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病室

玲王

凪ー、起きてるかー?

……

無論凪はそれを無視する。

しかし玲王は気にしないように話しかけ続ける。

玲王

今日はお土産じゃなくて、もっといいもの持ってきたんだよ!

そう言って玲王は紙袋をゴソゴソとし始め、あるものを取り出した。

玲王

じゃーん!これなんだと思う?

……?

玲王が取り出したそれはアルバムだった。

玲王は写真はどうかと思ったのだ。

毎日会いに来ているのに思い出がないのは悲しいだろうと思ってのことだった。

玲王

昨日頑張って作ったんだ!俺と凪の高校生活の時のやつとか、ブルーロックの時のやつとか……

玲王

あ、これとか懐かしいな!お前が無理やりリレーに出させられて一位とったやつ!

アルバムはそこそこ大きく、玲王が自信満々に見せてくる写真はたくさんあった。

軽く50は超えていそうだ。

ひとつひとつに何かしら文字が書かれている。

玲王

(これならうまくいくはず……!)

千切

てか、玲王すげえな。これ一晩で作ったんだろ?

お前ら出会って半年なのに何でこんなにあるんだよ!w

蜂楽

ほとんど凪っちじゃん!玲王っちが撮ってる感じ?

玲王

まあな!

國神

さすが器用大富豪……と言ったところか。いやすごいなお前。

初めて見た4人も玲王の次作のアルバムを褒めちぎる。

玲王

記憶なくなる前でも俺らこんな感じだったんだぜ?ほんと毎日仲良かったよな〜。

……

玲王

だからさ!お前が記憶戻したらこのアルバムにもっとたくさん……

"しょうもな"

凪から出たのはその一言だった。

その言葉で病室内の空気が凍りついた。

玲王

……え?

なんなの本当に。俺こんなの頼んでないしさ、大体アルバム作ったって言うけどそんなのあんたのただの自己満でしょ?

玲王

ぇ、あ……

つか……俺が忘れてるってことはお前は俺にとってほんとにどうでもいい存在だったってことでしょ?

何でわざわざ毎回会いにくんの?
俺言ったよね。来ないでって。話聞いてた?

玲王

っ……!

凪の冷たい言葉に、玲王は心をえぐられるようだった。

思わずアルバムをばさっと床に落としてしまう。

千切

おいお前何言ってんだよ!!今自分が何言ってるかわかってんのか!?

國神

そうだぞ!!そんな言い方ないだろ!

慌てて周りが凪を止めようとするが、

もう来ないでよ。善意で来てるのか知らないけどはっきり言ってお前らがギャーギャー俺囲んで騒ぐのもほんとにうざいし迷惑。

玲王

お、俺そんなつもりは……

人の気持ちも考えられないんだから、キモイことする前にさっさと帰ってくんない?

その言葉で玲王の今まで傷だらけになりながら堪えていた心が崩れる音が聞こえた。

玲王

……

おい!そんな言い方ないだろ!玲王に謝……

玲王

そっ……か……

玲王はぽつりと呟いた。

玲王

そうだな……俺最低だな、迷惑なんて知らずにこんなバカなことして……

玲王の目に涙がみるみる溜まっていく。

その様子を見て4人はまずいと思い、はっと息を呑んだ。

玲王

キモいよな、うざいよな、ごめんなっ、凪……

千切

玲王……?

玲王は必死に作ったアルバムを手に取るとそれを思い切り破いた。

ビリビリビリッ!!

4人「っ!?」

玲王

こんなのウキウキで作った俺超バカじゃんっ……気持ち悪すぎだろ……!

そう言うと玲王は病室を飛び出して行ってしまった。

國神

玲王!!

國神がすぐさまその後を追いかけて、病室を出て行った。

(はぁ、やっと出てった)

千切

……てめえクソ野郎!!

蜂楽

ちょ、ちぎりん!?

千切は凪の胸ぐらに掴みかかった。そして思い切り怒鳴りつける。

千切

玲王になんてこと言いやがんだ!!お前が事故にあった時誰よりも悲しんでたのはあいつなんだぞ!?

……

千切

お前は何も覚えてねえかもしんないけど、玲王はずっとお前のこと心配してた!あのアルバムだって玲王が必死こいて作ったってのに!!

……で?

千切

っ……あいつの気持ちがわかんねえって言うのか!?

蜂楽

ちょ、ちぎりん落ち着いて!!

2人のヤバそうな雰囲気に蜂楽が間に入って止めようとする。

千切

無理だ……1発殴らせろ!

ちょ、ここ病院だっつうの!

凪に殴りかかろうとする千切を潔と蜂楽は無理やり引き剥がした。

……つかあんたらもさっさと帰ってくんない?もう用は済んだでしょ。

千切

なっ……!

俺めんどくさいこと嫌いなんだよね。お前らと話すのめんどくさい。

千切

っ!お前いい加減にしろよ!

ドンッ!!

凪の態度にキレた千切は思いきり壁を叩いて叫んだ。

蜂楽

ちぎりん!ここは一回帰ろうよ!

そうだ!お前も頭に血昇ってるんだ!頭冷やせ!

潔と蜂楽は無理やり千切を病室の外に出した。

しかし去り際、潔が凪の方を見て行った。

……お前、その選択後悔することになるからな。

は?

それだけ言って病室を出た。騒がしかった部屋が静まり返る。

……ふん。後悔なんかするわけないじゃん。

おかえりなさい!

今回ワンシーンだけでしたね!

キャラ崩壊してるかも……ごめんなさい

どっかで絵も出します!

それではさようなら〜!

記憶と失った大切なもの

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