テラーノベル
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ガイド🦈×センチネル🙂⑨
ドサッ――
スマイル
スマイル
早鳴る鼓動
硝煙の匂い――
パーシャルの手に握られた銃から 漂っている
徐々に開いていく感覚を
スマイルはすべて シャークんに集中させていた
スマイル
ふらふらと動いたスマイルは
シャークんに触れて患部を視た
腹部を撃ち抜かれていた
スマイルは急いで ベッドのシーツが剥ぎ取ると
シャークんの腹部に押し付けた
団長
拙い声が聞こえた
パーシャルだ
視覚と聴覚を 閉じられて尚――
手に持った銃を スマイルに構えていた
その指に力がこもり
引き金が引かれる――
スマイル
パァン――……!
スマイルは
シャークんに 抱きしめられていた
スマイル
スマイル
シャークん
その瞬間――
スマイルのすべての感覚が 閉ざされていく
スマイル
スマイル
スマイル
シャークん
シャークん
シャークん
暴走によって感覚が開く力と
ケアによって 感覚を閉ざす力が拮抗する
スマイル
スマイル
スマイル
シャークん
スマイル
シャークんのその声を最後に
スマイルの聴覚は閉ざされた
ケアを受けている時の シャークんの声は安心する
心が落ち着いてしまって
スマイルの暴走は防がれた
もう何も見えないし 何も感じない――
スマイル
スマイル
シャークんは立ち上がると
パーシャルに向き直った
スマイル
スマイル
シャークんのガイディングも 長くは保たない
精神が不安定な今――
スマイルはすぐにでも 感覚を開いて
暴走状態に なってしまうだろう
シャークんは パーシャルに近付くと
その手から銃を取り上げた
団長
スマイル
スマイル
スマイルは悲痛な叫び声をあげる
その場に座り込んだまま わたわたと手を振り回していた
スマイル
スマイル
シャークんが撃たれた事で 混乱しているのだろう
敵はもういないと言うのに
スマイルは命乞いをしている
シャークんは仲間に救援を求めた
任務完了の報告と共に 負傷した事も伝えた
シャークん
あまり喋り過ぎると
感覚を閉ざしているから 舌を噛んでしまう恐れがある
おそらく自分の声も 聞こえていないはずなのに
スマイルは叫び続ける
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
シャークん
じわ、と目が滲んだ
スマイルは自分のために 叫んでいたのではない
シャークんを助けるために 叫んでいた――
ふらふらとスマイルに近付いて
その手を握ってやった
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
シャークん
シャークんは スマイルを抱き締めた
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
シャークん
シャークん
シャークん
スマイル
スマイル
何の感覚もない中――
穏やかになる心に ケアを受けていると感じ取って
スマイルは手を握り締めてくる
スマイル
スマイル
スマイル
シャークんはスマイルのポーチから 麻酔を取り出すと
スマイルにそれを打った
スマイル
シャークんは三発も撃たれた
どうして こうなってしまったのだろうか
スマイル
どうすれば
シャークんは 助かったのだろうか
スマイル
そうすれば
シャークんがスマイルを庇って 撃たれるなんてことは
起きなかったはずだ
スマイル
全部全部
自分がいなければよかった
自分がいたから
家族を失った
シャークんまで――
スマイル
スマイル
全部嘘なら良いのに
家族を失ったことも
シャークんと出会ったことも
そしたらスマイルは
きっと今も幸せで
家族も生きていて
シャークんも 生きているに違いない
微睡んでいく意識の中で
スマイルは理想を思い描く
そこにシャークんを 登場させなかったのは
どうあがいても
彼は敵にしか なれないからだった
殺すことに 葛藤するくらいなら
彼の死を 嘆くくらいなら
最初から出会わなければいい
この記憶から
消えてしまえばいい
そうしたら――
きっと、楽だ
シャークん
ずっとスマイルが どう思っているのか不安だった
シャークんにとってスマイルは
ずっと監視対象だった
家族の指示に従って
シャークんは スマイルの監視を続けてきた
ずっとずっと――
初任務で言われた事が 忘れられなかった
おまえらは おれのかぞくのかたきだ
スマイルが 人殺しは嫌がるから――
シャークんは 人を殺した事がなかった
必要に迫られれば 人を殺すことも辞さないが
シャークんはなるべく スマイルの意思を汲みたかった
スマイルは組織の人間に あまり馴染まなかった
