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金木犀の薫香

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「金木犀の薫香」のメインビジュアル

金木犀の薫香

1 - 見上げた先、金木犀の薫香

♥

151

2023年09月25日

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雫希

皆さんこんにちは!初めての方ははじめまして!

雫希

雫希と〜

涙希

涙希です

雫希

今回は林檎様とあいす様のコンテストに参加させて頂きます!

涙希

コンテスト名は「見上げた先、金木犀の薫香」だな

テーマが“金木犀”だったので金木犀の花言葉である陶酔をイメージしました

一応…伏線なども挑戦してみましたが…ダメでした((

涙希

今回も駄作だけど,ぜひ見てってくれな

雫希

⚠️注意⚠️

・ご本人様とは一切関係ございません ・水青がメインの作品です ・胸くそ展開などがございます ・エセ関西弁や日本語がおかしいところがあります ・nmmnをご存知ない方はご遠慮下さい

雫希

それじゃあ

行ってらっしゃい

右手の薬指にあったそれを落としたのに気づいたのは日が暮れてからだった

if

……っ…くそっ…

if

指輪…どこやねん…!

慌てて戻って探すものの,光のない道での探し物はほとんど見つからないことはよく知っていた

でも,見つけなきゃ

あれは,多分大切なものだから

スマホのライトで照らしながら先程歩いた道を行ったり来たりする

ほとけ

……あの…

ふと,独特な甘い匂いがした

これは,多分,金木犀の匂い

ほとけ

これ,あなたの指輪ですか?

ぴたり,と時が止まった気がした

ほとけ

……あ…あの…?

不安そうな彼の顔を見て慌てて答える

if

……えっ,あ,そ,そうです!!

ほとけ

やっぱり!良かったぁ,拾っておいて

そう言って暗闇の中でも眩しく微笑む彼に心臓が悲鳴をあげ始める

ほとけ

指輪って,すっごく大事だもんね

ほとけ

持ち主が見つかってほんと良かった!

また,金木犀の匂い

この匂いを嗅ぐとどうにもふわふわして落ち着かない

酔ったようにぼんやりして,そしてなんだか泣きそうになる

if

…ありがとう…ございます…///

心臓が苦しいほどに脈を打ち,彼の顔を穴が空くほど見つめてしまう

ほとけ

……あの,名前,なんていうんですか?

甘い甘い匂いに酔いながら彼の質問に答える

if

……いふ…いふって言います

ほとけ

……僕はほとけ

ほとけ

…ねぇ,ifくん

ほとけ

その指輪,僕にちょーだい?♡

甘えるように,少し照れてそういう彼に

if

……っ…はいっ…!♡ゾクッ

俺はきっと,恋に落ちた

俺の指にあったものがほとけの指につけられた日から俺とほとけは付き合い始めた

ほとけ

いふくんおまたせ!

ほとけ

……待った…?

if

んーん,全然!

if

今来たところ

ほとけ

そっか,なら良かった!

今日もほとけからは甘くていい匂いが溢れている

if

……ほとけ

ほとけ

なーに?いふく…わっ!

その匂いが愛おしくてぎゅっと抱きつく

そして首筋に顔を埋めれば,より一層濃い匂いにとろけそうになる

ほとけ

もー,くすぐったいってばぁ!w

if

…んー…ほとけぇ…好き…

ほとけ

ふふ,僕もだよ!

そうして2人で笑って,どこに行こうかなんて話して

どこか懐かしいそれは俺の心を満たすには十分過ぎて

if

じゃー行くか

ほとけ

うん!

ミツバチが蜜を求めるように,俺はほとけとの時間を求め続けた

ほとけ

それで,いふくんがね!

悠佑

……お前最近恋人の話ばっかやな

アニキこと悠佑に呆れたように言われてしまう

ほとけ

えー,なんでよ!別にいいじゃん!

いじけたように反論してもアニキは渋い顔をやめない

悠佑

……まー,お前がええならええんやけどな

悠佑

ただ,酔いしれすぎるのも良くないで

咎めるような,責めるような口調で言われて怒りがわいてくる

ほとけ

なに!?そんなに僕に幸せになってほしくないの!?

思わず右手の薬指にある指輪を握りしめる

悠佑

そうは言っとらんやろ?

悠佑

ただ,ほんまにお前は幸せなんかなと思って

悠佑

わざわざ金木犀の香水を買って

悠佑

指輪をとって,近づいて

悠佑

ホンマにそれでええんか?

ほとけ

……いいよ,幸せだから

そうだ,僕は今めちゃくちゃに幸せなんだ

それの,何が悪いの?

悠佑

……俺は,忠告はしたからな

アニキはそれだけ言い残して立ち去った

ほとけ

……わからずや…

プシュッと金木犀の匂いを体に纏う

そうすれば,きっと彼は愛してくれるから

付き合い始めてから1ヶ月

俺たちは記念にと今流行りのナイトプールに来ていた

ほとけ

いふくん見てみて!すごい!!

