野次を飛ばす取り巻き。男子がもう一度少年の腹に拳を入れると、少年は少しの間を置いて悲鳴を上げた。

いっ……いたっ……ん、ふ"……ぅ、

モブ女2

うーわ、無様〜。いつもヘラヘラしてるからそうなるのよ

モブ男2

おい、そろそろ変わってくれよ

腹を抑えて蹲る少年の三つ編みを引っ張る。それにつられて少年が立ち上がると、その腹に膝蹴りを入れた。

う"っ……っぶ、あ"ぁっ……

少年は痛みからか、再度地面に蹲り頭を垂れて悶える。

モブ女1

あらあらかわいそーwそろそろ泣いちゃうんじゃなあい?

女はそう言いながら、少年に近付きその頭を踏み付けた。

……れか、誰か……助けて……

モブ女1

そんなん来るわけないでしょ、諦め

おい

背後から声がする。女子は肩を跳ねさせて振り返ると、そこには魈という男子生徒が居た。

魈。この学校の、中学の学年では有名な不良だ。 なんでも、とんでもなく喧嘩が強く、裏社会とも繋がっているとかいう噂がある。

魈は一度だけ驚いた様に目を見開いたが、すぐに4人に意識を戻し、彼等を睨み付ける。

モブ女1

……い、行きましょ。今日はこのくらいで見逃してあげるわ

4人がそそくさと立ち去ると、魈は残った人物へ目を向ける。

もう痛みが引いたのか、少年は立ち上がっていて、魈ににこやかな笑みを向けている。

……お前

助けてくれてありがとう。君の名前は?

その前に質問に答えろ、さっきのは

あ、俺は空。2年3組だよ、君は?

一方的に話を押し進めてくる空の勢いに、魈は思わず一歩後退りする。

何処か威圧的な言葉に何か感じたのか、魈は少し溜息を吐き、渋々自分の名前を伝える。

……魈。2年…5組だ

魈って言うんだ〜可愛いね!さっきは本当にありがとう、そして宜しくね

……ふん、お前と宜しくやるつもりは毛頭ない

突き放すようにそう告げると、魈は踵を返し、早足で立ち去った。

空は魈の背中を、穏やかな笑みを浮かべたまま無言で見送っていた。

……

魈は帰路を辿りながら、先程の少年の事を思い出す。

……空が初めて此方を認識した時。魈が初めて空を認識した時。

空は口元を歪めて、歓喜に満ち溢れた笑みを浮かべていた。

……怖気がした。あんな状況だったというのに、あの少年は確実に此方を見て、そして笑っていたのだ。

助けを求めて這いつくばっていたのも、確実に演技だ。魈の本能がそう訴えている。

……なんだったんだ

きっと、彼に会うのはこれで最後じゃない。

自分はこれから何に巻き込まれるのか、魈は柄にもなくそんな不安に、無意識に心を奪われていった。

空くんがいじめられる話

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