いつもシャークんの家族には 敬語だし
シャークんと一緒にいるときみたいに 笑ったり怒ったり感情を表現しない
シャークんにとって そんなスマイルは
自分がいないと生きていけない 守ってやらなければならない人だった
スマイルはひとりぼっちだから
だから、シャークんは
自分だけは 味方でいてやろうと思った
そんなスマイルは組織の思想に 一切染まっておらず
シャークんにとっては 唯一常識を教えてくれる人だった
人を殺すことは 悪であり許されることではない
スマイルのおかげで
シャークんは道を踏み外さずに 生きる事ができた
スパルタ教育だった訓練も――
肉体的にも精神的にも 何人も潰れた人がいたが
これでは非効率だと言って スマイルは
過度な訓練項目を撤廃し 訓練時間と適度な休憩を制定して
訓練の仕方を改善した
異常を改善する能力にも 関心したが
後にそれは詭弁だったと スマイルから聞いたときは
もっと驚愕した
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
スマイル
シャークん
シャークん
シャークん
組織から―― 家族から命令されることがすべてで
それに従って生きることが 当たり前だと思っていた
そんなシャークんに
スマイルは新たな道を たくさん見せてくれた
シャークんは そんなスマイルの事が
心の底から大好きで
これからもずっと 一緒にいたいと思っていた
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
目が霞む
血を流しすぎた
バキッ――!
ドアが破壊された音に シャークんは僅かに目を開く
仲間が来てくれたのだろうか――
そう思ったのも束の間――
そこに現れたのは 見たこともない男だった
シャークんは震える手で スマイルの銃を取って
男に構えた
パンッ――!
力ない射撃では まともな軌跡を描けず
銃弾はあらぬ方向へ 飛んで行った
シャークん
男は近付いてくると
シャークんの身体の状態を見始めた
触れられてわかったが
彼は能力者ではないらしい
男はパーシャルに 親指を向けた
シャークん
男はパーシャルに触れると パーシャルは顔を上げた
団長
団長
皇帝
団長
皇帝
パーシャルを連れてくると シャークんはその手を握った
パーシャルの感覚を開かせれば パーシャルは目を瞬かせた
団長
団長
皇帝
皇帝
団長
皇帝
皇帝
皇帝
団長
団長
皇帝
団長
シャークん
シャークん
シャークん
団長
団長
団長
団長
シャークん
シャークん
それはつまり
スマイルがスパイ行為を 働いていたことになる
団長
シャークん
団長と皇帝は シャークんの傷口を治療しながら
事細かに説明してくれた
もう数年前から スマイルと相手の総統――
Nakamuとのやり取りが 始まっていたらしい
Nakamuが掲げた能力者保護団体 通称タワー
タワーは瞬く間に 全国に広がり
大きな組織となって 一つの勢力を作り上げた
皇帝
皇帝
団長
団長
団長
団長
団長
シャークん
皇帝
皇帝
団長
シャークん
シャークん
団長
シャークん
団長
団長
団長
シャークん
団長
団長
団長
団長
シャークん
シャークん
団長
団長
シャークん
団長
シャークん
団長
団長
団長
団長
団長
団長
シャークんは目を見開いた
皇帝
皇帝
皇帝
皇帝
団長
団長
団長
団長
団長
シャークん
シャークん
団長
シャークん
シャークんは倒れているガイドに 視線を向けた
シャークん
シャークん
シャークん
団長
団長
団長
皇帝
皇帝
団長
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
団長
団長
スマイルは家族を 大切に想っている
弟の事だって
最初は殺されたに違いないと 断言していたが――
随所随所でスマイルが 弟を探していた事を
シャークんは知っていた
シャークん
シャークん
なら迷う必要はない
シャークん
皇帝
シャークん
シャークん
団長
シャークん
シャークん
シャークん
シャークん
団長
団長
シャークん
シャークん
団長
団長
シャークん
シャークん
団長
団長
皇帝
シャークん
シャークんはスマイルの手を握った
シャークん
シャークん
眠ったままの スマイルにそう告げて
シャークんはその手を離した
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話の展開がとても素敵で、続きがとても楽しみです😊 ゆさんに出会えて、ゆさんの素敵な作品にたくさん触れることが出来て、最高の1年でした!ありがとうございます✨ よいお年を!