キラキラした顔で笑うほとけを見て連れてきて良かったと思う

ほとけ

いふくん!写真撮ろ!

if

ん,撮るか!

はしゃぐほとけの横にたち,カメラのレンズを見る

ほとけ

はい!チーズッ!

掛け声に合わせてパシャッと音がして写真が1つ,ほとけのスマホに記録される

ほとけ

わー!めちゃくちゃいい写真!

if

……あぁ…そーやな…

ふと,違和感を覚える

が,なぜ違和感を覚えたのかがまるで分からない

ほとけ

……?いふくんどうしたの?

ほとけ

体調でも悪い?

俺がいつものようにはしゃいでいないからか,ほとけが心配そうに俺の顔を覗き込む

if

……ん…なんもないで…

口ではそう言いつつも,違和感がどんどん大きくなって膨れ上がる

ほとけ

体調悪いなら出る?

不安そうに俺の額に手を伸ばすほとけ

if

……あ…

あぁ,そうや…

いつもの俺ならほとけに触られるだけでドキドキしているはずなのに

今日は全くと言っていいほどドキドキしない

でも,なんでだ?

なんで今日だけ,こんなにほとけに対して心が動かないんだ?

if

……ほとけ…

抱きしめたら,何かわかるかもしれない

そう思っていつものように欲望のままにほとけを抱きしめる

ほとけ

……いふくん…///

ほとけが熱を持った瞳で俺を見る

if

……っ…ほと…け…

俺は,ほとけを愛してる

すごく大切で離れたくなくて

ほとけが喜んでくれるだけでこの上なく幸せで

空っぽだった心が満たされるのを嬉しく思っていた

……はず,なのに

if

……っ…!ドンッ

気づけば,ほとけを突き飛ばしていた

ほとけ

……え…いふ…くん…?

あいつは“いふくん”なんて呼ばない

ほとけ

……ど…どうしたの?…ねぇ…

もっと,もっと強く金木犀の匂いがしなきゃ

ほとけ

……ね…ねぇ…!!いふくんっ!

違う,違う,違う

そのピンクの指輪は,ほとけのものじゃない!!!!!

おもい,だした

今まで感じていた違和感がパズルのピースのように埋まって1つの真実にたどり着く

if

……俺は…

ほとけ

……っ!!!

if

……俺が好きなのは…

ほとけ

…や,やめてっ!!!

「まろ,大好きだよ」

if

……ないこや…ポロポロ

if

…ないこ,入るで

ないこ

……はーい

扉を開ければ,今日も金木犀の匂いが漂ってくる

ないこ

……毎日来てくれなくてもいいのに

そう悲しげに目を伏せるないこを抱きしめる

if

……俺が会いたくてきてるの

ないこ

ふふ,まろは俺の前だと甘えただよね

甘えたでもなんでもいい

ないこを抱きしめることができるのなら,なんと言われようが関係ない

if

…いーにおい

ないこ

ほんと?金木犀,嫌がる人多いのに

if

んーん…安心する…

ないこ

……そっか

儚げに笑うないこがふとした時にどこか遠くへ行ってしまいそうで

それが怖い甘えたで臆病な俺は彼の右手をとる

ないこ

……えっ…

薬指にピッタリハマったそれを見て,ないこが目をうるませる

ないこ

……うそ…いいの?俺で…

if

…ないこがええねん

ないこ

……っ…うれしい…ポロポロ

ポロポロと涙を零しながらピンク色のリングを握りしめるないこはすごく綺麗で

このまま時が止まればいいのになんて柄にもないことを願ってしまう

if

……まだ,右手やけど…必ず左手につけような

ないこ

……うん…!

そして,誓うようにキスを交わす

2つのリングが音を立ててカチ,と鳴った

「0時52分 ご臨終です」

if

……え…?

なに,ご臨終ですって

だって,さっきまで,話してたやん

なに,なんで,ないこはねてるん?

if

……ないこ…

if

……起きてや…

ないこ

……

if

まだ…まだ…右手のままやん…

ないこ

………

if

……左手に…つけるんやって…

if

やくそく…したやろ?

いつもと全然変わらない

金木犀の匂いだってする

そう,ただ,ねてるだけやろ?

if

なぁっ…ないこぉ…!

if

起きて…おきてやぁ…!!!

if

おれっ…お前がおらんと生きていけんよぉ…!!

if

はやくっ…だきしめて…ポロポロ

if

ひだりてにっ…つけてって…ポロポロ

if

いってやぁ…!!…ポロポロ

if

ないこっ…!ないこぉ…ポロポロ

ないこ

…………

if

……っ…うああぁぁっ!!!

なぜ,なぜ今まで忘れていたんだろう

なぜ今まで気づけなかったんだろう

if

……ごめん,ほとけ

if

俺は…お前のこと,愛せそうにない

ほとけ

……っ!!

