⚠️注意⚠️ CP 紫桃 sxxn様の二次創作です 本人様と関係は一切ありません この物語はBL要素が入ります 地雷の方や、BLやnmnmなどが分からない人は今すぐこの小説を閉じましょう
𝐬𝐭𝐚𝐫𝐭
いるまが小4の時に引っ越してきた時から、俺たちはいつも一緒だった
……中二の冬までは
最初にいるまと会った時の印象は最悪だった
お互い訳も分からず嫌いあっていたのを覚えている
なのに何故か俺たちはいつも一緒にいて
同じ部活に入ってお互いを高めあったりしていた
結構距離が近いこともあり
周りも俺たちが肩を組み合ってる光景なんか、当たり前となっていた
最初は嫌いだったはずなのに
いつの間にか俺達も一緒にいることが当たり前だと思っていたし
これからもずっと俺たちは一緒なんだと思っていた
いるまがどう思っていたのかは分からないが
あいつと居るのが一番楽しいし
居心地が良かった
中二の冬の始まり
ふと、いるまにこんなことを聞かれた
紫
桃
紫
なぜそんなことを急に聞くのだろう
いるまに聞かれ、考えてみるも
いるまとばかり居たからか、そのような人は思い浮かばなかった
桃
桃
別に聞いてみただけ、とか適当に返されるのかと思っていた
だが俺の予想とは大きくことなり、いるまは顔を赤くして答えた
紫
桃
俺と一緒にいる時、そんな反応したこと無かったじゃん、なんて
なんでそんなこと考えてんだろ
そう思ったのがきっかけだった
いるまに聞かれてから、本気で考えるようになった
あの時、いるまの誰かを想って頬を染めた表情がどうにも忘れられなくて
思い出すたびに気に食わなかった
俺の中の一番が親友であるいるまであるように
いるまにとっての一番も俺が良かった
でも、親友としての一番じゃなくて…
桃
考えれば考えるほど、俺らしく居れなくて
なんであの時、いるまの反応が気に食わなかったのか
どんなに考えても分からなかった
部活があったその帰り
いつも通りいるまと一緒に帰っていた
俺の頭に乗った枯葉をいるまが取ってくれようとして、俺の頭に手を伸ばした
普段の俺なら受け入れていたその手を、俺は無意識に避けた
桃
紫
いるまにそう言われ頭に手を乗せると、枯葉の感触があり、それを取る
桃
きっと不自然だったと思う
紫
そんな俺の反応に少し戸惑ういるま
ふと、いるまの手がとても怖く見えたんだ
でも、その理由はやっぱり分からなかった
あれから俺は無意識にいるまを避けることが多くなり
近付けば近づくほど、何故か俺はいるまと一緒にいることが怖くなった
だからこそ俺は
桃
なんて、いるまが傷つくことなんて分かりきっていたのに
酷いことを言ってしまった
俺の何かを感じたのか、いるまは案の定傷ついた顔をしながら
紫
と言って、いるまも俺に必要以上関わらなくなった
周りもそんな俺たちが異常だと思ったのか
その冬は少し…、騒がしかった気がする
俺たちは中学三年生になり、初めているまとクラスが分かれた
そのせいか、今まで以上にいるまとの距離は広がっていった
いるまと居ないと何もかもが退屈で、寂しかった
「酷いことを言ったことを謝りたい」
「前みたいに一緒にいたい」
そう思ってはいるものの、やはりなんだか怖くて、 行動には移せず
いつかまたいるまから来てくれるはず、なんて自分から避けたくせに
期待だけは残したまま
そのまま、あっという間に卒業して、高校生になった
いるまと俺は別々の高校へ行ったため、周りには知らない人達ばかり
そして、いるまの行った高校も知らないため、もう会えないと思った
いるまと一緒に居るのが当たり前で
避けていた後も、同じ中学校だし会えるよね、と心の中できっと甘えてた
だから、知らなかったんだ
こんないるまに対する感情
桃
やっと辿り着いた
なんであの時、いるまの反応が気に食わなかったのか
桃
そんな俺の独り言は、みんなの話し声にかき消された
俺は帰りのホームルームが終わったあと、足早に人気のない場所へ行った
人のいないせいか、堪えていたはずの涙が溢れた
桃
桃
桃
桃
もっと早く気付けていたら、あんな酷いこと言わなかったのにッ
いるまに、あんな顔させずに済んだのにッ
そんな後悔してもしきれないような思いが涙と共に溢れる
桃
桃
本当は、卒業式が終わったあと謝りに行こうと思ったんだ
また前みたいに戻りたかったから
でも卒業式が終わった後探してみても、いるまはもういなかった
家に行く勇気はどうしてもなくて、謝れなかった
桃
暫くそうしていて、少し落ち着いたので帰ろうと、俺は校門へ向かった
俺は早く帰ろうと早足で校門を通る
???
俺の足は、そんなたった一声で止まった
泣いて少し腫れた目を見られたくなくて俯いていたから、気が付かなかった
桃
居るわけない…はず
きっと、何かの間違いだ
確かめるために、俺は声のした方を向く
紫
そう言って笑ったいるまは少し大人びて見えて、どこか懐かしい
そして何故か儚げだったけれど、安心したような笑顔を浮かべていた
俺はあの時から何も変われていないのに
俺の知らない、いるまがいるような気がした
桃
紫
桃
桃
紫
桃
なんとでもないと言うような顔で言ったいるま
俺には出来なかったことがいるまにはできたという事実が
俺がまだまだ意地っ張りな子供だということを示しているようで少し悔しい
だけどそれ以上に、いるまのその言葉が嬉しいと思った
桃
同意するように俺はそう言い、力なく笑った
紫
桃
俺たちは話をするためにいるまの家へ向かった
いるまから「先に部屋行ってて」と言われ、静かに部屋で待つ
久しぶりのいるまの部屋はあまり変わっていなくて
相変わらずセンスのいい家具が置いてあった
いるまの匂いに自然と安心感を覚える
お茶を持ったいるまが来て、何故か二人とも向き合って正座をしていた
紫
紫
桃
なんでいるまが謝るの
だって、いるまにこんな顔させちゃったのも、関係崩しちゃったのも
全部、全部、俺のせいなのに…っ
紫
紫
紫
紫
全部俺のせいだから、そんな悲しそうな顔しないでよ
桃
桃
紫
紫
桃
桃
桃
桃
桃
桃
桃
桃
紫
桃
紫
桃
桃
桃
紫
紫
紫
桃
どういうこと…?
紫
桃
紫
紫
やめて
紫
紫
そんなの、聞きたくないよ
紫
紫
叶わないこの思いがあるからこそ
紫
紫
いるまの口から出る言葉が辛くて
紫
紫
あの時みたいに、誰かを想う愛おしそうな表情を浮かべたいるまが
紫
紫
俺の胸を痛める
桃
紫
そう言った瞬間、俺の事を愛おしそうに見たいるま
思わずその表情に胸を高鳴らせる
紫
桃
紫
紫
紫
桃
桃
紫
紫
紫
紫
紫
知ってる、知ってるよ
だって、ずっと見てきたから
紫
紫
紫
俺を真っ直ぐ見つめるその琥珀色の瞳が
いるまの優しい表情が
紫
紫
また、俺の胸を高鳴らせて
桃
紫
俺の赤くなった顔が伝染したように
いるまの頬も赤く染る
桃
紫
紫
桃
桃
紫
桃
そう言い軽く口付けした後、いるまは悪戯に
そして色っぽく微笑んだ
紫
桃
「当たり前が変わったあの日」
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