桃赤
嫌い
大嫌い
俺は昔から、男に告られることが多かった
そのたび俺は適当な理由をつけて
冷たく接して
きっぱりと振ってきた
それなのに
桃
何回断っても、こいつだけはしつこかった
赤
桃
桃
赤
桃
赤
何回言っても
何回断っても
あいつが諦めることはなかった
それから毎日来てたあいつが
ある日を境に、俺にあいにこなくなった
あんなにしつこくて
うるさくて、うっとうしかったのに
居なくなれば居なくなったで、寂しくて
赤
そう自分に言い聞かせながら
俺はあいつの教室まで見に行った
くらすめーと
桃
赤
言葉が出なかった
頭が真っ白になって
足が震えて、動かなくて
桃
桃くんの声が聞こえてやっと
俺は自分の状況を理解した
桃
赤
桃
桃
赤
赤
赤
それだけ伝えて
俺は何も考えずに、何も聞かずに
自分の教室まで戻った
気づけば授業が終わっていて
俺はひとり、ベットの上にいた
どうやって帰ってきたのかも
なんにも覚えてない
「 私の桃くんのそーゆーとこ、好き」
「ありがと、w」
たったこれだけの会話
それだけでも、
あいつが俺に飽きたことが容易に想像できた
あれだけ、俺のことが好きって言ったのに
あれだけしつこく言ってきたのに
急にこなくなって
気づけば他の子と付き合ってて
それが、何故か苦しくて
涙が零れた
赤
どれだけ泣いても、目が腫れるだけで
桃くんに伝わることなんてなくて
なんで泣いてるのかもわかんなくて
ただ、自然に出てくる涙を流しながら
ねた