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家に帰り
机の引き出しの一番上を引き
赤いシンプルなカバーの
日記帳を取り出した。
これはお母さんに貰ったもの。
安かったから。
という理由らしい。
特に思い入れはないが
貰った以上、使わなくては失礼だ。
日記帳を開き
お気に入りのシャーペンを持った。
5月4日
今日は、晴斗と話ができなかった。
今日もやはり、梨央達と仲良さげに話していた。
羨ましい。
私もいつか
あんな風に
隣で笑えたらな。
住む世界が違うから
きっと叶わないだろうけど。
そこまで書いて
日記帳を閉じた。
自分で書いているうちに
少し悲しくなった。
同じ学校で
同じ学年で
同じ学級。
なのに
なぜ梨央達と私は
こんなにも違うのだろう、って。
梨央達とは
梨央、夢、詩織のこと。
クラスのおしゃれ女子で
男子人気も恐らく高い。
よく晴斗達と話している。
三人共いい人で
嫌ってなどいないし
晴斗の彼女だと言われても
なんの違和感も無い。
でも
私は···。
晴斗となんて
釣り合わない。
世界が違う。
あいつは人気者で
私はぼっち。
私と晴斗は
違いすぎる···。
私は
涙をこらえた。
こんなことで泣いちゃだめだ。
いつか私は
失恋する。
きっと確実だ。
晴斗が私を好きなんて
ありえない話。
だから
失恋したそのときに
今までぶんの涙を流す。
そう決めてるんだ。
だからまだ
泣くことはない。
恋というのは
少し面倒だ。
続きます。 一人1♡お願いします!