俺は,ほとけを愛していたんじゃない

金木犀の匂いを求めていたんだ

ほとけ

……な…なんでよ…

ほとけ

……もうっ!もうないちゃんはこの世にいないんだよ!?

ほとけ

だったら…だったら僕を愛してくれてもいいじゃん!

ほとけが縋るように俺を見つめる

ほとけ

僕…ずっとずっと前からいふくんのことが好きだった

ほとけ

本当に…愛してたのっ!!

if

……ごめん

ほとけ

……っ!!

if

期待させるようなことして,ごめん

if

でも,俺は誰と付き合おうと,ないこ以外には心は動かない

ほとけ

…最低…ポロポロ

if

……ごめん

ほとけ

……んーん…僕こそ…ごめん…

ほとけ

勝ち目なんてないって…最初から分かってたのに…ポロポロ

ほとけ

ifくんがないちゃんのこと覚えてないって聞いて…それで…

ほとけ

ないちゃんみたいに金木犀の匂いがすれば…僕のこと…好きになってくれると思った

ほとけがゆっくりと薬指から指輪を抜く

ほとけ

……これ,返すね

ほとけ

僕には,似合わなかったみたい

そう言って弱々しく笑うほとけに指輪を渡される

ほとけ

……もう,落としちゃダメだよ

if

……うん…ごめん…

ほとけ

……ばいばい,ifくん

if

……ばいばい,ほとけ

ほとけが見えなくなった途端,色んな感情が一気に押し寄せてきて,耐えきれずに涙を零す

if

……っ…ぅ…あぁ…ポロポロ

if

……ぅ…ないこぉ…ないこっ…!

金木犀の匂いは,もうしなかった

こうなることくらい,分かってた

ほとけ

……っ…う…ポロポロ

アニキに忠告された時からこうなってしまうことくらい,分かってた

ほとけ

でも…しょうがないじゃんか…

ほとけ

……好きなんだもん…ポロポロ

ないちゃんの匂いと指輪を借りて

仮初でもいいから彼の1番になってみたかった

それに…

ほとけ

お願い…されちゃったからなぁ…

金木犀の匂いを嗅ぐと思い出す

「ほとけっち,お願いがあるの」

「…?なに?」

「……俺の代わりに,まろを幸せにしてあげて」

「俺はきっと,もうすぐ死んじゃうから」

「死んじゃうって…そんなの…!」

「……まろを,よろしくね,ほとけっち」

その時笑った彼の顔が苦しそうで,悲しそうで

きっと,できることならいふくんのことは自分が幸せにしてあげたかったに違いない

それでも,ないちゃんはいふくんの幸せだけを願って恋敵である僕にいふくんを託した

でも,僕じゃ,だめだった

ほとけ

……ごめん…ないちゃん…ポロポロ

どれだけないちゃんに匂いを寄せようが,彼と同じ指輪をつけようが

僕はいふくんに愛して貰えない

ほとけ

……っ…ポロポロ

これさえあれば,僕はいふくんに愛してもらえる

そう思っていつも持ち歩いていた金木犀の香水

でも,もう,終わりにしよう

ほとけ

……っ…

ガコンと音がしてないちゃんから貰った香水がゴミ箱の中に入る

これで僕といふくんを繋ぐものはなくなった

でも,きっと,大丈夫

ほとけ

……あ,もしもし…アニキ……?

ほとけ

…ちょっと…今話したいことがあるんだけど,いい?

金木犀には頼らずに

僕は僕を愛してくれる人と幸せになるから

金木犀の匂いは,もうしなかった

雫希

おかえりなさーい!

こっ…こんな変な作品を素晴らしいコンテストに出してもいいんでしょうか…(震)

恐縮どころの話じゃないですね…(震)

ほんの少しだけ…解説とやらを書きます…

🤪さんは🍣さんが亡くなったことにより🍣さんに関する記憶を失ってしまいます。 これを聞きつけた💎さんは🍣さんと同じ匂いの香水をつけ,指輪を“盗む”ことに成功します。 🍣さんに頼まれたように🤪さんを幸せにできるように“可愛い彼女”になろうとしました。

しかし,🤪さんは金木犀の匂いがしない💎さんに会ったことで🍣さんとの記憶を思い出します。 そして💎さんへと別れを告げたのです。 そして,💎さんは自分のことを愛してくれる🦁さんと一緒にいることを決めるのです。

涙希

🤪さんが指輪を右手の薬指につけていたのも

雫希

💎さんの匂いを嗅いですぐ金木犀の匂いだと🤪さんが気づけたのも…

🍣さんのことを忘れきることができなかったからです

雫希

こんな駄作ですが,読んで頂きありがとうございます!

涙希

もっといい作品がかけるように頑張るな

雫希

それじゃあ!

雫希

おつしず〜

涙希

おつるい

この作品はいかがでしたか?

151

コメント

1

ユーザー

え!まって!すごい! めっちゃ好きです!! 水くんが最後黒くんに電話してるの好きなんですよねぇ… 参加ありがとうございます!

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