雫希
雫希
涙希
雫希
涙希
テーマが“金木犀”だったので金木犀の花言葉である陶酔をイメージしました
一応…伏線なども挑戦してみましたが…ダメでした((
涙希
雫希
・ご本人様とは一切関係ございません ・水青がメインの作品です ・胸くそ展開などがございます ・エセ関西弁や日本語がおかしいところがあります ・nmmnをご存知ない方はご遠慮下さい
雫希
行ってらっしゃい
右手の薬指にあったそれを落としたのに気づいたのは日が暮れてからだった
if
if
慌てて戻って探すものの,光のない道での探し物はほとんど見つからないことはよく知っていた
でも,見つけなきゃ
あれは,多分大切なものだから
スマホのライトで照らしながら先程歩いた道を行ったり来たりする
ほとけ
ふと,独特な甘い匂いがした
これは,多分,金木犀の匂い
ほとけ
ぴたり,と時が止まった気がした
ほとけ
不安そうな彼の顔を見て慌てて答える
if
ほとけ
そう言って暗闇の中でも眩しく微笑む彼に心臓が悲鳴をあげ始める
ほとけ
ほとけ
また,金木犀の匂い
この匂いを嗅ぐとどうにもふわふわして落ち着かない
酔ったようにぼんやりして,そしてなんだか泣きそうになる
if
心臓が苦しいほどに脈を打ち,彼の顔を穴が空くほど見つめてしまう
ほとけ
甘い甘い匂いに酔いながら彼の質問に答える
if
ほとけ
ほとけ
ほとけ
甘えるように,少し照れてそういう彼に
if
俺はきっと,恋に落ちた
俺の指にあったものがほとけの指につけられた日から俺とほとけは付き合い始めた
ほとけ
ほとけ
if
if
ほとけ
今日もほとけからは甘くていい匂いが溢れている
if
ほとけ
その匂いが愛おしくてぎゅっと抱きつく
そして首筋に顔を埋めれば,より一層濃い匂いにとろけそうになる
ほとけ
if
ほとけ
そうして2人で笑って,どこに行こうかなんて話して
どこか懐かしいそれは俺の心を満たすには十分過ぎて
if
ほとけ
ミツバチが蜜を求めるように,俺はほとけとの時間を求め続けた
ほとけ
悠佑
アニキこと悠佑に呆れたように言われてしまう
ほとけ
いじけたように反論してもアニキは渋い顔をやめない
悠佑
悠佑
咎めるような,責めるような口調で言われて怒りがわいてくる
ほとけ
思わず右手の薬指にある指輪を握りしめる
悠佑
悠佑
悠佑
悠佑
悠佑
ほとけ
そうだ,僕は今めちゃくちゃに幸せなんだ
それの,何が悪いの?
悠佑
アニキはそれだけ言い残して立ち去った
ほとけ
プシュッと金木犀の匂いを体に纏う
そうすれば,きっと彼は愛してくれるから
付き合い始めてから1ヶ月
俺たちは記念にと今流行りのナイトプールに来ていた
ほとけ
キラキラした顔で笑うほとけを見て連れてきて良かったと思う
ほとけ
if
はしゃぐほとけの横にたち,カメラのレンズを見る
ほとけ
掛け声に合わせてパシャッと音がして写真が1つ,ほとけのスマホに記録される
ほとけ
if
ふと,違和感を覚える
が,なぜ違和感を覚えたのかがまるで分からない
ほとけ
ほとけ
俺がいつものようにはしゃいでいないからか,ほとけが心配そうに俺の顔を覗き込む
if
口ではそう言いつつも,違和感がどんどん大きくなって膨れ上がる
ほとけ
不安そうに俺の額に手を伸ばすほとけ
if
あぁ,そうや…
いつもの俺ならほとけに触られるだけでドキドキしているはずなのに
今日は全くと言っていいほどドキドキしない
でも,なんでだ?
なんで今日だけ,こんなにほとけに対して心が動かないんだ?
if
抱きしめたら,何かわかるかもしれない
そう思っていつものように欲望のままにほとけを抱きしめる
ほとけ
ほとけが熱を持った瞳で俺を見る
if
俺は,ほとけを愛してる
すごく大切で離れたくなくて
ほとけが喜んでくれるだけでこの上なく幸せで
空っぽだった心が満たされるのを嬉しく思っていた
……はず,なのに
if
気づけば,ほとけを突き飛ばしていた
ほとけ
あいつは“いふくん”なんて呼ばない
ほとけ
もっと,もっと強く金木犀の匂いがしなきゃ
ほとけ
違う,違う,違う
そのピンクの指輪は,ほとけのものじゃない!!!!!
おもい,だした
今まで感じていた違和感がパズルのピースのように埋まって1つの真実にたどり着く
if
ほとけ
if
ほとけ
「まろ,大好きだよ」
if
if
ないこ
扉を開ければ,今日も金木犀の匂いが漂ってくる
ないこ
そう悲しげに目を伏せるないこを抱きしめる
if
ないこ
甘えたでもなんでもいい
ないこを抱きしめることができるのなら,なんと言われようが関係ない
if
ないこ
if
ないこ
儚げに笑うないこがふとした時にどこか遠くへ行ってしまいそうで
それが怖い甘えたで臆病な俺は彼の右手をとる
ないこ
薬指にピッタリハマったそれを見て,ないこが目をうるませる
ないこ
if
ないこ
ポロポロと涙を零しながらピンク色のリングを握りしめるないこはすごく綺麗で
このまま時が止まればいいのになんて柄にもないことを願ってしまう
if
ないこ
そして,誓うようにキスを交わす
2つのリングが音を立ててカチ,と鳴った
「0時52分 ご臨終です」
if
なに,ご臨終ですって
だって,さっきまで,話してたやん
なに,なんで,ないこはねてるん?
if
if
ないこ
if
ないこ
if
if
いつもと全然変わらない
金木犀の匂いだってする
そう,ただ,ねてるだけやろ?
if
if
if
if
if
if
if
ないこ
if
なぜ,なぜ今まで忘れていたんだろう
なぜ今まで気づけなかったんだろう
if
if
ほとけ
俺は,ほとけを愛していたんじゃない
金木犀の匂いを求めていたんだ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけが縋るように俺を見つめる
ほとけ
ほとけ
if
ほとけ
if
if
ほとけ
if
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけ
ほとけがゆっくりと薬指から指輪を抜く
ほとけ
ほとけ
そう言って弱々しく笑うほとけに指輪を渡される
ほとけ
if
ほとけ
if
ほとけが見えなくなった途端,色んな感情が一気に押し寄せてきて,耐えきれずに涙を零す
if
if
金木犀の匂いは,もうしなかった
こうなることくらい,分かってた
ほとけ
アニキに忠告された時からこうなってしまうことくらい,分かってた
ほとけ
ほとけ
ないちゃんの匂いと指輪を借りて
仮初でもいいから彼の1番になってみたかった
それに…
ほとけ
金木犀の匂いを嗅ぐと思い出す
「ほとけっち,お願いがあるの」
「…?なに?」
「……俺の代わりに,まろを幸せにしてあげて」
「俺はきっと,もうすぐ死んじゃうから」
「死んじゃうって…そんなの…!」
「……まろを,よろしくね,ほとけっち」
その時笑った彼の顔が苦しそうで,悲しそうで
きっと,できることならいふくんのことは自分が幸せにしてあげたかったに違いない
それでも,ないちゃんはいふくんの幸せだけを願って恋敵である僕にいふくんを託した
でも,僕じゃ,だめだった
ほとけ
どれだけないちゃんに匂いを寄せようが,彼と同じ指輪をつけようが
僕はいふくんに愛して貰えない
ほとけ
これさえあれば,僕はいふくんに愛してもらえる
そう思っていつも持ち歩いていた金木犀の香水
でも,もう,終わりにしよう
ほとけ
ガコンと音がしてないちゃんから貰った香水がゴミ箱の中に入る
これで僕といふくんを繋ぐものはなくなった
でも,きっと,大丈夫
ほとけ
ほとけ
金木犀には頼らずに
僕は僕を愛してくれる人と幸せになるから
金木犀の匂いは,もうしなかった
雫希
こっ…こんな変な作品を素晴らしいコンテストに出してもいいんでしょうか…(震)
恐縮どころの話じゃないですね…(震)
ほんの少しだけ…解説とやらを書きます…
🤪さんは🍣さんが亡くなったことにより🍣さんに関する記憶を失ってしまいます。 これを聞きつけた💎さんは🍣さんと同じ匂いの香水をつけ,指輪を“盗む”ことに成功します。 🍣さんに頼まれたように🤪さんを幸せにできるように“可愛い彼女”になろうとしました。
しかし,🤪さんは金木犀の匂いがしない💎さんに会ったことで🍣さんとの記憶を思い出します。 そして💎さんへと別れを告げたのです。 そして,💎さんは自分のことを愛してくれる🦁さんと一緒にいることを決めるのです。
涙希
雫希
🍣さんのことを忘れきることができなかったからです
雫希
涙希
雫希
雫希
涙希
コメント
1件
え!まって!すごい! めっちゃ好きです!! 水くんが最後黒くんに電話してるの好きなんですよねぇ… 参加ありがとうございます!